めいのぼやき41 余詰消し入門(2)

バーチャル詰将棋作家の駒井めいです。

詰将棋を創作する上で余詰を消すのは大変な作業です。
しかし、他人に自作を解いてもらう上では避けて通れません。
「余詰消し入門」と題して、余詰を消す問題を出します。
今回が第2回です。

詳しい創作のルールは下記のリンクをご覧ください。

問題

【 第1図 】

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第1図は作意手順が

31金 迄1手。

の詰将棋です。
しかし、

22金 迄1手。

という余詰が成立しています。
玉方に金1枚を追加で配置して、余詰を消してください。
但し、既に盤面に配置されている駒との置き換えはしないでください。
※3手以上の詰将棋における最終手余詰は許容されますが、1手詰の場合は許容されないのが慣例となっています。

☆ 解答・解説は下へスクロール ☆






解答・解説

< 解答 >

【 第2図 】

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「23金」と配置するのが正解です。

< 解説 >
第3図は第1図から1手目22金とした局面です。

【 再掲第1図 】

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【 第3図 】

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既に盤面に配置されている駒との置き換えが可能ならば、第1図の11歩に代えて11金と配置して、駒数を増やさずに余詰を消すことができます(第4図)。
これは第1回で出題した内容です。

【 第4図 】

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しかし、今回の問題設定ではそれができません。
玉方に金1枚を追加で配置して、1手目22金の余詰を消さなければなりません。
この設定における可能な方法としては、

① 玉方22金と配置して、1手目22金とする手を直接消す。
② 玉方12金や23金と配置して、作意手順を潰さないように22の地点に利かす。

が考えられます。
一つずつ検討していきましょう。

(1) 玉方22金追加

【 第5図 】

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22の地点を別の駒で埋めてしまえば、当然1手目22金と駒を打つことはできなくなります。
さて、1手目31金とする作意手順は成立したままでしょうか(第6図)。

【 第6図 】

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1手目31金は12玉と逃げられてしまいます。
龍の横利きが遮られてしまったからです。
余詰は消えましたが、作意手順も潰れてしまったので、これは失敗です。

(2) 玉方12金追加

【 第7図 】

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22の地点に利かせれば、1手目22金は同金で詰みません。
1手目31金とする作意手順も潰れていません。
しかし、1手目32金とする新たな余詰が成立しています(第8図)。

【 第8図 】

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12の地点を玉方駒で埋めたことで、1手目32金に対して12玉と逃げる手が消えてしまったからです。
これも失敗です。

(3) 玉方23金追加

【 再掲第2図 】

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先程と同様に22の地点に利かせているので、1手目22金は同金で詰みません。
1手目31金とする作意手順も潰れていません。
1手目12金は同歩、1手目32金は12玉で逃れています。
従って、この配置が正解となります。