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安全靴について色々と調べてみました

フットケアサロンの方々とお話しする機会が多いのですが、そのお話の中で「安全靴を履いている方の足裏トラブルが多いので、調べてほしい」というお話がありました。

私は安全靴を履いたことが無いため、ネットで調べたり使用されている方にお話を伺ってきました。

すると私が思っていたのとは大きく違い、調べていくうちにいろいろな発見がありました。

安全靴は何を守るのか?

工事現場、建設現場、厨房、工場等、危険を伴う作業から軽作業も含めて、いろいろな現場で使用されている足を守る靴だと思いますが、足を守るという事は体全体を守ることになると思います。

では、どのように足を守っているのか、ちゃんと守られているのかを調べてみました。

作業用途による違い

安全靴はそれぞれの現場によって使い分けが必要であり、違う用途の靴を履いていては無意味になってしまいます。

・つま先に硬い芯があり、建築現場などでは落下物などによるケガから足を守る
・硬い厚いソールになっていて、がれきのような足元の危ない場所では、鋭利な物から足裏を守る
・つよい滑り止めが効いており、厨房など油の多い床でも滑りにくい
・防水性が高く、水に濡れてしまう現場でも水漏れしにくい
・耐火性・薬品に強い素材を使っている

などなど。きっとこれ以外にもあるかもしれませんね。

安全靴をお使いの方、いかがでしょうか?

現場によって用途は様々ですが、各現場で作業用途に合うものを選ばないと意味がありません。

強度などJIS規格の基準をクリアしているJISマークの安全靴を選ぶと良いのではないかと思います。

安全靴を使用していて困る事

私がうかがった話ではこんな声がありました。

・水に濡れやすい現場で、防水性能の高い靴を履いていたが、蒸れがひどく臭くなる
・靴の脱ぎ履きが多い現場では、紐をゆるめたまま履いている
・車に乗る時に安全靴から普通の靴に履き替えるのが面倒くさいのでそのまま移動している
・硬いソールなので、はしごの上り下りが危ない
・会社で支給されるので、サイズしか選べない。足形は合わなくても仕方ない

会社で支給されるものに関しては、『いつもの靴より少し大きめのサイズで』と言われることも多いようです。きっと簡単には交換もできないでしょうから、形やサイズはしっかり選びたいところですが、そうもいかないようです。

安全靴の選び方とは?

会社などから支給されたり、個人で選んで買う場合など。さまざまな買い方があります。

特にこだわりが無いと、安全靴というものなら何でもいいと安いものを選んでしまうという人も多いようです。

ここで注意しなくてはいけない事があります。

それは、あなたが選んで履いている安全靴は、本当に安全靴なのか?という事です。

労働安全衛生法で、事業者は安全靴やその他適切な履物を定めて、当該履物を使用させなければならないと定められている

事業者は、作業員の安全を守る義務がある為、適切な履物を使用させるようにというルールがあるんですね。

内容としては、作業員の足元に危険が及ぶ作業現場では、安全靴の支給と着用させる義務があるそうです。足元を守れない靴で作業して、万が一、足に大けがをしては困りますもんね。

安全靴の基準とは?

安全靴の似たようなものがピンキリで売られていますが、安全靴というのはきちんとした基準があるのをご存じでしょうか。

安全靴とはJIS規格の基準をクリアしているものであり、基準をクリアしていない物は安全靴ではなく作業靴という分類になるようです。

また、安全靴までの機能はいらなくても、基準の曖昧な作業靴よりはもっといいものとして、プロスニーカー(JSAA認定品)という物もあります。

※JIS規格の安全靴、JSAA認定品のプロスニーカー、作業靴などの詳しい説明はこちらから↓

プロスニーカーは、本革ではなく合成皮革やビニルレザークロス、メッシュなど多くの素材で出来ています。本革の安全靴に比べると耐久性には劣るようですが、アッパーの自由度が高いため、デザインも豊富です。

