#04 矢作先生と量子力学との出会い
二度目の施術の際に約束した二つの約束が 実現したが、相変わらず山口は一向に部屋を 出て行く素振りもなく、彼女と衝突するたび に、自分の体力と気力が奪われていくという 繰り返しで、どんどん私の方が疲弊し、抵抗する力を失っていった。
昼間仕事をしている私と昼間何もしておら ず、充分睡眠をとっている山口との深夜、明け方まで続く、戦いの結果は明らかだった。本当にも底なし沼に足を取られ、もがけば もがくほど沈んでいく、そんな感じだった。
こうして、1K7畳、狭い狭い一室での苦悩