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4年間育児休暇をとったパパの話(前編)

私がやっているNPO法人ママの働き方応援隊で「まいにちマザーズ」というYouTube配信がある。これはフツーのママの日常を切り取ったトーク番組なのだけど、その中で「パパが4年間育児休暇をとっている」という話を聞いてびっくりした。

にわかに「男性育休」が話題になっているのもあり、以前から日本人ママのワンオペは異常だと感じていたし、また日本の少子化の原因の一つにもなっていると考えていた。そんな中、「4年間」もパパが育児休暇をとっているということに、「何故そんな凄いことができているのか?」ものすごく興味を持ったので、早速パパにインタビューさせていただいた。

ありがたいことに、そのパパさんが「男性育児休暇レポート」を書いてくれ、その上で「ブログでシェアさせて欲しい!」という厚かましい私からの頼みに快く「OK」を出してくださった。4000文字以上のレポートは今後の日本男性の育児休暇のバイブルになるかもしれないと思えました。是非とも新米パパママ夫婦で参考にしていただき、また、少子化問題の解決の糸口としても、企業さんにも国家としても参考にして欲しい。と思ったのです。

以下、私のコメントを挟みつつ、4年間の育児休暇レポートを2回に分けてブログで書かせていただきました。


「4年間育児休暇パパ」のレポート前編⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️


・・・・・・・・・・4年間育休パパレポート・・・・・・・・・・・

Q:まず第一に、私がなぜこれほど育休をとって子どもと関わる時間を確保しているのか

その主旨ををお伝えすることが、ご質問して頂いた内容に誠意をもって返答するために必要かと思いましたので簡単にお伝えさせて頂きます。

子どもの成長過程において、あらゆる時間が大切ではありますが、私が最も大切だと考えているのは、2~3歳ごろまでです。言わば、それは、植物が成長していくために、土壌環境を良くして、強く太い根を張る時期。この時期に、産まれてきた赤ちゃんがまわりに受け入れられ、深い愛情をもって接してもらえているか。これがおおげさに言うならば、人生を左右するポイントの一つだとも考えています。深い愛情をもって接してもらえ、自分がすることを温かく受け入れてもらえれば、人間というものは、自分を愛することができ、自分を愛することができる人間は、他人やあらゆる事物を愛することができます。私の考えでは、自分や他人やあらゆる事物を愛することができれば、人生は深く、豊かで幸せな人生を歩めるはずだからです。(例え大変な試練があろうとも、愛を体感している人間は乗り越えようとすると思っています)
これが私が育休をとっている主たる理由です。本当に有難いことで、3人の命を預かり、それぞれ平等な時間を取るために、育休が4年目となっています。このままいくと、5年目にも突入していきます(笑)

・・・・・・・・・・・・・コメント・・・・・・・・・・・・・・・

上記の内容は最近医療現場でも「愛着障害」という側面で話題になっている。0歳から2歳ぐらいまでの間に主となる養育者との間に「愛着の形成」ができたかどうかが、その人の性格や行動に大きな影響を与えるという。例えば養育者が突然いなくなったり(死去・離別など)すると子どもの精神性に大きな影響があり、その後の人生にも大きな影響を与えるというもの。

子どもにとって将来を左右する様な時期に両親が一緒に子育てに参加してくれるということは、ものすごく大きなメリットがあるに違いないのです。

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パパの家事・育児能力が低いと逆効果になる可能性も


・・・・・・・・・・4年間育休パパレポート・・・・・・・・・・・
Q1年目と4年目の家事・育児のスキルはどう変わったのか

まず全体的には、1年目と4年目を単純に比較するだけなら概ねあらゆることが向上しております。ただ、1~4年目という考え方でいうならば、そこにはアップダウンがあったり、グラデーションのような変化があったりで、様々な要素が含まれ、はっきり「これとこれ」というような断定的な言い方はできません。しかし、あえて1年目と4年目をいうことで明確に比較するならば、以下のことが言えるかもしれません。

おおよそ「家事」ということで思いつくことはほとんどします(料理と子どものファッション、家のインテリア等に関しては妻が圧倒的に上手なので任せてる部分がほとんどですが)。それは1年目と4年目を比較しても変わりません。例えば、一つ一つのスキル、洗濯物が上手にたためるようになったとか、風呂掃除の手際が良くなったとか、そういったことはもちろんありますが、それは枝葉のことで、私が大きく変わったと感じることは、「どの家事を、どの時間にすれば、子どもと関わる時間が確保でき、なおかつ自分の時間も作れるのか」といった時間軸の変化です。

現在は、毎朝4時前後に起きます。そこから、風呂掃除、洗濯物、朝食の準備、自分の身支度、子どもが出かける際の持ち物。確認等できる家事は終わらせます。

そして、自分の勉強に時間を注ぎます。

1年目の頃は、夜子どもが寝た後に様々な時間を作っていましたが、それでは寝る時間が遅くなり、そのため朝起きる時間も遅くなって、朝に家事で

バタバタとなって、子どもと落ち着いて接する時間を確保できないときがありました。これでは、最も優先順位の高いことに時間を取れないと感じ、2年目3年目と「どの時間に、どの家事をすれば全体としてうまく調和するのか」少しずつ実験、改善していった形です。


Q:育児のスキルについて

「育児のスキル」となると幅広い考え方があり、例えば、おむつ替えやお風呂の入れ方、ミルクの飲ませ方など、「目に見える技術」のようなものと、

観察する・我慢する・褒める・声をかける・やらせるやらせない・考えさせるなど、「目に見えにくい技術」があるかと思います。「目に見える技術」の方は

、毎日行っているので、当たり前のようにスキルアップしていきましたが、「目に見えにくい技術」の方は、大変難しく今でも熟慮していかなければならない部分です。

それでも、1年目と大きく変わった部分は、この「目に見えにくい」ところが、「育児」において、最も大切な部分だと深く理解できたところです。小さい子どもなので、毎日泣いたり、叫んだり、自分の好きなことばかりやったり、一日の予定が狂ったり・・・。様々なことが起こりますが、どのようなことがあっても「親の、私の心をいつも穏やかにしておく」「親がいつも明るい気持ちでいる」ということが、「目に見えにく」ところをどう実践してくのかに繋がっていくと感じています。今でもできていないことが多々ありますが、それでも1年目と比べると飛躍的に上手くできるようになりました。「穏やかでいること」は。

生まれもった性格や過去の積み重ねだけではなく、「今穏やかでいるという決心や覚悟の連続による習慣」だと思っています。親が穏やかでいると子どもは伸び伸びと

自分らしさを発揮してくれるはずです。親も穏やかでいれば「いつ、どのように子ども接すればよいのか」おのずと感じることができます。

育児において、「どうやって子どもを成長させるのか」ということが大切なだけではなく、「育児を通して、どうやって自分(親)を成長せるのか」も大切だと思っています。

そもそも子どもはとてつもな才能をもって生まれてきているので、まわりはその才能を引き出す環境をつくるだけで、子どもに何かを付け加える必要はないと私は思いますので、親は子どもに伸び伸びと子ども時代を送らせるために、親の心を穏やかに、明るくするということへの努力をしていけば良いし、それが1年目と4年目の私の大きな違いでもあります。

後編に続く

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