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実は素人でも簡単?無垢材テーブルがメンテナンスで生まれ変わった話

こんにちは、描ける×書けるデザイナー うっちー(※とっても久しぶり投稿)です。
先日、我が家の無垢材ダイニングテーブルが生まれ変わり、メンテナンスの簡単さに驚きと感動を覚えたので、ここに記録します。

想像以上にお手軽だったメンテナンス。
これを知れば、きっと他の無垢材家具にも応用できるに違いない!
「無垢のアイテムって、メンテナンスが難しいだろうなぁ〜」なんて漠然と感じているかたにも参考となれば幸いです。

(※Photograph by RikaIshii)

登場人物紹介

簡単に今回の登場人物をご紹介。

この度のメンテナンス企画は、新居への引っ越しに際してお世話になったインテリアデザイナーの石井里佳さんがワークスペースのデスクを提案してくれ、発注先の田中製材所代表の田中由虎さんを巻き込んで(&巻き込まれて)くれたことがはじまりだった。

●石井里佳さん(RIKA ISHII  INTERIORDESIGN)

住宅や民泊施設のインテリアデザインを手掛ける。
ただ単にインテリアをおしゃれに買い揃えるのではなく、クライアントが抱くイメージを丁寧にヒアリング、コンセプトワークを行ったうえで、内装材から家具に至るまでをコーディネートすることを信念としている。
もちろん我が家もコンセプトに一貫された部屋づくりをしていただき、家族それぞれのイメージを見事に共存させ、全員が「帰りたい!」と思える家となった。
正直インテリアでここまで感動するとは思っても見なかったので、毎日ウキウキで生活を送ることができている。感謝。

●田中由虎さん(田中製材所代表)

我が家のワークスペースの主役である、ブラックチェリーの一枚板を調達してくださった田中製材所の代表 田中由虎さん。
搬入・設置をしていただいた日、デスクの板があまりに美しくテンション爆上がりとなった勢いで調子に乗ってしまい「ちなみにこのダイニングテーブルの汚れ、手遅れですかねぇ?」なんて軽率に聞いてしまった。
しかし由虎さんはメンテナンスを丁寧に説明してくれたうえ「イベント的にいっぺんやっちゃいましょうか!」と快くご提案してくださり今回の企画が決行された。お忙しい方なのに本当に良い人。まじ感謝。

●筆者うっちー

2023年に出産、家族3人となったことを機に新居へ引っ越す。
無垢材への憧れだけで、後先考えずテーブルを購入し、汚れを順調に重ねていたが、新しい家に置くとテーブルの汚れはますます目立って気になった。おまけに今や1歳児となった子どもはつかみ食べ真っ盛りの時期で、テーブルの食べ物汚れが急加速。
イケてる生活を送りたいが、汚れていく・・・とても複雑な心境で生活している。

素人による無垢材テーブルの末路

5年以上生活を共にしている無垢材テーブルは、新生活のはじまりに意気揚々と購入したものである。このテーブルで、イケてる食器とコーヒーを並べて優雅に朝食を食べる。知識も、扱い方も、完全に素人であった自分は、そんな短絡的な夢を見ていた。(遠い目)

もちろん汚れ方が素人なのも必然。
5年でこのような状態に。

B級グルメ好きな我が家の油染み、いかがだろうか。
時にマクドナルドのポテトのカスが放置され、時に餃子のタレをこぼし、挙句の果てには旦那くんが油性インクをぶちまけたこともある。
油性マジックの汚れなど、子供時代に卒業したものかと思っていた。

奥側は油染み、手前は塗装落ち状態

端の方は、何かと写真を撮る際の背景に使えるため、それはもうアルコールティッシュで丁寧に丁寧に拭き続け、表面のナチュラルな木の色をきっちりと落としてきた。
白いまだらがところどころ見られ、風合いを保つためのニスも台無しである。

そんな素人だが「メンテナンス」という言葉は時に過った。
が、「きっと特殊な工程や道具が必要だろう」と、ハードルを高くし、小難しく考えていた。やっぱりどこまでも素人は素人なのだ。

まったくもって可哀想なのは放置され続けたテーブルである。
もしもテーブルが喋れていたなら何を言っただろうか。怖いから面と向かって聞けない。ごめん。
そんなこんなで6年目を迎え、木材のスペシャリスト由虎さんのお陰でテーブルが生き返るに至ったのである。

道具の紹介

まずは道具を紹介しておこうと思う。
いきなり電動工具を見て「ハードル高いやんけ…」と思うなかれ。カインズやコーナンなどのホームセンターでは工具レンタルも行っているので、気軽に考えてもOK。
(もちろん、私はこの日まで知らなかった)

参考:
コーナンレンタル工具
CAINZレンタル工具

〜汚れを削る〜

●サンダー(※今回はMakita、BOSCHを使用)

Makitaのサンダー。はじめの荒削りで使用(ヤスリ:100番)
BOSCHはドイツ製。こちらのサンダーは中間研磨で使用。(ヤスリ:240番)

由虎さん曰く、これら2つのサンダーは、厳密に言えば粗削り用と中間研磨で用途が変わるが、特段分けて使わなくても大丈夫だそう。

●ハンドサンダー(※手動の場合)

電動のサンダーは用意できない、もしくは削る実感を最大限に得たい方はハンドサンダーでも可能。(ただし、時間と体力と根気が必要。)
ヤスリの番手は電動と同様100番と240番を使用。

