2020/04/14; チャットモンチーが大好きだ

チャットモンチーが大好きだ。友人の勧めで「チャットモンチーBEST 2005 - 2011」を借りてきて、すぐ引き込まれた。聞くのに夢中でしばらく動けなくなったのを覚えている。それが一昨年、チャットモンチーが完結し、活動を終えた直後のことだった。

チャットモンチーというバンドは以前より知っていたが、ほとんど聞いたことがなかったし、「かわいいガールズバンド」みたいな認識だった。しかし、アルバム「チャットモンチーBEST 2005 - 2011」の1曲目、「ハナノユメ」の1コーラス目から「かわいい上にかっこいいんだ...もはやとんでもない...!」と感じた。その日中にTSUTAYAでアルバム全部借りてきて、四六時中チャットモンチーの音楽とともに過ごした。

聴き始めた頃、vocalの声は張り詰めた金属線のように聞こえた。弾いたら切れてしまいそうで、ヒリヒリして、「どうか切れないで」と思いながら聴いていた。当時私を魅了していたのは、誰にも真似できない、その儚げな危うさだったかもしれない。しかし聴き続けるうちに、全く反対の印象へ変わっていたことに気づく。
その声は、息ぴったりな3人の演奏やコーラスに支えられて、切れそうだけど絶対に切れないのである。切れそうに見えていた線の内側には、とんでもなく強い芯が通っていたのだと知った。

チャットモンチーというバンドは、とにかく相乗効果で成り立っていたのだと思う。作詞は3人全員で分担して行い、演奏の随所にバンドならではの発想やこだわりが光る。個々の能力が高いのは勿論のこと、「3人で最大限のいい曲を作ろう」として、議論し、楽曲作りに励んでいたのだろう。3人揃えば無敵である。

そんなバンドだからこそ、ライブの演奏は一際輝いて見える。「3人でここまでできるんだ」と思わずにはいられない。あの場にいたら、一生忘れられない思い出になったんじゃないか...そう思えば思うほど、もうライブに参加することができないという現実が、悔しい。

2011年にメンバーの1人が脱退したが、2人になったチャットモンチーは、なお相乗効果を貫いた。ドラムとギターの2人だけで演奏できる楽曲を作り、2人だけでライブを敢行した。かと思えば一転、サポートメンバーを呼んで豪華なパフォーマンスを披露した。いつまでも彼女らにしかできない音楽を貫いたのである。メンバーが減っても「2人ならやれる。」そんな気持ちがあったのではないだろうか。お互いが、お互いにとって心強い相棒であったことは間違いない。

なぜ今日はこんな話をしたか。初期のチャットモンチーが愛を込めて作ったであろう作品、「チャットモンチー レストラン フルコース」を購入したからである。
これはチャットモンチーのミュージックビデオやライブ映像、特典映像を詰め合わせた、ファン感涙の大作である。完全生産限定盤のため新品は購入できなかったが、綺麗で欠品のないものが買えて非常に嬉しい。当時、チャットモンチーの皆さんがアイデアを出し合って作ったものだと考えると、愛おしいというか、ありがたいというか、尊いというか...そういう気持ちになる。

チャットモンチーというバンドが、音楽という作品を残してくれて本当に良かった。いつも元気をくれて、本当にありがとうございます。そしてこれからも聴き続けるので、何卒よろしくお願いします。

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