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鈴蘭

テレビで、幸せホルモンとも呼ばれている”オキシトシン”について調査する番組が放送されていた。買い物に来た夫婦やカップルや友達同士を5分間ハグさせて、ハグする前と後での唾液中の”オキシトシン”の量を量ると言うものだった。

ハグさせる、という内容からして去年あたりの企画撮影(もしくは再放送)なんだろうなと察している自分がいた。他の番組なんかでは「これは○月○日に撮影したものです」とテロップが入っていたりもした。


SNSで某有名外科医が、人のいないコメダ珈琲に訪れた様子を投稿したところ、「テイクアウトにするべきだ」「テーブルにどれだけウイルスがいると思ってるんだ」などと批判のコメントが書かれたとか。『コメダ珈琲には誰もいなかった』『コメダ珈琲はテーブルのアルコール消毒なども徹底されている』などといった情報を投稿時に注意書きしなければいけないのか。

最近は、どこに行った何をしたといった投稿をすることに難しさを感じる人も多いのではないか。

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数日前、スーパーに買い物に行く途中のこと。同じくスーパーに買い物に行く途中であろう中年の女性が道端の草を見て笑っていた。

何かと思って覗いてみたら、白くて小ぶりのかわいい鈴蘭が咲いていた。

「すずらんですね。」と笑いかけたら、

「すずらんですね。」と中年の女性も笑い返してくれて。

…という日常の何気ない、ごく普通のエピソードを書こうと思ったのだけれども。

注意書きとして『お互いマスクをしていたので、目元だけで笑い合いました』とか、『ソーシャルディスタンスをとっての会話でした』なんてことを書かなきゃいけない気がして、なんだかなぁと思った。

有名人がこんな日常を綴ったら「万が一のこともあるので、不要不急な話題では話しかけないでください」なんてリプがつくのかな。フィクションってことで書けば疑問に思われないかな、とかね。日常を自由に綴れなくなってしまったら、世の中に小説家が増えるのかな。

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