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男は20歳の誕生日を迎えた夜、今までの人生を後悔していた。 まだ20歳だと周りは言う。しかしもう20歳、人生の4分の1は過ぎているのだ。高校でもっと勉強しておけば良かった。中学で好きな娘に告白しておけば良かった。小学生の間にもっと楽しんでおけば良かったと。 「ああ、過去に戻りたい。」 男はそう呟いた。時計が12時を回った。 男はベットの上で目が覚めた。あれ、俺はいつの間に寝たんだ。昨夜の記憶を思い出そうとしていると、携帯にメッセージが届く。 『明日お前誕生日だろ?
幸せな生活はほんの些細な出来事で崩れてしまうものだ。 俺はそう呟いた。俺はある日突然、妻から無視されるようになった。理由は分からない。加齢臭のせいかもしれない。 最近は喋りかけても知らん顔をされるし、ご飯も作ってくれなくなった。驚かせようと、入浴中の風呂に乱入しても、妻はため息をつくばかり。 そんな俺に嫌気がさしたのか、妻は突然俺の部屋にあった大事なものを壊し始めた。 やめてくれ、それは学生時代に買ったアイドルのポスター! ああ、それは30万円で買った幸せになれ
俺は蝶になって花畑の中を飛び回る夢を見ていた。なんて幸せなんだろう。こんなにも自由で、仕事にも行かなくていいなんて。 ん?仕事にも...? 「仕事にいかないと!」 俺は夢から覚めて、そう叫んだ。いや叫んだつもりだったんだがそれは声にはならなかった。 (体の調子がおかしい?) 俺は布団から這いずり出て、部屋においてあった姿鏡の前で驚いた。 鏡の中で俺はなんと、蟲になっていた。虫と言っても蝶のように可愛いものではない、芋虫と蝿を足したような不気味な見た目。体長も数セ