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読書とわたし

読書に関して、わたしはちょっとしたマイルールを設けています。それは、

①自分が興味のあるテーマについて書かれている/好きだと思う要素がある
②(物語の場合)登場人物の中に、自分と何らかの共通項がある人物がいる
③好きな作家さんの作品である

「これらの条件の、どれにも全く当てはまらない本を読むのは時間の無駄。身体に悪い。速攻読むのをやめるべし!」というものです。無理をするのは好きじゃないし、基本的に読書なんて娯楽でしょ、と思っているので楽しめない時間があるなんて許せないのです。

ただ、難儀なのは、

・「③好きな作家の作品」であるから読み始めたけど、読みながら「あれ……? どうやら①にも②にもあてはまらないぞ……」とうっすら気づきつつ惰性で読んでしまうパターン(そして具合わるくなる)

・「①自分が興味のあるテーマについて書かれている」と思って読み始めたけれど、なんかおもしろくないぞ……? え、興味あると思ってたけど、私あんまり興味なかったのかな……?(自分の興味を疑いはじめる)とうっすら気づきつつ惰性で読んでしまうパターン(そして具合わるくなる)

というような場合です。後者の場合は、単に、難易度や文章とのマッチングが悪かっただけという場合があるので、同様のテーマを扱っている別の書籍を数冊読んでみてからでないとなんともいえないところですね、と思っています。

本を読む、ということに関して抱くイメージや、読む本の選定基準は、おそらく人によって全然違うのだろうな、ということを、時々思います。

わたしはどうやら文章を読むのが好きであるらしい、と気が付いたのは幼稚園のころ。小学生になってからは、子ども向けの本があまりにも子どもに向けて書かれすぎていることに飽き始め、そこらへんにある大人むけの本や雑誌などを読み漁っていた記憶があります。

小学校3年のころ、学校の通信簿(通知表?)の、「興味・関心」欄で、読書への興味関心欄に△(もう少しがんばりましょう)がつけられていたことがありました。

それを見てわたしの母が「??(ほかの項目が全部△だったとしても、この子の読書への興味関心欄だけは◎でしょう……)」と思ったらしく、家庭訪問のときに「恐れ入りますが、通知表の『読書への興味関心』が△なのはどうしてでしょうか?」と、当時の担任の先生に聞いたそうです。

そしたら先生が「ああ……、めぐみちゃんは、図書室の本を、あんまり借りていないようだったので」と答えたので「なんだそれ」と思ったという母から、「いかにこの子(=わたし)が本を読むことと言葉に興味があるかって話を強めに先生にアピールしておいた」と、後から聞かされました。笑

とはいえ、たくさん冊数を読んでいる子がえらいとか、多読であるに越したことはない、という風潮が、一部の界隈では存在しているんだなー、と、その時子ども心に思ったのを覚えています。

むかし、会社の昼休みに小説を読んでいたら、同僚に「何よんでるの、小説?」「小説ってなんのために読むの、仕事とか生活の役にたたないじゃん」と言われたこともあります。

そのときのわたしは超いらついて「なんだこいつ」「かわいそうなやつ……(憐みの目線を送るわたし)」としか思わなかったのですが、いまは、すこしだけ彼の気持ちがわかる気がします。生活と、読書を、両立させるのってけっこう難儀なことだな、と思うので。

(ちなみにこの知人はいまでも友人ですが、当時はまあちょっといろいろ模索したりイキってたりしたんでしょう……)

わたしは、本の世界に没頭してしまうと、特に物語作品の場合しばらく物語の世界から出てこられなくなってしまいます。

別世界へいざなわれてしまうと、生活があからさまにおろそかになったり、食事をとるのをわすれたりします。なんといっても、物語を読むことは、異世界へワープする行為ですからね。戻ってこられなくなってしまう。そういう意味で、短編小説というものは本当にありがたいのです。

生活をきちんと営みながら、精神や身体を健やかに保ちながら、読書をたのしむためのバランスというものについて、ずっと模索しているように思います。

いつか、「個人の本屋さん」(わたしが好きな本を、求めているひとにマッチングさせる、わたしによるわたしが好きな本だけを並べる本屋さん)みたいなことをやってみたいなー、という願望がうっすらとあります。

ブログやnoteなどで時々好きな本の感想を書いたりしているのは、おそらくそういう願望のあらわれです。

いまのところ単なる自己満足にすぎないので、もう少し「届けられる」とよいのかなー、ということを、さいきん、漠然と考えています。とりあえず本の感想、もうすこしコンスタントに愛をこめて書いていけたらいいなと思います。

「へえー」とか「読んでみようかな」とか思うかたが現れたり、「ああーそんなのあったなーなつかしい」と、かつて読んだ方が再読するきっかけになれば本望。

むかしTSUTAYAでバイトしていたとき、「スタッフおすすめコーナー」の、わたしが書いた紹介文をみてビデオ映画借りていってくれるお客さんが数人でもいらっしゃったとき、うれしかったなー、といった気持ちが原点かもしれませんな。



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