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2021年5月~2021年6月8日の猫伝染性腹膜炎(FIP)陽性診断まで

FIPだと判明するまでの話です。(※1)

(※1 FIPは確定診断が難しい病気です。FIP以外の病気の可能性を慎重に見極めて除外するとともに、FIPの可能性が高いと考えられる所見を積み重ねていき、FIPであろうと診断をし、延命治療or国内未許可の外国の薬を使用して治療していきます。)

誰かの為にも、何かしら役に立てばと思い、自分の記録としても残します。


*そもそもFIPとはなんぞや

猫伝染性腹膜炎(Feline Infectious Peritonitis:FIP)は、主に若齢(2歳以下)の猫で発症し、残念ながら予後が非常に悪い病気として知られてます。

致死率は99%、100%と言われており、国内での治療法は確立されておらず、延命治療しか行うことが出来ません。

FIPの原因として、猫コロナウイルス(FCoV)が関係していると言います。

FCoVは多くの猫が感染し一般的な感染症のようですが、FCoVが体内で変異株のFCoVすなわち、FIPV(猫伝染性腹膜炎ウイルス)に変化し増加することで、FIPを発症すると考えられています。

そしてこちらを予防する術はありません。

猫コロナウイルス(FCoV)に感染しているからといって、全ての猫がFIPを発症するわけではなく、病気になるのは一部のようです。
(ちゃんとした数字か分かりませんが、100匹に1匹がなるとどこかで見ました、多い割合なのに今回初めてこの病気を知りました。)

FIPには大きく分けて2つの病型があり、滲出型(ウエットタイプ)非滲出型(ドライタイプ)に分けられます。以下簡単に、

ウェット→腹水貯留でお腹が膨れるという症状が最も良くみられる。

ドライ→主に体内の臓器に化膿性肉芽腫という炎症の塊のようなものができます。

めいちゃんは後述のドライタイプでした。みぞおち辺りに3cm程の肉芽腫がありました。

その他症状→毎日水下痢、食欲後退(おやつも振り向かない)、寝る事が多くなった、遊ばなくなる

2021年5月~2021年6月9日のFIP陽性診断まで

5月5日~

元気なうんちを毎日していましたが、GW辺りから軟便が続きました。

昨年10月に、お迎えしたばかりで環境の変化でのストレスなのか、10日間程軟便をした事があった為、今回もストレスか何かだろうと思い整腸剤を自宅で飲ませながら様子をみておりました。

しかし10日経っても今回は中々元気なうんちに戻らず、軟便→下痢気味になってきた事から動物病院へ連れて行きました。

5月15日

下痢の為通院開始。

触診してもらったところ、おなかを触る先生が「何かある…何だこれ…」と言い始め、エコーで確認してもらう事に。

通常あるはずの無い場所に、数センチの謎のしこりのようなものを確認しました。

この日は受診した時間が遅く精密検査が出来ないという事で、次回精密検査をしましょうという事となりました。

年齢的に腫瘍は可能性が低いので、癒着、肉芽腫性炎の可能性で見ていると予想を伝えられ、応急処置としてこの日は整腸剤をもらって帰りました。

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5月17日

謎のしこりの原因解明の為、調べられる検査を全て行ってもらいました。時間のかかる検査なので、朝一で病院へ預け、夕方お迎えに行きました。

ざっくりした結果、場所的に腸間膜にしこりが発生している事、体の炎症度数が高すぎるので、しこりが出来たことによって周りに炎症が起きており、炎症により下痢も引き起こしているのでは、という見解でした。

細胞を取ってしこりの正体を調べるにしても、しこりに血管が絡んでおり針を刺して採取するのが難しいらしく、お腹を開いて取れるぶんのしこりを取り除くという事しかできないそう。

次回血液検査の結果を見て、方針を決めることに。

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5月20日

前回便が持っていけなかったので、この日は便検査も行っていただきました。

まだ幼猫という事もあり、めいちゃんに負担のかかる事は避け、まずは、ステロイド投与でしこりが縮むか内服で反応を見ていく方針になりました。

この日は検査+ステロイドと抗生物質処方で、次回しこりのサイズを再度見て薬の効き方を確かめるという事になりました。

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5月25日

しこりのサイズを改めてエコーにて確認しました。

少し縮んでいるとの事!このまま内服薬で良くしていけたら最高ですね、という事となり、引き続きステロイド投与で様子を見る事となりました。

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6月3日

お薬はもう少し出ていたのですが、食欲がどんどん落ち、下痢もやはり収まらず目に見えて元気がないので予定より早く病院で診てもらいました。

再度エコーでしこり確認してもらいましたが、サイズは小さくなっておらず、内服療養の限界だそうでした。

しこりの細胞を調べないと適した薬も出せないという事で、次回お腹を開いてしこりの細胞採取→原因特定にあたる事となりました。

手術の前に改めて最新の血液検査データを取るのと、前回行っていなかった猫コロナウイルス(FCoV)抗体検査を行いました。

この時は抗体検査をすると言われ、それがFIPの事とは認識出来ておらず、あまり深刻に考えてはおりませんでした。

しこりの細胞を調べて病名特定し、適した薬で良くなって行くだろうなと考えていました。

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6月8日

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しこりの細胞検査の為手術です、朝一で病院へ連れて行きました。

