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外資系金融業界に転職する方法|必要な条件や求人の探し方を解説

現在金融業界で働いているが、さらなるキャリアアップを目指して、外資系企業への転職を考えている方もいるのではないでしょうか。そこで本記事では、外資系の金融業界の特徴、転職する上で必要な条件、求人の探し方などを詳しく紹介します。今すぐではなくても、いずれは外資系に転職したいという方も含めて、ぜひ参考にしてみてください。

■外資系金融業界とは

外資系金融企業に転職したいと思うなら、まずは業界のことを知らなくてはいけません。外資系金融業界の特徴とはどのようなものなのか、解説します。

| 外資系金融業界の特徴

外資系企業に明確な定義はないものの、経済産業省が行った「外資系企業動向調査」では、「資本のうち3分の1以上を外国資本が占めている企業」を外資系企業としています。海外から資本を一定以上取り入れている場合は、日本の企業であっても外資系企業というくくりに入ります。

外資系金融業界の特徴は、主に以下のようなものが挙げられます。

・多様性を認めている

・結果主義

・さまざまな国籍の人が働いている

個人を尊重する文化があり、風通しの良い社風の企業が多いのが特徴です。また、日本で多く見られる年功序列とは異なり、キャリアが浅くても結果次第で評価されるので、個人の満足度も高くなります。

オフィス内ではさまざまな国籍の人が働いているため、自分自身の知見を広げる機会も増えます。日本の金融業と深く関わる外資系金融企業が多くあり、今後の日本の経済を左右する注目の業界です。

| 外資系金融業界のジャンル

外資系金融業界のジャンルは多岐にわたります。したがって、自身のスキルや経験を活かせる業種、職種なのか見極めることが大切です。

外資系金融企業のジャンルは5つに大別できます。銀行系、クレジットカード系、生命保険系、損害保険系に加え、投資ファンド系です。

外資系クレジットカード会社は、提携企業を増やす営業活動や企画が主な業務です。保険系の仕事内容は、保険商品の顧客への対応、企画などです。投資銀行では、顧客へM&Aや資金調達に関する提案を行います。このほかは、営業を行う部門、クライアントの資産運用を行う部門、分析や情報収集をする部門などがあります。

| 外資系金融業界の年収目安

外資系金融企業の平均年収の目安は800万円程度です。さらに、マネージャークラスでは年収2000万円程度の年収を得ているケースもあります。

成果主義の外資系金融企業では、年齢に関係なく若手社員でも、実績次第で平均年収以上の給与を得ることも可能です。日系企業に比べ、成果を挙げられれば昇進のスピードも早いほか、インセンティブの割合も高いのが特徴です。

■外資系金融業界への転職に必要な条件

これまでは、外資系金融業界の特徴を説明しましたが、外資系金融業界への転職には、どういった条件が必要なのでしょうか。語学力・経験・学歴・年齢の4つに分けて解説します。

| 語学力

外資系金融企業では、部門ごとの採用が一般的です。

基本的に自分が担当する業務についてスムーズにディスカッションできるレベルの英語力が求められます。また、海外本社とのやり取りが多い管理部門では帰国子女レベルの社員が歓迎されます。しかし、日本の顧客を相手にする部門においては英語力は必須ではなく、むしろコミュニケーション能力の方が重宝される場合もあります。

しかしながら、英語が全く理解できないようでは戦力になりません。TOEICでは最低でも850点は欲しいところです。役職が上がるにつれ、海外本社とのメール、Skypeを使った会議、社員同士のコミュニケーションや連携、英語を使用する業務が増えていくからです。外資系金融企業で活躍するには、語学力が必要になることを自覚しておきましょう。

| 経験

一般的な外資系金融企業では、これまでの経験・実績、コミュニケーション能力を重視して採用しています。入社後に時間をかけて社員を育てるというよりも、即戦力となる人物を求めているからです。営業で重視されるのは、入社後すぐに顧客獲得につながるネットワークや人脈を構築している人です。管理業務では、応募する企業が使用するシステムやソフトウェアを難なく活用できるかが重視されます。

