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第34週 作家 武藤類子

はじめに


今週の作家は 作家であり、反原発運動にかかわる。「ハイロアクション福島」事務局、福島原発告訴団団長の武藤類子さんです。

お生まれ

武藤類子さんは1953年福島県にお生まれになりました。

福島県三春町在住です。


反原発運動に関わられるまで


武藤類子さんは 養護学校教員を長くされていました。

2003年に福島県三春町のご自宅で里山喫茶「燦(きらら)」を開業されます。

そしてチェルノブイリ原発事故をきっかけに反原発運動にかかわ

れるようになります。

作家としてしられるまで


2011年3月.11日の原発事故発生後、──2011年9月、福島第一原発事故から半年後の集会で読み上げられた「私たちはいま、静かに怒りを燃やす東北の鬼です」ではじまる武藤類子さんの「さようなら原発5万人集会」でのスピーチが反響をよび『福島からあなたへ』(大月書店)として書籍化されます。

2012年に結成した福島原発告訴団の団長として全国に告訴運動をよびかけ、以後も東京電力の責任を問う活動を継続しておられます。

現在、原発事故被害者団体連絡会(ひだんれん)共同代表、3・11甲状腺がん子ども基金副代表理事を務めておられます。







2021年2月『10年後の福島からあなたへ』(大月書店)が出版され、2012年1月に出版された前作『福島からあなたへ』の後、武藤さんが書いたり、話したりされてきた内容が収められています。

この本について以下のように述べられています。



 とにかく、「どういう時間だったか」と振り返る時間もなく生きてきた10年だったな、と思いました。長かったのか短かったのかもよく分からない、そのくらい激変した人生を夢中で生きてきたという感じですね。
 改めて感じたのは、原発事故がなかったら私は今、まったく違う時間を生きていただろうということです。私だけではなく、あの原発事故は本当に多くの人の人生を変えてしまった。特に、自宅に住めなくなるなど大きな被害を受けた方たちは、根底から人生が覆ってしまったわけで。本来ならその人たちにとってもこの10年、まったく違った時間があったはずだった。原発事故は、その時間を奪ってしまったんだということを強く感じました。



また現在福島の状況について以下のように語られています。


 事故から10年経って、なんとか生活が落ち着いてきたという人も多いとは思います。ただ全体としては、やはり「復興」ばかりが叫ばれることで、不安や苦しみをますます口にしづらくなっているところがあるのではないでしょうか。
 多くの人が、怒りや悲しみを心の中に押し込めて暮らしている。避難生活を続ける中で、鬱になってしまったといった話もよく聞きます。その結果が、2300人以上と他の被災県よりも圧倒的に多い「災害関連死」なのではないでしょうか。ある意味では「復興」という言葉が、人が抱えていて当然の痛みを外に出すのを邪魔してしまっているといえるかもしれません。


また今の日本について以下のように語られています。


強く感じるのは、一番大事にすべきもの──人の健康、人の命といったものが、まったく大事にされていなくて、二の次にされているということです。
 コロナ対応を見ていてもそれを強く感じます。去年、仲間たちと東京オリンピック開催に反対する「福島はオリンピックどごでねぇ!!」というアクションを立ち上げたのですが、今の状況は日本全体、世界全体がどう考えても「オリンピックどころじゃない」ですよね。それなのに、政府やオリンピックの組織委員会は、いまだに開催を強行しようとしている。まさに、人の命が二の次にされているんです。
 あるいは、今経済産業省が進めているエネルギー基本計画の見直し。原発の復権を盛り込もうとする動きがあるのを見ていると、この社会は命を大事にしないばかりか、「反省をすることができない社会」でもあるんだと感じます。何が起きたのかをしっかりと目をこらして見て、どこが悪かったのか反省をして、二度と同じことを起こさないための教訓を導き出す。そういう態度が抜け落ちているといえるのではないでしょうか。


また最後にそのような中での希望について以下のように語られています。



 そして、見出せるとすればそれは、若い人たちの存在にかな、と思います。これからの世代は、本当に大変な時代を生きていかなくてはなりません。福島だけではなく、世界中で核実験や原発から出てきた膨大な廃棄物を押しつけられ、気候変動やコロナのような感染症の問題と向き合い……私たちは原発事故の被害者ではあるけれど、同時に若い人や未来の世代に対する加害者でもあるという意識が、常にあります。
 それでも、その厳しい状況を生きていく若い人たちの賢さに、私は期待したい。どうか私たちの間違いを繰り返さずに新しい道を切り開いていってほしいし、そうなるように手助けができたらと思っています。

引用記事はこの記事です。


めぐめぐがすごいと思う武藤類子さんのこと

1長く近くの他人を支援するお仕事から、原発反対運動に関わられ福島全体、そして世界中の問題に関わる問題の中心で戦っておられること

2東電への裁判という時間と労力のかかる問題に10年関わられ、そしてこれからも関わって行かれること。

3そしてその中でも子どもから大人までその真摯な語り口で多くの読者に大切な問題を投げかけられていること


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