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【リンカーネイション】kemu楽曲の物語を改めて考察してみる【10周年】

七度目まして。夢結(@Mei_yumeyui)といいます。よろしくお願いします。

サムネイルは「リンカーネイション」3:37辺りのスクリーンショットを使わせていただきました。

本編

【GUMI・鏡音リン】 リンカーネイション 【オリジナル曲・PV付】

【HD】 リンカーネイション 【GUMI・鏡音リン】- KEMU VOXX

「少年は完全を拒んだ」 - 動画説明文より
「知らず大人に為ってゆく」- マイリストコメントより

7作目です。リンカーネイション(Reincarnation)の意味は、輪廻、転生などです。ストーリー的に「敗北の少年」と重なる部分があるので、随時触れていこうと思います。
黒髪の女の子の名前は「ユイちゃん」といいます。動画担当のke-sanβ氏がASKfmにて公言しています。また、以前はKEMU VOXX公式ホームページからオフボーカル音源などがダウンロードできるようになっていたのですが、「リンカーネイション」のDLパスワードはyuichanとなっていました。

曇天の大都市に 耳鳴りがぱちり
願ったり 縋った覚えなど無いけど

願い縋った覚えの無いユイちゃんに、耳鳴りが訪れます。耳鳴りの内容は「敗北の少年」によれば、「君の夢 憧れたヒーローに今すぐさせてあげよう」です。

大事変混沌の立役者 演者
記憶とさ傍迷惑の継承

ユイちゃんは記憶を継承していることが述べられています。以降、過去作の記憶に思いを巡らせているような歌詞が続きます。

汚れてしまった世界で 止まない雨に嗤ったり

「イカサマライフゲイム」の記憶です。

灰に変わった世界で 確か 有限を夢見たんだ

「地球最後の告白を」の記憶です。不老不死という無限に対しての有限という単語だと考えられるので、「地球最後の告白を」の歌詞だけではあまり感じられませんでしたが、ゆんちゃんは実際には死を望んでいたのでしょうね......

最終走者は走る 結末へと 終わりにしようか ここらでさ
たった一度のイレギュラー 少年は完全を拒んだ
奇跡も何も無い世界で ブラウン管の夢を見れたなら
なんて素敵な事でしょう 神は今 標的と為る

歴代主人公たちの記憶のバトンを受け継いできたユイちゃんを、最終走者(アンカー)と表現しています。そして、このユイちゃんだけが、奇跡を与えられることを拒んだと分かります。

転生神童の解答や如何に 今更平凡に恋焦がれたり

「人生リセットボタン」の記憶です。

交差点 喧噪に少年がぽつり 何卒 後は宜しくと

「インビジブル」の記憶です。「インビジブル」の主人公は記憶の継承を把握している節がありますね。「リセットは別の話」発言もそうですし、何卒~は次に奇跡が訪れるであろう少年に、あるいはユイちゃんに向けて言っているように聞こえます。

二人ぼっちの世界で 最後に手にした林檎は
たいそう調味料の味がして 愛しく思えたんだ

「六兆年と一夜物語」の記憶です。「六兆年と一夜物語」と林檎の関係はイラストの背景に描いてあるくらいでしたが、あの二人は最後に調味料の味がする林檎を食べていたことが判明します。やっぱりアダムとイヴ......?

最終走者は走る 結末へと 主役の残骸を 踏みつけて
地球最後のチャンスは 存外無責任に託された

主役の残骸は歴代主人公たちのことでしょう。地球最後のチャンスは、この一連の奇跡を断ち切る機会のことでしょうか。

奇跡も何も無い世界で おとぎ話だって嗤えたら
なんて素敵な事でしょう 神は今 標的と為る

歴代主人公の出来事を、夢物語(おとぎ話)だと笑い飛ばせたらどんなに良いだろう、という反語に聞こえます。(実際は事実であり、犠牲者が出ている)

泥沼掻いて網にかかって 祭り上げんだ 天才偶像
どの道寒い延命処置で イキがれなんてさ もう嫌だ

この曲の解釈の最難関は間違いなくここだと思います......
 1行目は「カミサマネジマキ」との繋がりが見えます。「泥沼這いずるミラクル」「天才学者は閃いた」などの共通単語があり、また、祭り上げるという言葉は、やり玉に上げられたことを連想させなくもないです。
どの道という言葉と、PVでは歴代主人公たちが並べられているところから、二行目は奇跡の犠牲者について述べている箇所だと思われます。延命処置とあるので、歴代主人公たちは奇跡の結果として瀕死状態に陥っているのでしょう。その状態のことを指してイキがれという言葉を用いたのだと推測します。生きがれ、みたいな......そんな言葉は存在しませんが......
存在する言葉を考えると、粋がるの命令形である粋がれしか思いつきませんが、この場面で用いるにはどうにも意味が合わない気がします......
そういった、結局は奇跡によってバッドエンドを迎えるという記憶を継承したユイちゃんだからこそ、こんなのもう嫌だと奇跡を拒めたのかもしれません。

カミサマずっと一人でさ 出来っこ無い理想を追いかけて

「カミサマネジマキ」の記憶です。あの主人公も「僕を殺して」という願いを叶えられているため、記憶継承の対象になっているんですね。

馬鹿な僕らにゃそもそも 飴は いらないんだ

ユイちゃんは奇跡(飴)を拒みます。「敗北の少年」でいうところの「飴みたいに差し伸べられたって嬉しくないんだ」「僕は遠慮するよ」ですね。

最終走者は走る 結末へと 終わりにしようか ここらでさ
夢を見るため僕らは 夢の無い世界を望んだ
奇跡の匣が無い世界で それなりに生きて死ねたなら
なんて素敵な事でしょう

そして、歴代主人公の想いを継いだユイちゃんが願ったのは、夢の無い世界=奇跡の匣の破壊でした。

神は最終章の今 標的と偽る

PVではマキちゃんがkemuキューブ(奇跡の匣)を破壊しています。ここだけ為るではなく偽るという表記なのは、人偏を加えることによって、奇跡を失った神は神たりえない(人と同等である)ということを示しているのかなと自分は思っています。

まとめ

起:奇跡を与えられた歴代主人公の記憶を継承する
承:神に奇跡を持ちかけられる
転:その奇跡を拒み、奇跡の無い世界を望む
結:神は奇跡の匣を破壊する

お付き合いいただきありがとうございました。
次回「敗北の少年」でまたお会いしましょう。

おまけ

前回同様、PVの気になる要素書いておきます。以下の画像はすべて「リンカーネイション」からのスクリーンショットになります。

画像1

0:07辺り「In the beginning was the Word」
『新約聖書』の「ヨハネによる福音書」からの引用です。
初めに言(ことば)があった。

画像2

2:44辺り「you gods, will give us. Some faults to make us men」
シェイクスピアの戯曲『アントニーとクレオパトラ』からの引用です。
神は、我々を人間にするために、何らかの欠点を与える。

リンカ グジャラト

3:29辺り「વાર્ ત  સમાપ્ ત  થતુ  નથી」
物語は終わらない(Google翻訳)

リンカ グジャラト3

3:30辺り「તમે ખરે ખર યોગ્ ય પસ દ ગો હતી ?」
あなたは本当に正しい選択をしましたか?(Google翻訳)

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