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『終極のメシア』 あらすじと第一話の脚本

あらすじ
今から500万年前、宇宙存在アヌンナキが資源を求めて地球に降り立った。彼らは金を採掘するための奴隷として、人類を創造した。地上に降りた人類は、やがて高度文明を築き上げた。しかし次第に、人類はお互いを傷つけあうようになり、それは争いに発展していった。人類の堕落を嘆いたアヌンナキの王子エンリルは、人類を滅ぼすための「大洪水計画」を企てる。
時が経ち、今から1万年前の地球。辺境国オデッサに暮らす少年シャインは、偉大な探検家になることを夢見ていた。そんなシャインは、ある事件をきっかけに三人の賢者と出会う。彼らの目的は、エンリルの大洪水計画の阻止だった。シャインの父親と面識があった三人は、シャインを旅に誘う。探検家になるという夢を叶えるべく、シャインは賢者と共に旅に出ることを決意する。
これは少年と三人の賢者による、人類存亡をかけた偉大な冒険の物語である。

第一話の脚本
ナレ「ここは今から1万年以上前の古代の地球」
ナレ「地球に金を求めてやって来た宇宙存在アヌンナキは、労働力として使うため、遺伝子操作技術によって
人類の祖を生み出した」
遺伝子実験をするアヌンナキの図
ナレ「やがて知恵をつけた人類たちは地上に降り、高度な文明を築いていった」
海に浮かぶ円形の都市の図
ナレ「しかしやがて人類はお互いを傷つけ合い、争い合うようになる」
ナレ「人類の堕落を嘆いたアヌンナキの王子エンリルは、ある計画を提案した」
ナレ「それは、全ての罪と命を洗い流す『大洪水計画』だった」

辺境の国オデッサ
砂浜に寝転がる少年シャイン・エナメル(主人公)
シャイン「大洪水?」
シャインの友達の小人「あー!またシャインが独り言言ってるよ!」
シャイン「独り言じゃないっていつも言ってるだろ?」
からかう小人「はいはい、自然と喋ってるんだろ?知ってるよ」「で、大洪水ってのは何の話だ?」
シャイン「よく分からない」「海が僕に何かを伝えようとしてるみたいだけど」
小人「それより、お前の母さんは大丈夫なのかよ?」
シャイン「うん、最近は調子がいいみたい」
小人「しかし酷い父親だな」「赤ん坊だったお前と母親を置いて銀河横断の旅に出るなんて」
シャイン「……」
小人「しかもその後消息不明になったって?」「ろくでなし親父じゃねぇか!」
空を見上げるシャイン「父さんはきっと生きてる」「僕は信じてる」
小人「……」
シャイン「僕はいつか父さんを超える偉大な探検家になって世界中、いや、宇宙の色んな星を旅するんだ!」
小人「シャイン…」
立ち上がるシャイン「じゃあ僕はもう帰るよ、母さんも心配してるし」
小人「そういやお前ん家にも手配書が来てるんじゃないか?」
振り返るシャイン「手配書?」
小人「あぁ、何でも『ガイア』っつーテロ組織を抜けた3人組を政府が探してるらしいんだが…」
シャイン「どうでもいいよ、じゃ、僕急いでるから」

自宅へ向かうシャイン
突如目の前に大洪水で世界が滅亡したビジョンが浮かび上がる
頭に謎の声が響く「人類を助けて…もうすぐ…破滅がやってくる…」
シャイン「何だ…?今の…」

シャインの家「ただいま!母さん」
ベッドで寝ているシャインの母アリス「おかえり、シャイン」
シャイン「体調はどお?」
アリス「お母さんは大丈夫よ」
シャイン「今日はスーパーでコロッケを買ってきたよ!ちょうど割引で売ってて」
アリス「今日は…街の人たちから何も言われなかった?」
シャイン「……」
シャイン「僕には友達も仲間もいない」「そんなことは分かってるよ」
体を起こすアリス「シャイン…、そんなつもりじゃ…」
テレビのニュースに目を向けるシャイン
テレビ「現在世界中で多発している無差別テロに関して、先程世界連合ヌーナは声明を発表しーー」
先程の小人の言葉と頭に響いた謎の言葉を思い出すシャイン「母さん、僕ちょっと用事を思い出して」
笑顔で見送るアリス「いいわよ、後は自分でやるから」「気をつけてね」