プロスニーカーという名称なだけあって、一見すると普段履きのスニーカーと見紛うほどです。

JEAA認定品という事もあり、基準の曖昧な作業靴を履くよりも、安全性はとても高いと思われますよ。

安全靴ではない、いわゆる作業靴をお借りしてきた

こちらは、実際に作業で使われている靴をお借りして(買い替えたそうで、もう使用してない)動画を撮ってみました。

動画で見ていただくとわかる通り、芯が全くなく、全体がぐにゃりと曲がってしまいます。

全体がとても柔らかく、ソールも簡単に曲がってしまうほどでした。

ソールは減っていたものの、元々の作りがワッフルのように隙間だらけでした。これでは、破片や大きな釘など、簡単に貫通してしまいそうな状態です。

硬いのはつま先部分だけです。

業界では、このような靴でも安全靴と謳われている靴がとても多いのだそうです。

この動画の靴は2900円程度の靴だったという事なので、安全靴の基準は満たしていないと思いますし、そもそも『本来の靴』の安全性すら満たしていないと思われます。


安全靴を使用したことが無かったので「安全靴というのはとても硬すぎて足のトラブルが多いのか?」と思い込んでいた私にとって、この靴はとても衝撃的でした。

どんな靴も足を守る物であってほしい

JSAA認定プロスニーカーと呼ばれるものを確認しましたが、しっかり作っているメーカーさんは、踵周りもしっかり硬く仕上げています。楽天で見つけたものを、いくつかピックアップしてみました!

有名メーカーの物についてレビューも読んでみましたが、安いものに比べると耐久性のある物、履きここちが良い物、合皮で水漏れしにくい物、メッシュ生地で通気性の良い物、つま先の返りがしっかりある物・・・

いろいろな声が寄せられていました。

そのなかでもよく見られた感想が『安い作業靴だと、すぐにボロボロになってしまうが、これは長持ちしている』という物です。

結局のところ、安いものはすぐに痛んでしまうので買い替え頻度も多い。

それに比べて、高いものは長持ちするのでしばらく履けるという事になります。

つまり、コスパもいい!!って事になりますね。

この動画の靴はあまりにも柔らかすぎて危険ですよね。

靴はそもそも、歩行を安定させるために踵部分に硬い芯を入れていたり、シャンクという硬い素材を入れ靴のアーチを安定させたり(シャンクの代わりになるような硬いソールを使ったり)と、踵周りはとても硬い作りになっています。足をグラつかせないようになっているんですね。これにより歩行の安定性が保たれています。

あまりにも柔らかすぎる靴では、不安定な柔らかい道を歩いているようなものです。

しっかりとした健康的な足の方でも、このような靴を長時間使用すると足を痛めてしまうと思います。

安全靴であれ、一般的な靴であれ、足を守るという大前提があるはずです。あまりにも安すぎる靴では、それすらも適いません。

安全靴を含め、靴の履き方の大前提

一般的な靴も同じですが、安全靴などを使用される際はしっかりと靴ひもやベルトを締め、靴がグラつく事のないように気を付けてください。足と靴の安全は、正しい使用の上に成り立ちます。

紐がゆるい状態では、いつか必ずケガをしたり、足を痛めます。

安全靴などは重い靴なので、なおさらその危険が高いです。冒頭で「フットケアリストから安全靴のトラブルが多い」という声があったのは、おそらくこれが原因です。

脱ぎ履きが多い現場であれば、紐をほどくのが面倒くさいという事が多いようです。

それであれば、ベルト靴にしたり、リールのような物で簡単に着脱できるものもあります。

探してみると、実に多様ですので、足のためにも健康のためにも、正しく靴を選ぶように意識をしましょう!


今後も、引き続き安全靴のトラブルについては使用者の方からお話を聞いていきたいと思います。

常に更新していきたいと思いますので、正しい情報があれば教えてください。お待ちしております。

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