しかし検査の前に猫コロナウイルス(FCoV)抗体検査の結果を伝えられ、FIPのドライタイプであろうと診断されてしまいました。

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8日、連れていく前日に母から「めいちゃんはFIPじゃないんだよね…?」と聞かれてそんなわけないじゃんって思って居たのですが、不安になって調べていたら心当たりが多すぎて、FIPなのかもしれない…先生か前回言っていた抗体検査はFIPか調べるための検査だったのかと7日夜に気づいていました。

それでも、8日診断結果伝えられるまでは、「まだ確定してないしFIPなんかじゃないし、めいちゃんは死なない」と思って居たのですが、いざ診断されてしまうと絶望で涙が止まりませんでした。

先生は、持って1,2か月だと思います、あとは延命治療をしてあげる事しかできない、手術の予定だったが、FIPという事なのでしこりを調べたところでどうにもならないので手術は出来ませんとおっしゃいました。

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まだ9か月しか一緒に居れていない、めいちゃんも1歳になってすらいない、急変したら7月7日の誕生日をこの子は迎えられないのかもしれないのかと思ったら、帰宅してからの丸3日毎日泣いていました。

3月より1時的に実家へ戻っておりましたが、新しい家借りたらのんびり20年くらい一緒に過ごそうね~なんて思っていた矢先、あと数か月しか一緒に居られないと言われたのです。

泣きながらたくさんFIPの事を調べました、するとFIP寛解することが出来る薬がある事、実際に薬を使って病気が治まり、元気に過ごしている猫ちゃんがたくさんいる事を知りました。

しかし治療薬は保険が効かず、とても高額なお薬という事、効果の出ている猫もいるけど、すべての猫に効く訳ではないという事が同時にわかりました。

私は独身ですし、貯金に関してはこれから貯めていくつもりで現段階ではめいちゃんの治療に充てられるお金が無く、とてもすぐに治療をしてあげられそうにありませんでした。

両親にお金を借りられたら良かったのですが、保険に入っていなかった実家で1番の老猫も病気を抱えており、その子の治療費で実家もカツカツな状態でした。

看取るか、なんとかお金を捻出するかの2択で、貯金の無いタイミングと重なった為本当にどうしようか悩みましたが、たくさんのFIPの子の闘病ブログ等を読んで、折角迎えた自分の子を、何もせずただ看取るだけでは絶対に後悔してしまうと思い、治療へ進む事に決めました。

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↑食べると傷むのか食欲が無いのか、何も口にしなくなり毎日寝てばかり、体重が落ちまくり骨と皮状態。

FIP治療開始~

治療を決めた次は、どこの病院で、どの薬で寛解に向け闘病していくかです。

FIP治療薬の協力病院が近所にあったりもしましたが、以前大学時代に授業でNPO法人を取り上げデザインで宣伝するという課題でねこけんの代表溝上さんに取材に行ったことがありました。

その縁のあるねこけんが、今FIPに力を入れているという事、知らぬ間に法人化しており動物病院まで立ち上げて居た事を知りました。

溝上さんの考えや活躍を、取材にてお世話になった時からずっと見ていた事もあり、頼るなら溝上さんが良いと思い、すぐに連絡して6月12日に病院にて検査、FIPの治療薬を頂きました。

溝上さんの尊敬できるところは身を削ってでも、猫の為に、猫の為にと動く方でして、飼い主にも良いように動いてくださる方だと思います。

実際FIPの治療をするという事で、私が見ていた相場は~200万円程掛かるというものでしたが、なるべく安く治療が出来るようにと100万円掛からない概算金額でした。

以下は12日の検査結果です、貧血はないですが、肝臓の数値が高く、体の炎症数値も高かったです。FIPの薬とともに、肝臓の炎症下げるものとステロイド、下痢が続いているので下痢止めと整腸剤も処方頂きました。

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6月12日の通院ではいずれも2週間分の薬をもらっており、2週間後に改めて検査+続きのお薬購入となっております、さっそく12日から投薬開始としました。

ねこけん病院で処方してもらったFIP治療薬の投薬ルールは以下となります。

・45日間の連続投与(必ず毎日同じ時間に決められた錠数投与)

・前後1時間は絶食状態にする事。(ケージ隔離や、ご飯のお皿取り上げ)

・30分以内に吐いてしまった場合、1日にあげる錠数を再投薬

・1時間以内に吐いてしまった場合には、1日にあげる錠数の半分を再投薬

猫に薬を上げられる人間が母と私の2人しか居ないため、どちらかが居なくても絶対に投薬出来る時間にしようと、毎日22時の投薬に決めました。(母の協力に感謝です)

21時絶食→22時投薬→23時まで絶食

これを45日間続けます。

さらに下痢と体の中の炎症が酷い為、

朝6時→ステロイド、肝臓の炎症止め、下痢止め、整腸剤

夜18時→下痢止め、整腸剤

こちらも毎日投与しております。


次の記事では、投薬1日目~投薬14日目をまとめていきたいと思います。

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