王宮に向かうシャイン
街の人々「来たわよ、あの子」「よく平気な顔でいられるもんね、ご近所付き合いもしないで」
「母親は異星人、父親は宇宙で行方不明、本当に気味が悪いわ」
聞こえないフリをするシャイン

王宮
オデッサ国王トゥグリル4世「お〜久しぶりだな、シャイン!ずいぶん大きくなったな、何年振りだ?」
シャイン「お久しぶりです、王様」
国王「ん?何か思い悩んでるようだな、どうした?」
先程の出来事を説明するシャイン
国王「お前のその自然と会話できる能力は君の父親サン・エナメルから耳にタコができるほど聞かされている」「我々人類の中には、確かに超人的な力を持つ人間がわずかにいる、かつて遺伝子実験で我々を生み出したアヌンナキ族から受け継いだ力で『六つの標(ヴァヴ・オース)」と呼ばれている」
シャイン「知ってます、学校で習いました」
国王「だがなシャイン…自然と会話できる能力なんて、ヴァヴ・オースの中には含まれていない」「そんな常識外れの能力は、私が信じても議会は信用しないだろう」
シャイン(やっぱり、僕の能力は何の役にも立たないか…)
国王「それに今王宮はテロ対策で忙しいんだ」「悪いが、君の話は今度またゆっくり聞かせてもらおう」
シャイン「……分かりました」

王宮前の広場
国王「家まで送らなくてもいいのか?」
シャイン「大丈夫ですよ」「それに、今忙しいんでしょ?」
国王「あぁ、早く事件が解決すればいいが……」
すると、西の空から王宮に向かってある一隻の宇宙船が近づいてくる
国王「何だ?あの船は」
異変に気づくシャイン「伏せて!!!」
王宮に隣接する時計塔に激突する宇宙船

数時間後、事件現場を調査するドラゴンゲート(ヌーナ直属の軍隊)
国王「お前らにしては早かったな」
長官セザンテス「えぇ、ヌーナから事前にテロの警告を受けていたので」「まぁ、まさかこんな辺境国でも起きるとは思いませんでしたが」
兵士「長官、生存者を一名発見しました」
セザンテス「何だって!?」

瓦礫に埋もれる血まみれの男「ハァ…ハァ…」
セザンテス「この船で何があった?ハイジャックでもされたのか?」
血まみれの男「……俺たちがやった…ハァ…俺たちは…ロスト・リリジョンだ……」
シャイン「ロスト・リリジョン?」
国王「ガイアと同じ革命組織だ」「だが、ロスト・リリジョンは革命のためなら民間人への被害も容認するようなイカれた連中だ」
血まみれの男「ハァ……お前たちは……知らない」「奴らの……陰謀を」「奴らはすでに……ヌーナの中枢に……忍び込んで」
息絶える男
セザンテス「何の話でしょうか?」
国王「さぁ?」
シャイン「……」
すると野次馬の中から叫び声がする「その子のせいよ!」「その子の波動が低いせいでこんな事件を招き込んだのよ!」「そうだそうだー!」
国王「何を言ってるんだ?」
暗い顔のシャイン「じゃあ、僕はもう帰りますね……」
戸惑う国王「シャイン……」
そこに現れる謎の3人組「そいつは違うぜ、奥さん方」
謎の機械をシャインに向ける三人組の一人「シグネチャーカウントによれば、この少年の波動は常人以上だ」「こんな高い数値は見たことねぇな」
ざわめく野次馬
国王「あんたら、まさか……手配書の?」
三人組の一人ジング「俺たちはそこのシャインっつー少年に用が」
突然家に向かって走り出すシャイン
国王「シャイン!」

翌日 
砂浜に座り、海を眺めるシャイン
すると、大きな木箱が浜に流れ着く
恐る恐る木箱の蓋を開けると、中には同年代くらいの少女が入っていた
彼女に飲み水を与えるシャイン
謎の少女「助けてくれてありがとう」「私の名前はエミリーよ」「ところで、ここはどこ?」
シャイン「ここはオデッサっていう島国だよ」「そうだ!ウチに来て何か食べない?僕が何かつくってあげるよ」
エミリー「え……えぇ」

