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ピボット姫と学ぼう!(8)双子の「呪い」2⃣集計ならExcel??

Excel⇔ピボットテーブル 違い?選択? 

Excel大王の御布令です!

ピボットテーブルは、Excelの「1機能」に見えます。
でも、本質は「表計算」ではなく、「データ集計分析ツール」です。
似ているけど、個性を持った別のツールです。
これが、「双子の呪い」です。

多くの人が、Excelで作った方が「無難」と思っていると、
ピボットテーブルは廃止になってしまいます!

ピボット姫は、Excel大王の御布令に困っています!

ピボットテーブルを「正しく」理解するには?
コンピューターの歴史を振り返ってみることにしました。

入力操作 ⇔ マウス操作?

パソコン操作は大きく変わってきました。
CUIからGUIの変化です。

UI(User Interface)   画面のこと 操作など
CUI  文字だけの画面     キーボードのみで操作可能
GUI グラフィカルな画面 マウス・キーボードで操作可能

でも、Excelは、マウスを使っていても、セル単位に入力や、
VBAマクロの作成の方法は、CUIのスタイルです。

ピボットテーブルは、どうでしょうか?
マウス操作で行うツールです。
GUIのスタイルです。
マウスの使い方を、しっかり身につけなければなりません。
「テーブル」「パワークエリ」などの機能[ツール]もGUIです!

「CUI」のつもりでピボットテーブルを使うと「呪い」罹る!

ピボットテーブルでの集計は、「合計」がほとんど!

4つのボックスにフィールドを配置すると、簡単に「集計」できます。
自動的に「合計」になります。

マウス操作で、設定を変えない限り、「合計」のままです!

ピボットテーブルのレポートを「合計」だけしか使わない
「便利な集計機能」=「呪い」に罹っていませんか?

ピボット姫の「推理」

ピボットテーブルの集計の方法、計算の種類を知らないまま使う!
それで、便利な集計=「合計」だけ使う「呪い」に罹っているようです。

ピボットテーブルの集計方法は、あまり紹介されていません。
「合計」だけでは、ピボットテーブルの10%も使っていません!

サンプル・エクセルは、こちらからダウンロードしてください



1 .ピボットテーブルの集計方法?

Excelの関数や操作についての知識を持っている人が多いです。
   ◎数式の関数を変更
   ◎新たな列or行を追加して計算
       列、行を挿入
       関数 「入力」

でも、ピボットテーブルで行うやり方、皆さん知っていますか? 

合計(SUⅯ)以外にも、様々な集計の選択ができる!

値フィールドには、同一フィールドを、複数回使える!

そして、この2つの操作=マウス行うのです!

売上金額を2つ、値フィールドに追加し、売上金額は3つになりました。
集計方法の変更 合計 ⇒ 平均、個数に変更しています。

①ピボットテーブルで値を計算する (microsoft.com)

◎値フィールドを計算する集計方法
オンライン分析処理 (OLAP) ソース データを除くすべての種類のソース データに対して使用できます。


値フィールドを沢山使うための参考情報です。

①値フィールドの名称変更

合計 / のままでは見にくいので、カットしましょう!

②セルの書式の変更

  見やすいように書式を変更しましょう!

ピボット姫のまとめ

関数を入力しないで、値フィールドで集計を選択するだけで、様々な計算をしてくれるのが、ピボットテーブルの分析力の特徴です。
名前の変更、書式の変更で、見やすいレポートにしましょう。

2.値フィールドの組み込み計算?

構成比、累計、増減・・。
データ分析には、項目の集計だけでなく、追加の計算値が役立ちます。
でも、Excelでの数式入力は、複雑になります。

ピボットテーブルは、データ エリア内の他のアイテムやセルに基づいて
計算値を表示する「計算の種類(組み込み関数)」を選択できます。

これも、GUIマウス操作で行います。関数などの入力ではありません。

◎値フィールドの計算の種類( 組み込み)
では、データ エリア内の他のアイテムやセルに基づいて値を表示します。 たとえば、"売上合計" データ フィールドの値を "3 月" の売上に対するパーセンテージで表示したり、"月" フィールドのアイテムの累計として表示することができます。

サンプルで3つの事例を確かめてみましょう!

計算の種類  ①総計に対する比率

   売上金額 をドラッグ[追加] 

計算の種類  ②累計

売上金額 をドラッグ[追加] 、 年月を基準に設定
⇒行の「総計」はダブるので不要です

計算の種類  ➂差分 前月差

売上金額 をドラッグ[追加] 、 
 年月を基準フィールド、基準アイテムを前の値[前月]に設定

ピボット姫のまとめ

数式を使用しないで複雑な計算を、選択で実行してくれます。
非常に便利ですが、使い方に癖に慣れて、使いこなしましょう!

3.ピボットテーブルで数式を使用できる?

2.計算の種類(組み込み)ではなく、ユーザーが数式を設定できます。

大変残念なのは、MOS検定のテキストでは「集計フィールド」が
ほとんど紹介されていません!

MOS検定を取得しても、実践で使いこなしている人が少ない。
それで、ピボットテーブルが使われない=「呪い」になっているようです。

売上金額を数量で割った「単価・加重平均」は、レポート作成で大変重要な情報です。

ピボットテーブルで、売上金額、数量を集計。
エクセルで、数式で計算というのでは、大変面倒です。

平均単価は、関数「AVERAGE」なので、単価の「単純平均」です。

ピボットテーブルに、ユーザーの数式で組み込めると、大変楽になります。

ピボットテーブル分析から フィールド/アイテム/セット
集計フィールドから作成します。

集計フィールドは、計算した結果から算出します。
折りたたんだり、表のレイアウトを変更しても、計算してくれます。
これが、ピボットテーブル内部に組み込めるメリットです。

BIツールでは、同じような計算機能がありますが、
データを表示させないと計算できません。

ピボットテーブルは、単価・加重平均だけの表示が可能です。
「データキャッシュ」で、共有しているので、
他のピボットテーブルでも使うことができます。

ピボット姫のまとめ

集計フィールドは、単なる集計だけでなく、集計値をさらに数式で計算できます。ピボットテーブルのNo.2のお薦め機能です。


4. 集計アイテムは万全?