中途採用の多い外資系金融企業では、部門や役職ごとに必要な人物像が具体的に定められています。経験や技術、これまでの実績や英語力も人物像のうちに含まれ、それに満たないと判断された社員は採用されません。募集要項をよく読んだうえで、自分がどのように会社に役立つ人材であるかをアピールする必要があります。

| 学歴

外資系金融企業では、新卒採用の場合は学歴が非常に重視されます。採用する大学が一部の大学に決まっているのです。しかし、転職となると学歴よりも経験や実績が重要なポイントになり、企業が求める人材に自分がマッチしているかどうかもカギになります。

学歴に自信がなくても、前職で希望企業の求めるポジションと同じ業務をしていたなどの強みがあれば、積極的にアピールしましょう。そのために、転職エージェントを活用するのも良い方法です。

| 年齢

日本企業は応募者の年齢を重視する傾向にありますが、外資系金融企業において年齢は重要視されません。実力があれば何歳でもキャリアアップのチャンスがあるのです。

しかし、年齢が上がるにつれて、これまで培ってきた業界の深い知識、豊富な経験、提案能力や実績など、求められるものも高くなります。また、年長者でも実績を示せない人は、外資系金融企業には適していません。年長者を重用する日本の年功序列はないと考えておきましょう。

■外資系金融企業の仕事に関連する資格

一口に外資系金融業界と言っても様々なカテゴリーがあり、それぞれで必要とされるスキルは違ってきます。そのため、役に立つ資格もそれぞれの会社で異なってくると言って良いでしょう。ですが、ある程度自分の実力の目安となる資格はあります。

また、転職時の年齢によっても取っておいたほうが良い資格や、そうでないものがあります。以下では、TOEICやMBA、米国公認会計士(U.S.CPA)などの資格について解説しています。外資系金融業界に転職するために有利な資格を探している方は、ぜひ参考にしてみてください。

| TOEIC

こちらは厳密には資格ではありませんが、外資系金融業界で働くためには、TOEICである程度の点数を出しておいたほうが有利に働きます。社内の商品記録などを行うバックオフィスで働く場合には、それほど高い点数は要求されませんが、外部との交渉や折衝があるミドルオフィスやフロントオフィスで仕事をする場合には、TOEICでそれなりの点数を出しておくことが必要でしょう。

だいたい目安となる点数は、バックオフィスの場合であれば700点台後半~800点以上、ミドルオフィスやフロントオフィスの場合であれば900点以上が目安です。もちろん、スコアは高ければ高いほど良いですし、とくに上司やクライアントが外国人である場合には、日常会話以上の英語力が求められると言って良いでしょう。

| MBA

MBAというのは経営学修士号のことです。アメリカなど海外のMBAであればビジネススクール(経営大学院)、日本であれば大学院を卒業した時点でMBAを取得することが出来ます。MBA認証機関はいくつもあるのですが、その一つであるAACSBはもっとも有名です。また、イギリスに拠点を置くAMBAや、ベルギーに拠点を置くEFMDといった機関もあります。

MBAと言うと海外で取得するもの、と思われがちですが、日本でも慶應義塾大学、名古屋商科大学、立命館アジア太平洋大学、国際大学といった大学がAACSBの認可を受けてMBAを発行しています。MBAは、企業経営全般に関する知識やスキルを養うための資格なので、外資系金融業界の多くの分野で役に立ちます。

| 米国公認会計士

現在、外資系金融業界で最も注目されている資格が、米国公認会計士(U.S.CPA)の資格です。これは、アメリカ合衆国で発行されている公認会計士の資格で、州ごとに資格取得が出来るようになっています。基本的にはその州内で会計士として活動することを視野に入れていますが、大学の資格で150単位以上を取得していれば、州外でも活動を行えるようになっています。