シャインの家
シャイン「ただいま!母さん」
アリス「おかえり!シャイン」「あら、お友達?」
ベッドで横になるアリスの顔を見て驚くエミリー
エミリー「ねぇ、あなたのお母さんって……」
シャイン「うん、レプティリアンだよ」「父さんは人間だけどね」
エミリー「お父さんは今どこに?」
うつむくシャイン「父さんは、消息不明なんだ」「銀河横断の旅の途中で……」
さらに驚くエミリー「まさか…あなたのお父さんって、あの伝説の探検家サン・エナメル!?」
シャイン「知ってるの?」
エミリー「知ってるも何も……人類未開の地に何度も足を運んで、ヌーナや星間連合に何度も表彰されたチョー有名人じゃない!」「まさか彼がこんな辺境国出身だったなんて……」
シャイン「生まれた場所なんて関係ないよ」「僕もいつか旅に出て、父さんを超える偉大な探検家になるんだ!」
二人の会話を聞いて笑顔になるアリス(シャイン、やっぱりあなたには立派な夢がある……母さん嬉しいわ)
テレビのニュースに気づくエミリー
テレビ「先日オデッサ国で起きた宇宙船衝突事件の調査中、驚くべき人物が現れました」「現在ヌーナによって手配中の三大賢者です」
驚愕するエミリー「!!!??」
シャインに問いただすエミリー「三大賢者がこの国にいるの!?」
シャイン「うん、昨日王宮に現れて」
エミリー「じゃあ今すぐ彼らに伝えて!!」
シャイン「伝えるって、何を?」
エミリー「いい?星間連合に所属するアヌンナキ族は知ってるわよね?」
シャイン「うん、僕ら人間を創った宇宙存在でしょ?」
エミリー「そう、彼らの王子エンリルは、堕落した人類を嘆いてある計画を立てているわ」
シャイン「ある計画?」
エミリー「地球上の全ての人類を滅ぼすための『大洪水計画』よ!!!」
シャイン「!!!??」
エミリー「ロスト・リリジョンはどこからかその計画の情報を手に入れた。彼らはヌーナに対し計画の中止を求めたわ」「だけど彼らからの返事はなかった」「ロスト・リリジョンは強硬策に出た。それが世界中で多発するテロ事件よ」
シャイン「そんな……」
エミリー「エンリルの異母弟であるエンキは計画に反対している」「今大陸の中心では、エンリル派とエンキ派の軍が衝突して大変なことになってるわ!」「エンリルの野望を止められるとしたら、それは三大賢者だけ……」「今すぐ彼らに会わせて!」

王宮に向かう二人
シャイン「それにしても、何で君はそんなにいろんなことを知ってるの?大洪水計画なんて普通の人は知り得ないことだと思うけど」
立ち止まるエミリー「それは、私もあっち側の人間だからよ」
シャイン「あっち側?」
エミリー「私の本名はエミリー・セイル」「エンリルが統治する東の王国レムリアの王女だからよ!」
シャイン「レムリアの王女様!?レムリアって言ったら世界で一番栄えている王国でしょ!?」
エミリー「先日、エンリル派の軍がクーデターを起こしてレムリア王家の人間を拘束したわ」「レムリア国王である私の父は、捕まる直前に私を木箱に入れて逃がしてくれた」
シャイン「……」
エミリー「だから早く三大賢者にこのことを知らせなきゃいけないのよ!」「王宮に彼らがいるんでしょ!?」
シャイン「いや…王宮にいるかは正直分からないけど」
ブチギレるエミリー「はぁ!?あなたが言ったのよ!昨日王宮に彼らが現れたって!」
シャイン「王宮に現れたのは確かだけど、その後どこに行ったかまでは……」
エミリー「ふざけないで……」
その時、海岸の方から謎の爆発音が聞こえる
シャイン「何だろう?」
エミリー「まずいわ、もしかしたら私を追ってきたのかも」
シャイン「誰が?」
エミリー「エンリル派の軍よ!とにかく、早く三大賢者を探さないと」
シャイン「待って!」
エミリー「何よ!?」
シャイン「あっちには僕の家がある。母さんが危ない!」

