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妄想力を育てよう

【子どもの頃妄想したことはなんですか?】


これからの時代を生きる子どもたちに必要な能力の一つに「妄想力」というのがあるらしい。それを聞いて「えっ?子どもはみんな、日々妄想の世界で生きているのでは?」と、意外でした。

そんな私の子ども時代は・・・子どもの頃、姉妹間での私のあだ名は「嘘つきゆっこ」でした。なぜそのあだ名がついたかと言うと、いつも色々なことを勝手に妄想して、ありもしないことを、さも実際に起きた出来事のように言いふらしていたからです。夢と現実の世界の区別がつかなかったのか?「なりたい!」と思ったことを自分の心の中で「すでにそうなっている」と、思い込む力が強かったのか?いつも夢見ていたのかも知れません。

私の幼少期の「妄想癖」は家族の中だけではありましたが、歳の近かった姉たちは「またゆっこが嘘ついてる!」と言って、あきれていました。確かに当時の私は現実と夢の区別がつかなかったのかもしれません。テレビや漫画で見たヒーローが活躍するシーンを見ているだけで、その主人公になりきって、なぜか私自身は「白馬に乗った王子様」になってお姫様を助けたりもしていたのです。

最近気になっている「ギフテッド」その特徴の一つに「妄想力と正義感(倫理観)が人一倍強い」というのもあるそうです。勉強もスポーツもからきしだめだった私ですが、今思えば「ギフテッド」の要素がちょっぴりあったのかも知れません。

それでも、見るからに嘘とわかる私の妄想は、姉たちにはかなり迷惑だったようです。つまり、周りが振り回される。周りから批判される。「扱いにくい子ども」と思われる。それも「ギフテッド」の特徴の一つなのだそう。子どもの頃は、周りへの配慮などお構いなしなので、妄想の楽しさを止めることができず次から次へと様々な物語を作ってその中で生きていたのでした。

「ギフテッド」と言うのは天才や才能のある人のことを指すのではなく、類稀な性質のために「周りの人たちの配慮を必要とする」人のことなのだそうです。つまり、妄想を否定すればその人の才能の芽を摘んでしまうことになりかねない。

社会を変えるほどの発明をした、エジソンも、子どものころは「お前がいると授業ができないから、もう、学校には来なくていい」と担任の先生に言われていたそうです。

そんな、我が子エジソンに教育を施したのは母親。エジソンの母親による「ホームスクール」と呼ばれる家庭内教育が、今私たちが多くの恩恵をもらっている「電気の発明」につながったのです。もし、その時にエジソンの母親が、「先生のいうことを聞きなさい!」と、無理矢理学校に行かせていたらどうなったのか?不登校児が140万人いると言われている日本でもここは憂慮すべきだと感じます。

天才児が持つ諸刃の刃

ある調査では少年院送りになった子どもたちを調べたら、IQが異常に高い子が多く、彼らの才能を周りの大人が早期に見つけてあげて、「配慮し伸ばしてあげる」ことができていれば社会の役に立つ素晴らしい発明者になっていたかも知れないとのこと。「発明者か犯罪者?」そこまで極端な話ではないかも知れませんが、現実にそのようなことは起こりうるのです。

そういう意味では子どもなら誰もが、妄想や物語の主人公になったりして空想で遊ぶ力があるのだと思うのです。ところがその妄想力を大人たちが、取り上げてしまい、尖った才能をならし、足りない所を訓練で平均値まで上げることをやる。ADHDと診断され、薬物療法を過去に受けていた男性がおっしゃっていたのがとても印象的だったのですが、「病院で薬を処方してもらった。その薬を飲むと自分自身スーパーカーエンジンのようなエネルギーだったので公道を300キロで走っていたということがわかった。投薬後は60キロで走れるようになったけど、モヤモヤの行き場がなかった」とのこと。

このことから、投薬で本人のパワーを抑えるという治療法だけでなく、300キロで走れる「レーシングコース」を用意してあげる。という選択肢もあるわけです。ここは親の出番になるということなのです。

親は問題行動のある我が子を育てにくい


子どもを育てたことのある方はわかると思いますが、出産後の母親がよくいう言葉の一つに「世の中にこれほど思い通りにならない存在がいたとはビックリだ」というもの・・・

それほど、子育てというのはイレギュラーの連続なのです。そして残念なことに唯一の頼みの綱である夫とは「子育てに関して価値観が違う」というのも母親にとって辛いことの一つなのではないでしょうか?「カサンドラ症候群」という言葉があります。ギリシャ神話の中の悲劇のヒロインのことなのですが、ギフテッドや発達障害のお子さんを持つ母親からこの「カサンドラ症候群」の症状が見受けられるという学説もあるのです。

親が我が子に対して責任を持つべきだ!といった風潮が強い日本では、特に母親の立場は相当に苦しくて辛いものになるというのは想像できます。でも、親だからこそ感情が先に立ってしまって「客観的に我が子を見れない」というジレンマがあるのは当然だと考えます。問題と思われる行動が多い我が子に対して、「うちの子面白い!」「うちの子天才!」と、笑って言える母親がどれだけいるのか?そのことで周りから浮いてしまっている母親も多いのではないでしょうか?

自己承認しずらい大人が多い国日本

途上国の子供たちはどんなに貧しくても、空腹でも、瞳がキラキラと光って、好奇心の塊のように見えます。これは妄想力が高いことの表れなのではないでしょうか。何もかも整い、便利な先進国である日本は、妄想しなくても便利なものが溢れている。お金さえ払えば、なんでも手に入る。その結果、夢を見ることができない子どもたちが増えている。そしてその原因は大人たちの思考の中にある。そう考えると、これは何よりも残念なことだと思います。

人間だけが、「めのまえにはないはずの夢」を見ることができます。今あるAIも宇宙に飛んでいくロケットも、スマホも、自動運転も、子どもの頃、SFの世界で見たものばかり。最近TVで見たのは「人類初のサイボーグ人間登場」でした。

https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4611/index.html


人間は、妄想する力によって飛躍的に進化を遂げたと考えたとき、子どもたちが夢を見ることができる素地を作ってあげれるのは、私たち大人であること。そして子どもの一番身近にいる親なのです。「周りに合わせることができる子」を目指すのは誰のため?

そのことを親は常に意識をして子どもに向き合う責任があるのではないでしょうか?

夢を描く力は誰にでもある


夢を描く力、妄想力、自分なりに見立てる力
これらがAI時代の人間に必要な力、必須項目となるらしい。

日本はIT分野では、完全に世界に遅れをとっているらしいが、
子どもたちの「夢を描く力、妄想力、」は世界的に見てもレベルが高いらしい。その理由は、子どもの頃に見たアニメのヒーローなのだそう。そういえば、日本のアニメの多くは、ヒーローが子どもなのです。

日本のアニメのヒーローは、ポケモンも、鬼滅の刃も、セーラームーンも。何故か子どもですね。

物語の主人公になりきって夢を描く子どものちからをどう伸ばすのか?
これが、今1番、大人がやらなければならないことなのだそう
大人がその芽を摘むことだけは避けたいものです



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