〜削って出た木粉をきれいにする〜

●タオルなどのボロ布やウエス等
●掃除機(ブロワーでもOK)

細かな木粉がたくさん出るので、コーティングの前に除去するための道具が必要。
ちなみに、粉塵を吸い込んでしまうので(特に小さなお子さんがいる家庭では)外で作業をしたほうが良い。

〜仕上げのコーティング〜

●塗装オイル(※今回は「オスモカラー カウンタートップオイル」を使用)

※カウンタートップオイルは写真に写っていませんが、真ん中の缶に似たタイプです。
詳しくは上記リンクよりご確認ください。

●刷毛またはボロ布やウエス
●ゴム手袋

ちなみに、オスモカラーはドイツ製で、植物油からできており、ヨーロッパ食品安全基準EN1186にも合格。
食品に触れても安心だし、幼児玩具のメンテナンスにも使えるとのことで、これは安心!

メンテナンスは美容に例えるとわかりやすい!

由虎さんが設定した今回のテーマは「美容と塗装」。
一瞬「なんだ!? 笑」と思ってしまったが、聞いてみると大変わかりやすい例えだった。
ここからは美容の例えとともに説明していこうと思う。

全体の工程と所要時間はこんな感じ。
1日仕事だが、乾燥待ち時間中は是非お茶などを淹れてゆったり時間を楽しんでほしいところ。
天気の良い日(※夏場の強い直射日光はNG)なら乾燥時間も短縮できる。

1:研磨10分(※電動ヤスリの場合)

2:塗装5〜10分

3:乾燥時間4〜5時間を設ける

4:中間研磨5〜10分

5:2回目塗装5〜10分

6:乾燥時間4〜5時間

7:完成

研磨はピーリング。古い角質さようなら。

電動サンダーで油やマッキーの染み、そして逆に擦りすぎてしまった“まだらエリア”をなかったことにしていく。

削る厚みはおよそ髪の毛1本分ほどなのだそうだ。
研磨は美容で言うところの「ピーリング」。古い面(=古い角質)を除去することで、どんどんとなめらか〜な天板へ変わっていく。

すぐに新しい面が見えてきた。

電動サンダーであればとても簡単。まんべんなく動き続ければ、一箇所だけが削られすぎるようなこともなく、あっという間に終了。

100番のヤスリで荒削りを行い、その後、240番のヤスリで中間研磨を行う。
中間研磨ではハンドサンダーの道具も体験させていただいた。さーっとヤスリをかけただけで、荒削りの面がとてもなめらかになった。

(ハンドサンダーでの中間研磨の様子です。もし気になればどうぞ!)

オールインワン塗装。深層までツヤと潤いが満ちたお肌へ。

荒削り、中間研磨を経て、古い角質が落とされたあとは、塗装段階。
30分ほど研磨を行えば、もう塗装なのだ。私の勝手な小難しい工程イメージはあっさりと塗り替えられた。(塗装だけにね…)

塗装に入る前には、木粉をしっかり除去しておきたい。
ボロ布などで拭いたり、このテーブルのように溝などがあれば、掃除機やブロワー等でなくして、ゴミがオイル塗料に固められないようにする。

今回使用した塗装オイルは、オイル&ワックスのコンビネーションなので、これ1本で済ませられるのがこれまたお手軽!
美容においては「オールインワン化粧品」にあたる。化粧水から保湿までをこれ1本で…なんてよく言うやつである。

刷毛もしくはボロ布でオイルをさっさ〜と伸ばしていく。
ボロ布の場合は、乾燥時に発熱、発火するおそれがあるため、水にしっかり濡らしてから捨てるようにするのが注意点だ。

お手軽オールインワンで、汚れに強くなる!オスモカラーの魅力

何よりもうれしいのは、この塗装によってテーブルが汚れに強くなることだ。
1歳児のいる我が家ではご飯をポイポイ、テーブルでぺったんぺったん、グリグリと、テーブルに付けられてしまううえ、旦那くん(油性インク染みの犯人)が小学生レベルで食べこぼすため、汚れがつきにくくなる機能性アップはとてもありがたい。

見よ!この美しい天板!別人(机)!
お肌も復活すればピーンとハリ・ツヤが出て健康的なお肌になるもんね!

オスモカラーの性能はウレタンと同等。最大限に効果を発揮させるためには、塗装は乾燥後の塗り重ねを2回以上行うことと、塗布完了後4〜5日は汚れないようにビニールなどをかけて保護しておく必要がある。
保護して寝かせる期間でオイルが木の中へ染み込んでいき、樹脂と木が一体化していく「樹脂化」が起こるのだそうだ。(我が家はゴミ袋でカバーした)

1ヶ月後、感動。

日常に戻っておよそ1ヶ月、溝にお菓子のカスが挟まっている以外、汚れは一切ついていない。毎食、ご飯ぺったんをくらいながらも、すぐに拭き取れて楽チンすぎる。
しかも、このツヤ感!あー、これは感動しちゃうなぁ!うれしい!

溝の粒はお菓子のカスです。面が良いツヤ感!

今ならテーブルが喋れるようになっても、面と向かって「あのときはごめんね」って言えそうな気がしてきた。みんなで前を向いて進んでいけそうだ。

今回このような機会を作ってくださった里佳さん・由虎さんに感謝して、この記録を終えたいと思う。
本当にありがとうございました。

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