シャインの家
アリスを拷問するエンリル軍の兵士たち「さっさと吐いちまえ、エミリー王女はどこだ?奴につけた発信機がここで止まってるんだよ!」
アリス「知らないわ……そんなこと」
駆けつけるシャイン「母さん!大丈夫!?」
アリス「シャイン!こっちに来ちゃダメ!!!」
兵士「小僧、このレプティリアンのババアを殺されたくなければ、今すぐエミリー王女を渡せ」
躊躇するシャイン「それは……」
エミリー「……」
兵士「無言ってことは、答えはNOだな?」
シャイン「ちが……」
兵士が振り下ろした剣がアリスの首を切り落とした。青い鮮血が部屋中に飛び散る。
目を背けるエミリー
シャイン「………!!!」
シャインの頭の中にアリスの最期の声が響く「仲間をつくって、旅に出なさい。シャイン。私の存在はあなたにとって足枷でしかない」「今までありがとう、シャイン」
シャイン「あ…ああ……」
エミリー「シャイン……?」
絶叫するシャイン「あぁああぁあぁああああぁあああ!!!」
突如シャインの額に第三の目が現れる。そしてシャインの瞳孔は蛇のような見た目に変化する。
エンリル軍の兵士たちに襲いかかり、血肉を喰らい始めるシャイン
そこに現れる三大賢者「やはり君だったか、ホルスの烙印を受け継ぐ者は」
焦るエンリル軍の兵士たち「こいつらまさか三大賢者か!?い……一旦退却だ!」
逃げ出す兵士たち
エミリー「この人たちが?」
すると、シャインが今度はエミリーに襲いかかろうとする
エミリー「ちょ……ま……」
三大賢者のジングは手刀でシャインを気絶させる
エミリー「一体……どういうことなの!?」
ジング「我々の目的は君と同じだよ」「エミリー王女」

王宮でトゥグリル4世と対面する三大賢者、そしてシャインとエミリー
国王「話は聞いた」「アリスが殺されたそうだな」
ジング「えぇ…しかし彼女はすでにこの世での使命を果たし終えていた」「いつ旅立ってもおかしくなかったでしょう」
シャイン「じゃあ母さんが殺されたのは当然のことだって言いたいんですか!?」
ジング「小僧、人間は神ではない」「これが彼女の運命だった…彼女自身が選択した道だ」
納得しないシャイン
話題を変えるジング「国王、この国が管理するスターゲイトを使用する許可をいただきたい」「それと、シャインとエミリーを大陸に連れて行く許可も」
シャイン「!?」
エミリー「あなたたちの目的は何!?」
ジング「我々の目的は、大陸の中心で起きている争いの仲介」「つまり、エンリルの企てる大洪水計画の阻止だ!」

オデッサ北東の海岸にあるスターゲイト前
国王「スターゲイトの行き先をポートリアにセットしておいた」
三大賢者カイン「大陸の入り口か、いいねぇ」
三大賢者アチュラ「……」
ジング「シャイン、君の夢は探検家だね」「それも父親サンを超える偉大な探検家……」
シャイン「どうしてそのことを?」
ジング「嫌なら来なくてもいいんだぞ?だが保証しよう」「私たちと来れば君の人生は大きく変わると」「夢は待っているだけでは叶わない」
シャイン「……」
ジング「殺された母親の言葉を思い出せ」
シャインの脳裏にアリスの顔が浮かぶ(仲間をつくって旅に出なさい、シャイン)
ようやく決心するシャイン「僕も行くよ!父さんを超える偉大な探検家になるために!」
ニッと笑うジング「そうか」
カイン「よろしくな!小僧に王女様!」
アチュラ「……」
ジング「目指すはレムリア上空に浮かぶ天宮城ホアド!そこに世界の権力者たちがいる」
エミリー「そいつらをそこから引きづり下ろすわけね!上手くいけばいいけど?」
スターゲイトへと足を踏み出す一行「では行こう」

ナレ「これは若き五人の探検家が、人類救済のため旅に出る、偉大な冒険の物語だ」「この旅が後に世界を変え、歴史に刻まれることを彼らはまだ誰も知らない」

一方、東の大国レムリア
エンリル軍兵士「先程、部下がアヌ様の勅許を得てきたところです。例の計画は順調に進んでおります」「エンリル様」
玉座に座るエンリル「一つだけ気掛かりなのは……三大賢者」「最近姿を見せない奴らが一体どこに消えたか……手がかりでも何でもいい」「さっさと奴らを見つけ出して抹殺しろ!」
兵士「了解です」
エンリル「さぁ……人類最後の宴を始めようじゃないか」

第一話〈完〉

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