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暮らしたい未来のまち

ここは東京都板橋区。区なのに埼玉県?と間違えられることもある東京23区ではあまり知名度のない街だ。
「板橋区って行ったことないな~、何があるの?」なんてよく聞かれることもある。そう、特に自慢できるようなもモノがないのかもしれない。そんなところが我がまちーー東京都板橋区だ。

ここに来て10年、子どもたちのふるさとになった。小さいながらも人とのつながりもでき、日常・当たり前の生活を繰り返す場所。
僕にとっては数年前までは寝に帰る場所、板橋、あえて言うならばそんな場所だった。

2017年に仲間と一緒に地元板橋区にめぐるでんき株式会社を設立した。電気は日常・当たり前に使って、また目に見えないもの。
そんな電気を届け、販売する仕事をしている。2016年に電力業界な完全な自由化を迎え、東京電力以外からも電気が買える時代になった。
めぐるでんきは、地域密着型の電力会社で、板橋区や近隣の法人、一般のご家庭に電気を販売している。
ただ、電気を売るだけではなく、できる限り太陽光発電などの環境に優しい電気の販売にも心がけている。

また、大きな特徴は、電気代として頂いたお金の一部を地域の活性化のための資金として地元地域に還元する仕組みを持っていることだ。
電気は誰もが日常普通に使うもので、毎月どこかの電力会社にお金を支払っている。例えるならば「税金」に近い感覚のお金だ。
このお金をどの電力会社に支払うのか、それを選択できるようになり、みんないろいろな価値観でそのお金を支払っている。
例えば「とにかく家計に優しい安い電気がいい」という人もいれば、「環境に優しい電気を選びたい」という人もいる。「ポイントが溜まってお得なんだよなー」こういう人ももちろんいるし、その選択はどれも正しい。
めぐるでんきが提供する選択肢は「このお金を地元地域のために使ってほしい」「地元地域や社会課題解決に取り組みたい」「地元地域を盛り上げたい」などといった価値観で、そんな願いを持った方々にご利用いただいている。いずれも「地元地域のため」というのがポイントになっている。

「暮らしたい未来のまち」に照らしてみれば、各人の多様な価値観はあるにせよ、地元地域での当たり前の日常があり、それに感謝できる心の余裕と、地域・人とのつながり【コミュニティー創り】が必要不可欠ではないかと想う。
マネー資本主義はお金を中心に、お金を「目的」とした社会であり、一方で、上述の「暮らしたい未来のまち」ではコミュニティー資本主義という新たな新機軸を持ち出し、「人とのつながり」「人と人との助け合い」など=「コミュニティー」の持つチカラ、その価値にフォーカスした考え方だ。しかしながら、コミュニティーを創り、地元地域をより良くし、持続可能としていくためにも、綺麗事ではなく、お金は必要だ。ただこのお金は「手段」であり、目的はもちろん違うところにある。その手段であるお金を電気代の一部から供出し、地域で経済が回っていく仕組みを提供しているのがめぐるでんきの仕組みだ。

子どもたちのふるさと、東京板橋を、コミュニティーを通じて良くしていきたい、自分のふるさのことを純粋に好きと思える街に、そんな未来のまちに住んでいたいと考える者である。

(めぐるでんき代表・取締役 渡部健)

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