この資格を取得するためには英語による試験を受ける必要があり、試験項目は経済学概論から財務会計、管理会計、商法や証券取引法、税法といった法律の知識まで多岐にわたります。また、監査や監査証明、ビジネスの概論に関する試問もあります。米国公認会計士(U.S.CPA)のベースとなっているのは、国際会計基準(IAS)なので、海外の企業との取引がある場合にはとくに役に立つと言って良いでしょう。

| 国際秘書検定

国際秘書検定は、国際という名前がついているものの、日本の民間団体が発行している資格です。資格の管理をしているのは、一般社団法人日本秘書協会で、資格を発行してもらうためには、秘書業務を中心として、ビジネススキル全般の幅広い知識が必要とされます。また、日本語の他に英語も交えたコミュニケーション能力を重視しているので、外資系金融業界ではとくに役に立つ資格の一つだと言えます。

国際秘書検定で取得できるのは、ファイナル(CBS)とプライマリー(準CBS)という資格です。このうち、ファイナルに合格するためには、すでにプライマリーの資格を取得していることが条件となります。資格試験の内容は、オフィス管理能力や経営管理能力、秘書実務、日本語と英語両方でのコミュニケーションスキルなどを見るものとなっています。

| 国際会計検定

国際会計検定(BATIC)も日本の資格であり、東京商工会議所が発行している会計士に関する資格です。国内の資格ですが、設問はすべて英語となっており、合格するためにはそれ相応の英語力が必要となります。試験は一問一答のマークシート式と記述式に分かれており、アメリカ合衆国の会計基準や国際財務報告基準(IFRS)の知識が求められます。

国際財務全般に関する資格であるため、アメリカ合衆国だけでなく、ヨーロッパ諸国やアジア諸国といった国々の企業とのパイプがある場合にも、役に立つ資格だと言って良いでしょう。とくに、近年では外資系金融業界はアジア諸国との取引も活発になってきているため、この資格を持って転職した際には、幅広い国や地域を相手とした仕事をすることが出来るようになります。

| 国連英検

国連英検は、正式名称を国際連合公用語英語検定試験と言います。こちらも日本の資格で、公益財団法人日本国際連合協会が主催しています。TOEICと同様、受験者の英語能力を見るための試験ですが、点数制ではなく、特A級からE級まで6段階の資格取得が可能となっています。

中途採用の場合、TOEICやTOFEL、国連英検などのスキルは必須ではないことも多いですが、新卒での採用や20代での転職を考えている場合には、取得しておいたほうが良い資格の一つだと言えます。また、単純な英語の試験ではなく、国際情勢や国際関係に関する設問もあるため、外国人とのコミュニケーションスキルを磨くためにも、ちょうど良い資格となっています。

■未経験でも外資系金融業界で働くことはできる?

新卒者にとっては人気の高い外資系金融業界ですが、もちろん他の会社から転職して働くことも可能です。では、未経験からの就職についてはどうなのでしょうか。実は、外資系金融業界でも人材難が続いており、今は未経験からでも就職しやすい時期だと言われています。

外資系金融業界というと、業務の難しさや必要とされる英語能力などから、狭き門だと思われがちですが、実際には未経験から就職して外資系金融業界で働いている方たちもたくさんいます。というのは、外資系企業というのは一般的に即戦力の人材、実行力のある人材を求める企業風土があるためです。

しかし、年齢によっても外資系金融業界で必要とされる人材像は変わってきます。この点は国内企業とほぼ同じだと言って良いでしょう。以下の部分では、20代前半、20代後半、30代以降での未経験からの外資系金融業界への就職事情について解説します。

| 20代前半での未経験からの就職・転職

外資系金融業界で仕事をする場合、20代前半で入社した社員がいきなり即戦力で活躍できる機会はそう多くはありません。やはり、ある程度の経験を積んでからでなければ、その会社で大きな業績を残すことは出来ないでしょう。ですから、20代前半で外資系金融機関に就職する場合、求められる人材像というのは将来性のある人物であると言うことが出来ます。

具体的に書けば、それなりの学力があり有名大学を出ていること、日常会話以上の英語能力があること、自分から情報を発信する能力があり、コミュニケーションスキルに優れていること、などが条件となります。もちろん、資格はなるべく多く取得しておいたほうが良いでしょう。とくにTOEICの点数は、書類選考や面接時にも重視される項目の一つです。

