見出し画像

運のいい人、運の悪い人ー父ー

🍀 まるでドラマのような三代記
🍀 運のいい人、運の悪い人 もくじ


<1章> 薬草などの有用植物の販売 (4)


   山野で種子や実を探索

戦後の復興事業にカラマツ材などを販売しながら、父は八ヶ岳山麓に自生する植物を探索していました。
どんなものが必要とされているのか、植物の文献を調べ、山野を巡り、一方で販売先を収集していた様子が残されています。

昭和24年11月初版、昭和26年3月再版の「これからの薬草栽培と採取」(アヅミ書房)は熟読していたようで、今は触るのも気遣うくらい古くなっています。
セピア色でボロボロのページには、○印や当時の価格が記され、どれほど本気で採取し販売していたかが伺えます。

「これからの薬草栽培と採取」

取り扱った種子と販売先のメモ一覧によると、
「ヤマモモ種子」…岡山県果樹園農業協同組合 
「イタドリ種子」…国営白山林道/播種用特注
「アカマツ種子」「スギ種子」「ヒノキ種子」
「ヨモギ種子」「ハギ、ススキ種子」
「ハンノキ種子」
「ハシバミの実」…洋菓子用
「カラマツ3年苗」…植林用
後に、
「野バラの実」…坂田種苗/牧場の柵用にアメリカ輸出特注

附編に全国生薬業者一覧表があり、約180名の名前と連絡先が「買い取り先」として載っていて、コンタクトを取っていた様子が残されています。

特注のヤマモモ種子は、買い付け資金を預かって採取したメモもあり、かなり優遇された取引で八ヶ岳山麓の地元の方々に採取を委託することもあったようです。
種子の販売は、その後も特注依頼があると入手できる現場を探しては請け負っていましたので、数十年細々と続いていたと思います。
気になるのは「ハンノキ」です。
調べてみると、用途も成分も魅力がありそうで、荒廃地の復旧対策にも役立ち、これから注目したい樹木です。


  👉 野辺山生薬研究所 設立

 


    

















    

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?