社会人ヘッズがなんやかんやでマイク握ってラップしたお話 前編

いやあ、TL荒れてますねえ。何がとは言いませんが。
色々思うこともあるでしょう。
私はHipHopを知ってそんなに長くないのでHipHopの全てを知ってるぜ!
なんて一言も言えないけど、
無粋だなあと思います。

閑話休題

さて、私は転職活動でクッッソイライラしていてむしゃくしゃしていた時にMCバトルというものに出会った。

言葉だけで相手に真正面から立ち向かう姿に心打たれたことを覚えています。

初めてMCバトルの現場に行きCIMAさんの鬼熱韻っぷりに消えかけていた
私の心のロウソクに火をつけられて以来、
機会があればCIMAさんの出るイベントに行くようになった。
あと一二三屋にも何度か行ったことあり、CIMAさんとは何度もお会いしたことがある。

ある時CIMAさんがインスタで大阪で主催するパーティーの告知をしており、
「あーこういう現場いいよねえ。でもちょっといくの勇気いるんだよなあ。」
と思っていたら、
「0時までに受付で「歌います!」といったらドリンク代だけで入れます!」
という文言を発見。
しかもゲストを見てみたらRayさんがいた。
(実はRayさんも好き)

「ステージ立ってラップすればドリンク代だけでCIMAさんとRayさんがみれるだと…!?」
しかもその時たまたま私は曲を作っていたので頑張ればその曲歌えるかも…!なんて気持ちが湧き出てきた。

めちゃくちゃ直前に有給をとり、仕事終わりに新幹線に乗って東京から大阪に行くことを決意した。

ちなみに新幹線乗ってる間めちゃくちゃイメトレしていた。

大阪のクラブに到着、受付の人に「歌いにきました!」と宣言。
すると「アーティスト名なんですか?」と聞かれた。
びびった。私はアーティストでもなんでもない。過去にエントリーフリーのバトルに出たことはあるがそれだけだ。とてもアーティストなんて呼べたもんじゃない。
めちゃくちゃ戸惑ったが、
「あ、跡野マツリです…」
となんとかTwitter名を口にした。

クラブの中に入ってみると、私と同じくマイク握ってステージで歌いたいという志を持った人たちがステージに立ってラップしていた。
ステージの周りにはマイクを握るチャンスを待っている人たちが集まっている。

ここで私は「歌いたいです!」といったことをめちゃくちゃ後悔した。

解説するとその時間はオープンマイクの時間だった。オープンマイクというのは要は「歌いたい人いる?じゃあステージに立って歌って良いよ!」みたいな時間らしい(詳しいことはわからない)

当然歌いたい人はステージの前に群がる。だが歌いたい人に対して順番通りにマイクが渡されるわけではない。

歌いたい人は今歌っている人に対し、片足をステージに乗せたり手を差し出り、などして「歌いたいです!!」ってことをアピールすることで初めてマイクを渡してもらえる。

逆に言えばぼーっと突っ立っているだけだと歌うチャンスなんて回ってこないのだ。

私にそんな勇気はない。その時ステージに立って歌っていた人は私の4200000000000000000倍ラップが上手い。
というかみんなうまい、やばい。私が出たらしらけるんじゃね…。

実は何度も一二三屋や現場に行ったおかげでCIMAさんには顔を覚えていただいており、完全なアウェーではないとはいえ、それでも心臓が飛び出そうだった。
(ちなみに事前にパーティについて「パーティに参加するためにお金どこで払えばいいんですか?」みたいな問い合わせていたため、私がいるということは知っていた。)

すぐさまバーカウンターに駆け込み、酒を頼む。
こんな時は酒で判断力を狂わせれば良い。
酒を飲む。
アルコールが体に染み渡る。
それでもドキドキは収まらない。
ステージにすら近づけない。

だめだ。もういっぱい飲もう。もう狂おう。ダメ人間になろう。
しょせん大抵の人間は自分の抱いていた夢を実現させることもなく湿気って腐って終わっていくだけ。
それは私含めそうだ。人は死んだら燃やされ灰になるんだ。

…じゃあ、この場でHighになるか!!

気づけば私は歌い終わった人にマイクをもらい、マイクを掴んでいた。
新幹線に乗る前に「ステージ立ったらこれ歌おうかなー」って思った曲の歌詞全部飛んでた。

ラップした。私はしょうもないアイドルラッパー以下のラップをしていた。
もうその時の記憶は曖昧である。
途中アドリブで「うわアイドルラッパーみたいな口調になってるやん!!」みたいなこと言ったら若干会場が暖かい感じになった。
すぐにマイクを別に人に渡しステージを降りる。

もうバクバクが止まらなかったが、私の中で1つある感情が生まれた。

「楽しい」

もちろん緊張がなくなったわけではない。
ただ、会場の雰囲気をほんの少しだけ掴めるようになった。

なんとなく、「ここは行かない方がいいな」、「ここでならマイク持って歌えそうだな」ってのがうっすら分かるようになった。

自分の脳内を清めるために酒を飲む。

事前に歌いたいことを頭の中に組み込んだ。
今一度、なんでわざわざ東京から大阪まで来てこのパーティに参加したのか?ということを考えた。

あの時はドリンク代で楽しめてラッキーって思っていたけどよく考えたら違った。
毎日リモートでずっと仕事していて、基本ご飯買う時と散歩以外ではほぼ外に出ない。
仕事ではほぼ誰ともおしゃべりしない。
あの時の私は殺人事件のニュースを見て「いつか私も容疑者みたいに気が狂って見境なく誰かを刺してしまうのでは…?」と怯えるくらいに気がおかしかったのだ。

そうだ。私は何も考えず遊べる場所に行きたかったのだ。コンビニでも家でもないどこかに行きたかったのだ。

気づけば私はステージの下でマイクを掴んでおり、ステージに立っていた。

なんの打算も無い、思った通りのことを吐き出した。家でずっと引きこもって働いていること、基本あんまり外に出ないこと、事件のニュースを見るたびに自分がいつか容疑者になるんじゃないかって考えていること、家でもコンビニでもないところに行きたくてこのクラブに来たこと。

最初にラップした時より周りの人に受け入れてもらえた感じがした。
酒でもうだいぶ記憶があやしいが、とても嬉しかった。

後半は気が向いたら書きます。

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