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野菜との親密さ

ある日のめぐりごはんの
「サラダがすごく美味しかった」
ってわざわざと伝えてくれた子が
その日何人かいて

他人事のように
そうなんだ、
って少し驚いてうけとめる。

それは朝
珍しく
長い時間かけながら
なかなか決まらないよ、これ
と思いながら作ったサラダ。

黄色のズッキーニと
真っ赤なミニトマトがあったので

『カラフルサラダ』

って書いて前日メニューを貼ったけど
できあがりイメージは
ぼんやりしてた。

そして当日
手に取ったのは
なぜか

さつまいもと赤カブで

できあがりが描けないままスタート。

さつまいもは
小さな角切りで
塩蒸しをする。

赤カブは
小さすぎない角切り。
火はとおさない。
オリーブオイルでくるんで塩を和える。

時間のかげんで
赤とピンクに色あそびしてる。

で、次はなに?

・・

そういえば
柔らかそうなキャベツあったな
と存在感普通くらいのざく切りで
オリーブオイルと塩。

赤玉ねぎ
細かく刻んで
塩ふって

で、で、
君たちは
どこへいきたいのだろう?

・・

目指すのは
『カラフルサラダ』
というところ。

ちょうどその日
八百屋のお兄ちゃんの置き野菜は
スナップエンドウで
きれいな緑色を発見。

材料はこれでそろったかも!
とひとくぎり。

やっとここまで来たよ
とひとつずつは美味しいことを確かめて
順番に混ぜていく。

まとめ役は
いただいたレモン
この前作った豆乳マヨネーズと
胡椒を
適当に。

あまりにも長い旅だったから
最後の味見するのに
ドキドキする。

はぁ
なんとか大丈夫そう。

あとは、
ちょっと待っててね
とそっと置いておく。

そんな
なんとかギリギリできあがった一品が
美味しいって思われるという不思議。



このサラダを
レシピにしたならたぶん
あっという間にできあがる。

でも
答えのない世界に飛び込んだ時に
生まれる野菜たちとの
もしくは
目に見えないものたちとの

何度も何度も
行ったり来たりを繰り返す
やりとりのそのあわいの中に
何かがあるのだ。

その日の
さつまいも
赤カブ
キャベツ
赤玉ねぎ
スナップエンドウ
に触れている感触は
なぜか鮮やかにはっきり覚えてる。



久しぶりに大好きな
料理教室森田
のノートをめくる。

そこには
いのちの原点みたいに私が思うことばが
いくつもあって
そのひとつ。

野菜と同一線上に立つ

というのが
どこまでも奥が深くて
今もずっと大切なもの。





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