解説書では、集計アイテムを便利な使用方法として紹介されています。

しかし、なかなか動かない!メモリがパンクすることも!
本当に「呪い」が罹ってしまう機能です!

集計アイテムの指定フィールド 以外の 階層1つ 呪いなし
                     2つ以上 呪い罹る   
どうしてでしょうか・・ピボットおじさんの「推理」です!

呪いの原因・・

集計フィールド・・「列」の増加=メモリ増加 小さい
集計アイテム ・・「行」の増加=メモリ増加 大きい
 例 予算 5000行、実績 5000行として、
   集計アイテム 実績-予算 5000行  行数が150%になります

サンプル・・予実差のデータ 
    正しい 8件  該当なし・・24件  計32件
    元データに無いのに、組み合わせで、全アイテムが表示されます!
    これが、「集計アイテムに呪い」です!   

ピボット姫のまとめ

集計アイテムは、無理して使わない=使えるところを使いましょう!

ピボットテーブルには、集計アイテムを使わなくても、それに代わる他の方法があります。
「考える」=応用力が大切です。 次の事例に、挑戦しましょう!

5.ピボットテーブルの限界?

ピボットテーブルだけで使いこなすには限界があります!
それは、「元データ」の「呪い」です!

パワークエリは、マイクロソフトがPowerBIに開発した、
「データの取得と変換」のツールです。

Excelには、2016から実装されました。
Excelでも、ピボットテーブルと組み合わせると、
データ分析やダッシュボードの開発などが、マウスによる設定で行えます。

パワークエリで、ピボットテーブルの使いにくさを解消できるのです!

詳細な解説は、別の記事で紹介します。先ず、1例を紹介しましょう!

課題:計画と実績 売上・粗利 月別比較表 

  計画と実績のデータがあります。

比較1 計画・実績データからピボットテーブル
比較2 組み込み関数 基準との差 区分=計画 で比較
比較3 パワークエリで データを組替え、ピボットテーブル
     計画・実績 ⇒ 差異 売上・粗利 
     計画_売上、実績_売上、計画_粗利、実績_粗利
     差異_売上、差異_粗利
比較4 「集計フィールド」を追加する
     実見_売上=計画_売上+差異_売上
     実見_粗利=計画_粗利+差異_粗利

 では、4つの使い方で比較しましょう!

比較1 計画・実績データからピボットテーブル

 ×「総計」 区分=計画と実績 が合算される!
 ピボットテーブルを 累計 と 202301~202303 に2つ使う !

比較2 組み込み関数 基準値との差 区分=計画

値フィールドに  売上、粗利 を追加
計算の種類  基準値との差分
基準フィールド 区分 、基準アイテム  計画

計算の種類:基準値との差分

差分 で 基準同志の差が計算される ⇒ 列を非表示にすればOK

比較3 パワークエリで データを組替え

  計画・実績 ⇒ 差異 売上・粗利 のデータに組み換え
  計画_売上、実績_売上、計画_粗利、実績_粗利、差異_売上、差異_粗利

[問題点]
計画・・202301、202302、202303
実績・・202301、202302、    
202303が未発生なので、単純に 差異=実績-計画では、使いにくい!

未発生月は、差異=0 にする!

◎年月で確定・未を選択 データの年月に「確定」を付与
   「確定」 ⇒ 差異 = 実績-確定
   「未」    差異 = 0 にします  例:202303

◎パワークエリの使い方は、みんなで使えるピボットテーブル活用術 
で解説します

確定・・年月を指定しなくても集計できる


比較4 「集計フィールド」を追加する

     実見_売上=計画_売上+差異_売上
     実見_粗利=計画_粗利+差異_粗利

確定=202301~202302

全選択 ・・ 常に総計を視ながら管理できます!

ピボット姫のまとめ

ピボットテーブルの集計での制約は、パワークエリを利用して元データを加工すれば、克服できるものです。
いろいろな選択肢から、最善なものを「考える」=応用力が大切です。

まとめ どちらも活用しましょう!
分析には、ピボットテーブルを!

ピボット姫は、Excelとピボットテーブルを比較してきました。

①簡単なレポートなら、Excelでも十分です。
 あるいは、複雑な要素を組み込むなら、Excelが優位です。
  1つのレポートで済ます=レントゲン撮影のような分析

②いろいろな見方で分析したり、繰り返し利用するなら、
 ピボットテーブルに優位性があります。
  CTスキャンのような分析が、マウス操作で可能です

③ピボットテーブルの制約は、パワークエリの活用で「克服」できます。

ピボット姫からExcel大王へのお願いがまとまりました。

「ピボットテーブルは、
 1レポートでの完成度はExcelには劣りますが、
 総合的な分析力は、安心して繰り返し利用して欲しいものです。
 どちらも活用させてください。」

みなさんは、どのように評価しますか?


ピボットテーブルの紹介をしています!

ピボット姫と学ぼう!もっと楽しむサークルにメンバー募集中!

ピボットテーブルとパワークエリの組み合わせの事例紹介!

今回の計画・実績比較についても、詳細を紹介します!


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