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『終極のメシア』 第二話の脚本

第二話の脚本
スターゲイトをくぐった一行
そこは古い宇宙船の残骸の中だった
宇宙船の外に出た一行の前には荒涼とした大地が広がっていた
エミリー「この宇宙船の残骸は一体何?」
ジング「おそらく星間連合が昔使ってた旧型の宇宙船だろう」「宇宙船自体は廃棄されたが、中で使われていたスターゲイトだけは今も機能してるんだ」
シャイン「っていうか、何で直接ポートリアに行かないの?その方が早いのに」
カイン「あのな小僧!スターゲイトっつーのは行きたいところにどこでも行ける便利道具じゃねぇっつーの!それを管理している国がどこに行き先を設定するかで変わってくるんだよ!」
ジング「とにかく、ここからしばらくは歩きだ」
そこからしばらく黙々と歩き続ける一行
カイン「おいおい何だよこの白けた空気は!?自己紹介でもしたらどうだ?それとも歌でも歌おうか?」
エミリー「あの時のあれは何?」
シャイン「え?」
エミリー「ほら、あれよ」「その……あなたのお母さんが殺された時の……」
シャイン「……何のこと?」
エミリー「まさか、覚えてないの?」
ジング「おそらくあの時の自我を失ったシャインは、フロー状態だろう」
エミリー「フロー状態?」
シャイン「自我を失ったって、何の話?」
ジング「今は話せる時じゃない」「だが私たち三大賢者は、君の父親と知り合いだった」
シャイン「!?」
ジング「サン・エナメルから君のことは色々聞かされている…いずれ全てを話す時が来るだろう」
すると、突然上空にヴァンパイアの一団が現れる
ヴァンパイア「ハッハッハ、おいお前ら、人間を見つけたぜ!」「大人が三匹、美味そうな子供が二匹」
カイン「ちっ、ヴァンパイアか」「面倒な奴らに絡まれたな」
シャイン「ヴァンパイアって?」
エミリー「人の生き血を吸って生きる悪魔よ!」
剣を抜いて構えるジングとカイン「おいアチュラ、お前も銃を出して戦えよって……」
メガネを無くして前が全く見えなくなっているアチュラ
カイン「何やってんだよ!こんな時に!」
突然エミリーの悲鳴が「きゃあぁ!!」
一瞬のうちにエミリーはヴァンパイアに捕まった
シャイン「え!?いつの間に!?」
ヴァンパイア「ハッハッハ、今日は人間の若い女の血でパーティーだ!」「じっくり楽しませてもらうぜ〜」
エミリーを連れて空の彼方へ飛び去っていくヴァンパイアたち
シャイン「そんな……エミリーーーー!!!」

エミリーが攫われて数時間後、すでに夜の帷が下りていた
シャイン「どうしたんだよ!?」「何でエミリーを助けに行かないの!?」
カイン「じゃあ聞くが、どうやってあのヴァンパイア共の居場所を突き止めりゃいいんだ?周りは見渡す限りの荒野、手がかりは何もない」
シャイン「何だよそれ……何が三大賢者だよ」「女の子一人助けられないなんて、賢者でも何でもないよ!」
どこかに走り出すシャイン
カイン「おい!シャイン!」
ジング「放っておけ」「結局のところ、我々が必要としていたのはあんな物分かりの悪いガキではなく、伝説と呼ばれた父親の方だったということか」
アチュラ「それは違う」
ジングとカイン「?」

一方、ヴァンパイアの巣
檻に閉じ込められるエミリー
ヴァンパイア「へっへっへっ、今日はこの人間の血でパーティーだ」「てめえら存分に味わい尽くせ!」
どんちゃん騒ぎをするヴァンパイアたち
エミリー(参ったわね……どうにかしてここから脱出しないと)
ヴァンパイア「さて、そろそろこのガキを殺して血をいただこうかね」
エミリー「!」
突然外の警備をしていたヴァンパイアの悲鳴が響き渡る
ヴァンパイア「な……何だ!?」
三大賢者「そいつはやめといた方がいいぜ、吸血鬼共」
ヴァンパイア「お前らはあの時の人間……」
ジング「その少女はレムリア王国の王女だ」「そいつを殺したら、レムリアを治めているアヌンナキ族のエンリルが何て言うかな?」「お前らにとってもエンリルは脅威なはずだ」「奴の獲物を横取りして怒りを買いたくはねぇだろ?」
ジングの忠告を鼻で笑うヴァンパイアたち「それは脅しか?俺たちが奴に敵わないとでも?試しにお前ら人間をこの場で殺して見せようか!?」
襲いかかるヴァンパイアたち
しかし三大賢者は一瞬でヴァンパイアを全員駆逐し、エミリーの救出を成功させた

シャイン「エミリー、大丈夫?」
エミリー「シャイン、あなたも来てたの?」
ジング「エミリー、君を見つけられたのはシャインのおかげなんだ」
エミリー「え?」
ジング「シャインの能力でその辺の草木や岩からヴァンパイアの巣を教えてもらったんだ」
シャイン「昔から好きだったんだ、自然と会話するのが」
カイン「ヴァヴオースに含まれない特殊な力…お前そんなの持ってたのか!」
ジング「よくやったな、シャイン」
思わず赤面するシャイン「う、うん」
エミリー「皆、助けてくれてありがとう」「それと……」
涙を流すエミリー「シャイン、あなたのお母さんを巻き込んでしまってごめんなさい」「本当に……」
シャイン「僕はそんなこと気にしてないよ」「ジングさんの言う通り、それが母さんの運命だったんだ」
ジング(二人とも、ネガティブなことを立て続けに体験してきた、体も心も限界なはず)(だが……)

数時間前
アチュラ「それは違う」
カイン「あ?」
アチュラ「私たちがシャインに出会った理由は、私たち自身が彼を求めていたからだ」「そして何か大きな力が私たちを出会わせた」
カイン「俺たちがあいつを求めた?いつになく饒舌だな」

現在
ジング(そうかもしれない、この出会いは偶然ではない)(この子達なら本当に、人類を救えるかもしれない)
カイン「しゃー!」「このままポートリアまで一気に進むか!」
突然ばたりと倒れるシャイン
エミリー「!?」「シャイン?」「シャイン!!!」

第二話〈完〉

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