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第34週 作家 原田康子


はじめに

今週の作家は小説家の原田 康子さんです。


お生まれ

  


原田 康子(はらだ やすこ)さんは1928年1月12日に東京にお生まれになりました。

北海道釧路市で育たれ、一生北海道で過ごされています。


作家になられるまで


 原田 康子さんは市立釧路高等女学校(現・北海道釧路江南高等学校)卒業され、釧路新聞に勤務されます。

1949年に同人雑誌「北海文学」に処女作『冬の雨』を発表され、以後も同誌を中心に短編・長編を発表されます。


作家としてのご活躍


1954年「新潮」同人雑誌賞に『サビタの記憶』で応募され、最終候補に残って伊藤整氏らの高い評価を得られます。


翌年から「北海文学」誌上に長編『挽歌』を連載。

1956年に出版されベストセラーとなり、映画化されるなど大きな反響を呼びました。



『挽歌』は翻訳され、海外数ヶ国でも出版されています。


また1991年には、『満月』が『満月 MR.MOONLIGHT』のタイトルで映画化されている。


また原田さんは競馬、将棋を趣味とされ、それらについてのエッセイ集『はなれ駒あそび駒』もあるそうです。


また1998年の将棋王座戦の観戦記を執筆し、翌年、将棋ペンクラブ大賞(観戦記部門賞)を受賞されています。

『挽歌』と『蝋涙』(1999年)で2度女流文学賞を、『海霧』(2002年)で第37回吉川英治文学賞を受賞されています。


2003年、北海道文化賞を受賞されます。

2009年10月20日、肺炎のため札幌市内の病院で逝去されました。


原田康子さんの著作


原田康子さんには以下の作品があります。


作品リスト
『挽歌』東都書房 1956 のち角川文庫、新潮文庫
『サビタの記憶』新潮社 1957 のち角川文庫、『サビタの記憶・廃園』1991 新潮文庫
『廃園』筑摩書房 1958 のち角川文庫
『輪唱』東都書房, 1958 のち角川文庫 
『いたずら』東都書房, 1960 のち集英社文庫
『病める丘』新潮社, 1960 のち文庫
『殺人者』中央公論社 1962 のち角川文庫、新潮文庫
『望郷』文芸春秋新社, 1964 のち文庫、角川文庫
『北の林』新潮社, 1968 のち文庫
『北国抄』読売新聞社 1973 のち角川文庫 
『虹』作品社 1979 のち集英社文庫
『日曜日の白い雲』講談社 1979 のち文庫、角川文庫 
『素直な容疑者』作品社 1980 のち講談社文庫、角川文庫  
『遠い森』作品社 1980 のち集英社文庫
『恋人たち』新潮社 1982 のち文庫 
『鳥のくる庭』講談社 1982 のち文庫 
『風の砦』新潮社 1983 のち文庫、講談社文庫 
『満月』朝日新聞社 1984 のち新潮文庫 
『星の岬』集英社 1985 のち文庫
『イースターの卵』朝日新聞社 1986 のち文庫
『窓辺の猫』講談社 1988 のち文庫
『はなれ駒あそび駒』講談社 1991 のち文庫
『聖母の鏡』新潮社 1997 のち文庫 
『蝋涙』講談社 1999 のち文庫 
『父の石楠花』新潮社 2000
『海霧』講談社 2002 のち文庫

原田康子さんについて書かれた本



「北海文学」の航跡 作家、原田康子「挽歌」のナビゲーション 永田秀郎 言海書房,2003.5.
原田康子の北海道 小説「挽歌」から50年 北海道立文学館, 2005.9.
原田康子 「挽歌」から「海霧」まで 北海道文学館編 北海道新聞社,2010.10.
「挽歌」物語 作家原田康子とその時代 盛厚三 釧路市教育委員会, 2011.10.釧路新書


めぐめぐがすごいと思う原田康子さんのこと


1人気作家となられた後もずっと北海道に住まれて地元を愛されたこと

2作品は映画化され、また外国語にも翻訳され日本の女性作家の一人として外国の日本文学でも名前が挙がる著名な作家となられたこと

3そして日本で今活躍する多くの女性作家に影響を与えられていること


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