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自分が友人の励ましになれていたことで、自分も励まされた話

大学時代、1年間休学し、カナダに語学留学していました。
ずいぶん昔の話です・・・

旅行すら行ったことのなかった外国で、いきなり長期間滞在の留学、最初は右も左も何も分からず、会話の力試しだろうくらいに思っていた英語もぜんぜん上手く話せませんでした。

ホームシックのような「日本に帰りたい」という思いはなかったものの、ここにいたくないと最初は思いながら、日々過ごしていました。

現地にいると、3か月もすれば耳が慣れてきて、突然出来るようになるよという話は聞いていました。幸いなことに自分も3か月ほどでコミュニケーションが取れる実感が芽生え始め、自信もついてきました。

語学学校に4か月ほど通った後、旅行の専門学校の短期コースに入学しました。将来、旅行関係の仕事をしたいと思っていたからでしたが、最初の1ヶ月ほどで、これは自分が学びたいことではないという気持ちが強くなり、途中でドロップアウトしました。

次に何をするかは決めておらず、その後しばらく宙ぶらりんのまま、現地でぶらぶら過ごしていました。

大学の友人が、夏季休暇を利用してカナダに短期留学で来たのはその頃でした。彼女は平日は語学学校に通っていたのですが、週末は休みだったため、暇な自分はその期間、一緒に遊んでもらい、一足先に現地にいた利点を活かし、観光案内したりしていました。

ある日、グラウスマウンテンという、地元では日帰り登山で有名な山に一緒に登りに行きました。日本では登山なんて、一番やらない自分だったけど、なんとなくその時は登りたくなりました。

日帰りできる山とはいえ、普段あまり運動をしない自分にとっては、なかなかハードでした。その分、登り切った後の爽快感があったことは今でも覚えています。

大人にもひびく 子どもの本 (1280 x 300 px) (1)

登り切った後の山頂で、友人と休憩している最中、彼女からこんなことを言われました。

「峠の茶屋でのんびりお茶してる場合じゃないな。私も登らないとな」

その頃の自分は、今後どうするかが分からなくなり、現地で迷走中状態でしたが、日本を離れ、現地の生活に慣れ過ごすまでになっていた自分の様子を見た彼女には、私が山頂を目指し、登り続けている人に映ったようです。

現地に行ってから、ずっと無我夢中で自分を客観視することがなかったものの、あー自分も頑張っていたのかなと、自分を励ましてくれた言葉でした。

また同時に、その時の自分の姿が、彼女への励ましになれたのなら、なんだか良かったなとも感じました。

典型的な姉気質の自分(3姉妹の長女です)、お手本になる存在が周りにいない中、これまでやってきたことは大抵周りの人がやったことないこと。挑戦し、上手くいくこともあれば、失敗したことも数知れず。

誰かがすでにやってくれていれば、ある程度こうやれば上手くいくみたいなのがあって、いいのかもしれないけれど、この体当たり感みたいなものを、決して嫌がってはいない自分を認識しています。なんなら、自分が先に行くよみたいな・・・

で、意図した訳ではないけれど、そんな自分の様子を見た人が、私もやってみようと背中を押されて、一歩前に出るきっかけになれば、自分もまた励まされるなと思ったりします。

時には、峠の茶屋で休むことは必要だと思うけれど・・・

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