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離れていくもの

今朝あったはずの赤い自転車。

犬の散歩から戻ってきたら、

忽然と無くなっていた。

2年くらい毎日一緒に過ごした赤い自転車

それなりに愛着はあったけど

不思議と悔しさも不愉快さもなかった

ただ、「あ、わたしの手元から離れた」

その事実を淡々と受け止めた


ここ2年くらい、とても仲良くしていた人がいた

興味の対象や物事の切り取り方が似ていて

話が楽しくて楽しくて

いつもあっという間に時間がたってしまう

兄弟のような感じだった

そんな近い感じは簡単には出会えない

沢山のキラキラした瞬間も連れてきた

特別な時間だった


だけど、4月位から流れが変わって

スムーズに流れていた時間に

淀みが混じるようになる


いくら相手を思って発した言葉も

相手にとって受け取るタイミングが

「今」でないと

聞いてもらえない事もある

人は、いつも一緒の場所にいる訳では無い


何かのタイミングで

ついこの間まで同じ場所にいて

笑いあっていたのに

そんなシンプルな事すら出来なくなる


手放す事は、難しい

それが、大切であれば大切であるほど

だけど、人の生き方を

コントロールする事なんて出来ない


わたしの赤い自転車は、いつも側にて

駅まで走ってくれた。

そのことに「ありがとう」


手放すタイミングは、きっとこういう事で

気が付いていくのかもしれない

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