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電動車椅子に乗っている日常

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もぐら会で書くエッセイをまとめるマガジンです。 ただの雑記とも言います。
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2021年3月の記事一覧

私が彼女を連れていく

ファンタジーと聞いて、最初に思い浮かんだのは、「ドラえもん」だった。とはいえ、私は小さい頃からドラえもんを観ていたわけではないため、秘密道具もそんなに数を知っている、ということもない。パッとイメージできるのは歌に出てくるタケコプター、どこでもドアとかタイムマシン、あと数個連想できたらいい方である。そのくらい見たことがない。

このテーマをもらったとき、ふと、今の私の生活を就職したてのときの私が知っ

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不自由な中で見つけた、私の自由

自由と聞いたとき、私には同時に不自由が思い浮かぶ。
車椅子で生活している私にとって、なにも気にすることなく、本当に自由に選べることはめったにない。私の自由にはいつだって条件が付いている。車椅子でも不自由なくアクセスができる立地だとか、建物のつくり、介助者がいなくても問題ないかどうかなどなど。そういう類のことを気にするのは私にとってはもはや日常で、そういう確認を取ることも当たり前だ。
時々面倒になっ

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電動車いすに乗って生活する私が「一人暮らし」を見つけるまで

私は12月初旬に生まれて初めての一人暮らしを始めたばかりだ。電動車椅子で生活しているため、家事援助や身体介護など、ヘルパーさんを毎日夜に2時間頼みながら生活している。初めてに囲まれた暮らしはとても楽しい。当たり前だが、ヘルパーさんを頼んでいる時間帯以外はすべて一人の時間である。今まで実家や施設にいて、人と過ごしている状態が当たり前だった私にとってはそれだけでとても嬉しい。

でも、一人暮らしを始め

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