2016年9月20日、パリに住む友人のおかげで、ノートルダム寺院を訪れる機会に恵まれた。その荘厳な姿に圧倒され、歴史の重みを感じたことを今でも鮮明に覚えている。しかし、時間の都合上、じっくりと見学することができず、それが心残りだった。
寺院内は、世界中から集まった観光客で賑わっていた。静寂の中に響く人々の声が、歴史ある空間に不思議な調和を生み出していた。まさか、その数年後に大規模な火災に見舞われるとは、当時の私には想像もできなかった。
2019年の大火災のニュースを聞いた時は、本当に心が痛んだ。あの荘厳な尖塔や、美しいステンドグラスが失われてしまったことに、深い悲しみを感じた。世界中の人々が、この歴史的な建造物の損失を嘆き、復興を願ったことだろう。
パリ五輪開催に間に合わなかったことは残念だが、2024年12月8日の再開に向けて、修復作業が進められているという。再び、あの荘厳な姿と歴史に触れることができる日が来ると思うと、今から楽しみでならない。
次回は、時間に追われることなく、じっくりと寺院内を探検したい。
ステンドグラスから差し込む光、石造りの壁に刻まれた歴史の痕跡、そして、静寂の中に響くパイプオルガンの音色。五感を研ぎ澄ませ、ノートルダム寺院の全てを体感したい。
あの日の、あの場所での出会いが、私の中に特別な思いとして今も生き続けている。再び訪れるその日まで、ノートルダム寺院の復活を心から願い続けている。