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世界の神話考察

1.共通する世界の神話
一昨年あたりから世界の神話について勉強し始めています。その中で気づいたことや気になったことを記していきたいと思います。

世界の神話を見てみると、違う国の神話なのに、共通する特徴を持つストーリーが数多く見られることはご存知でしょうか?

例えば、日本神話のイザナギが黄泉の国に行きイザナミに会いに行く話と、ギリシャ神話のオルフェウスが冥府に死んだ妻エウリュディケに会いに行く話は、冥界の食べ物を口にしてしまったため地上には戻れないという部分や、帰る途中決して後ろを振り返ってはいけないという部分が共通しています。

また、世界の神話には、巨人の体がバラバラになり世界を形作ったという内容の物語があちこちで語られています。
例としては、中国神話の巨人盤古や、インド神話のプルシャ、北欧神話の巨人ユミルなどです。
他にも、巨人ではないですが、中東神話に出てくる龍神ティアマトは、自分の夫であるアプスを殺したエンキの息子マルドゥクとの戦いに敗れ、身体を真っ二つに引き裂かれ、一方は天に、もう一方は地になったという話があります。

まだあります。
世界には、王子様が生贄に捧げられそうになるお姫様を助けて結婚するという物語があちこちで語られています。
有名なのが、日本神話に出てくるアマテラスの弟スサノオの八岐大蛇退治ですよね。
スサノオは八岐大蛇に喰われそうになっていたクシナダヒメとの結婚を条件に、八岐大蛇を酒に酔わせて、十拳剣でその首を切り落とします。

これに似たような神話がギリシャ神話にも見られます。
ギリシャ神話の英雄ペルセウスは、王様からメデューサ退治の任務を任されます。そして戦いの女神アテナから輝く盾を、ニンフからは被ると透明になれる帽子、翼の生えたサンダル、そして袋を授かります。

これら魔法アイテムをもらったペルセウスは、メデューサと対峙します。
まずは、帽子を被って姿を消し、盾に写るメデューサを見ながらこっそり近づきます。直接見ると石になってしまいますからね。そして気づかれないうちにメデューサの首を切り落としました。メデューサの二人の姉が異変に気づいて駆けつけますが、ペルセウスはサンダルを履いて空を飛び、トンズラしました。

空を飛んで逃げる道中、アンドロメダ姫というお姫様が怪物に生贄に捧げられている現場に遭遇します。そこでペルセウスは、自分と結婚することを条件に怪物を倒し、アンドロメダ姫を救出し、その後、結婚しています。

スサノオの話と似てますよね?

このように、昔はテレビも電話もインターネットも無かったはずなのに、なぜか世界各国で共通する神話が数多く見られる。
不思議としか言いようがないですよね。

なぜこのようなことが起こるのでしょうか?

2.繋がっていた古代世界
ここからは考察になります。

皆さん、世界最古の物語というのはご存じでしょうか?それはメソポタミアの古バビロニア王国で生まれた「ギルガメッシュ叙事詩」だと言われています。
このギルガメッシュ叙事詩の中には、皆さんも多分ご存じのあの有名な神話の元ネタと言われるストーリーが含まれています。

それが、ユダヤ教、キリスト教において聖典とされている旧約聖書に書かれている「ノアの大洪水」です。

「ノアの方舟伝説」に出てくるノアは、ギルガメッシュ叙事詩の中ではウトナピシュティムという名で登場します。
昔のメソポタミアの地域では、小規模の洪水が度々起こっていたため、この物語が生まれたという説があります。つまり、物語にあるような世界規模の大洪水とまではいかなくても、「ノアの方舟伝説」が生まれた元々のきっかけは、実際に起きた歴史上の出来事だということになります。

私は個人的に、神話というのは、全て実際に起きた出来事をもとに作られた物語ではないかと考えています。もちろん誇張している部分や改変している部分はあるかと思います。

ですが、前述したように、世界の神話には共通している特徴を持つストーリーも多く見られます。また、神話に登場する神様についても、国が違うのに共通点が多く見られる神様というのはたくさんいます。

このことから言えるのは、古代においても世界というのは、現代のグローバル社会のように、貿易や軍事といった分野を通じて繋がっていたのではないかということです。

昔は車や飛行機がなかったから国と国との交流はなかったのか?必ずしもそうとは言えません。

マケドニアのアレキサンドロス大王の時代には、西と東の文化が融合しヘレニズム文化が誕生し、その影響でインドの方では数多くの仏像やガンダーラ美術が作られました。

モンゴル帝国が最盛期を迎えた時代には、ユーラシア大陸の端から端までを結び、シルクロードを通じて世界が一つにつながりました。

明の時代には、鄭和の船団が東南アジアやインド洋、ペルシャ湾、アフリカ大陸東岸にまで至り、さらにはコロンブスより先にアメリカ大陸に辿り着いていたという説もあります。

このように、世界は遥か古代からつながっていました。

日本では、奈良時代あたりに古事記と日本書紀が編纂されたと思います。
その時に日本にギリシャから遥々、ギリシャ神話が持ち込まれたと考えれば、イザナギとオルフェウスの冥界下りの話に共通点が見られるのにも納得できます。

日本には古墳時代、もしかしたらそれ以前から渡来人が大陸からたくさん渡ってきていました。
定説では、日本に来ていた渡来人(帰化人)とは、中国や朝鮮半島の人間だということですが、もしかしたら、もっと西の方からも渡来人が来ていたかもしれません。

だからこそ日本神話とギリシャ神話に共通点が見られる、と考えたらどうでしょうか?

面白いですよね?

宗教に寛容な日本人からしたら、あまり特定の宗教の話になると関心が持てないと思いますが、この先の時代おそらく、色々な文化や価値観を持つ人たちと関わる機会が多くなると私は感じています。

それは決して宗教に限った話ではなく、仕事の時や旅行に行った時、またはジェンダーレスに関することや病気、障害に関することなど、世の中があらゆることに対して寛容でいるという方向に動きつつある今、自分が属するコミュニティ以外のことについて学ぶのは、とても大切なことだと思います。

私自身まだまだ勉強不足なので偉そうなことは言えませんが笑、私にも絶対果たしたい目標があるので、それに向かって突き進むためにも、学び続けるという精神は大切にしていきたいと思っています。

以上になります。
読んでいただきありがとうございました!
宗教について知ることは、世界について知ることに一歩近づくことになると思うので、「私は無宗教です」という方も、自分の視野を広げるためにも海外の宗教や神話についで少し学んでみることをオススメします!

では、失礼します。

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