転職者の場合も事情は同じです。外資系金融業界に20代前半で転職する場合、初めから高度な能力を求められることはあまりありません。それよりも、最低限のビジネスマナーを備えているか、その会社の企業風土になじめそうかどうか、などがポイントとなってきます。やはり、20代前半で外資系金融業界に就職する場合には将来の可能性を考えて、ということになるでしょう。

| 20代後半での未経験からの就職・転職

20代後半となるとやや事情は変わってきます。なぜなら、20代後半であればほとんどの人が一度は就職を経験しているからです。第二新卒という言葉もありますが、大学を卒業してから数年間くらいの間は、転職のチャンスだと言うことが出来ます。

これくらいの年齢となると、ある程度の基礎的なスキルの他に実務能力も必要となってきます。ミドルオフィスやフロントオフィスで働くのあれば、外国人相手の交渉や、市場の分析、新たな顧客の発掘、といった能力が求められます。また、バックオフィスで働くのであれば、高度な秘書能力が必要とされると言って良いでしょう。

いずれの場合も、英語は基本的なスキルとして身に付けておいたほうが良いです。転職前の段階で語学スクールに通ったり、海外に留学したりするとことも可能ですから、専門用語を交えた会話が出来るように英語能力を磨いておくと良いと思います。TOEICであれば、800点~900点くらいの点数は出せるようにしておきましょう。

| 30代以降での未経験からの就職・転職

30代以降となると、基礎的なスキルとともに過去の職歴も大きなポイントとなってきます。やはり、金融業界を全く経験していない人は、30代以降からの外資系金融業界への転職は難しくなると考えて良いでしょう。その一方で、銀行や証券会社、保険会社などに勤めていた経験のある人は、この業界の会社への就職もしやすくなると言えます。

また、30代以降になると一般的なコミュニケーションスキルだけでなく、部下や職場の管理能力なども必要とされてきます。そのため、いくつかの会社を経験して、こういった能力を身に付けている人のほうが優遇される場合もあります。それぞれの会社で責任者の地位を務めていた人がある人は、外資系金融業界にも転職しやすいでしょう。

先に書いたように、今の外資系金融業界は人材難であり、様々な業種からの転職者を募集しています。30代となると、20代の人以上に即戦力となることを求められますから、マネジメント能力や企画力などを十分に持っているかどうかが一つのカギになります。現在は40代や50代でこの業界に転職する人もいますから、チャレンジ精神を持って挑戦することが大切です。

■外資系金融に転職するための方法

では、実際に外資系金融企業に転職するにはどのような方法があるのでしょうか。有利に転職するための方法を2点に絞って紹介します。

| 求人の見つけ方

転職サイトで外資系金融企業の求人を探したけれど見つからなかった、という経験はありませんか。実は、転職エージェントを経由して人材を募集しているケースも多いからです。

その理由は、大きく分けて3つあります。

1)企業とマッチした優秀な人材をエージェントが探せるという点です。企業の求める人材を把握しているエージェントは、多数の登録者の中から条件を絞って求職者を紹介してくれます。

2)求人募集から面接までのプロセスをエージェントがサポートしてくれるため、企業は求人にかける労力を減らせます。

3)不採用者への対応を転職エージェントが行ってくれる点です。多数の応募者がいる外資系金融企業では、不採用者にまで手が行き届きません。そのため、転職エージェントを活用するのです。

| エージェントに登録するメリット

エージェントと求職者が個別に話し合うことで、自分の希望にマッチした企業を紹介してもらえます。求人サイトに載っていない外資系金融企業の求人を自分では探せませんし、ヘッドハンティングされるのを待つのも時間の無駄です。エージェントに登録すれば、希望に沿った職種や役職に空きが出た際に連絡が届き、効率的な転職活動ができます。

ひとくちに外資系企業といっても、さまざまな種類があるので、外資系金融業界を強みとするエージェントに登録したほうが有利に転職活動を進められます。また、転職に関するアドバイスをもらえるのも大きなメリットです。特に、初めて転職する人にとっては、心強い存在となるでしょう。

金融業界向けおすすめ転職エージェントはこちら。

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