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ぼくらの夏休み2022と長野観光の旅行記 with発達障害児兄弟#1

イベントの前日である8月19日。14時20分に我が家を出発した。

突然の変更が受け入れ難い我が子たちなので、もしかしたらホテルの夕食に間に合わないかもしれないことは前もって伝えておいた。発達障害をもつ彼らとずっと接してきたので、先に話すのはもう無意識レベルのことだ。とは言え、私にも予想外なことが起きるのがお出かけ。癇癪も覚悟して、心の準備もばっちりで出発したつもりだった。

最寄り駅から地下鉄に乗り、西梅田(大阪)からJRに乗り換えて三ノ宮。そして、ポートライナーで神戸空港へ。この電車旅だけで1時間以上かかる上に西梅田の時点で初見。地図を見ても迷子になるのが得意だが、文字やマークを探すことも得意なので割と知らないところでも、乗り換えには強いと勝手に思っている。困るのはトイレのマークが現在地から見つからない時くらいだ。

そんなトイレで、自分のポンコツさに気付いた。子どもたちの着替えを多めにして、けれど荷物は減らしたくて私のボトムは3日間同じでいいやと選んで着て行ったのがオーバーオール。しかも、後ろで結ぶリボンまでついている。リボンをほどいて肩紐をおろして…と手間がかかるボトムを選んでしまった。

我が子たちは小学5年生と小学2年生。次男は年相応な側面もあるけれど、3歳くらいかなという部分もある。端的に言えば、勝手にどこかへ行く可能性がある。長男はもう勝手にどこかへ行かなくなったが、走り出す次男を円満に足止めすることは無理である。母ひとり、息子ふたり旅で心配になるのは男女分かれるトイレと温泉。子どもたちを待たせる時間が長くなるほどリスクがあがる。ボトム間違えた、絶対これじゃなかったと神戸空港のトイレの中で白目を剥いた私である。

前もって伝えることは大切だけれど、伝え方も大切だと思う。乗り換えで歩いて、乗り換えで歩いて、1時間以上かけてやっと神戸空港だよなんて正直にベラベラ話してしまうとブーイング間違い無しだ。歩いた分、次は少し長く座れるよだとか、あとどれくらいか聞かれても時間ではなく、あと何駅かでこたえるだとか。大阪のおばちゃんらしく、飴ちゃんを配りながら電車の旅は円満に終わり、空港での搭乗手続きやらも難なくこなして、子どもたちはとても嬉しそうに人生初の空の旅を楽しんでくれた。

初めての飛行機に、揃って目をまんまるにしていた。飛行機が苦手な私だけれど、ふたりの顔を見てすごく嬉しくなった。窓側の長男がかじりつくように窓に額をあてて景色を全力で楽しんでいて、それを見る私もほっこり。が、通路側の次男は長男の頭のせいで景色が見えないと不満な顔をしており、私が必死で窓の向こう側の写真を撮っては次男に見せ、次男の笑顔も堪能出来た。順調に進んだ空の旅。なぜだか次男は機内のトイレの後に満面の笑みで席に戻って来たが、何がそんなに良かったのかは謎だ。聞きたくない気持ちの方が大きい。

予想していた通り、信州まつもと空港は岡山空港と似ていた。離発着に間に合うようにバスが出ており、預けたスーツケースを受け取ってサクッとバスへ。空港からのバスは松本バスターミナル行き。だが、イベント会場そばのホテルへ行くために次は高速バスに乗る流れだった。松本市はゴールではなく、長野市がゴールなのだ。道にもよるだろうが「松本市から長野市 距離」で検索すると70km強。あれ?すげぇ遠いな…と思ったところでどうしようもないので予定していた高速バスを、松本バスターミナルで探した。

駅で目的の名称を探して矢印の通りに進むことは容易い。が、松本バスターミナルはポンコツの私には難易度★★★☆☆くらいに感じた。〇〇方面と表記されたところで、土地勘がないので方面って言われても分からない。そして、この高速バスこそがホテルの夕食に滑り込めるかの別れ道だったため、夕食も楽しみにしている子どもたちのために限られた時間内に目的のバスに乗る必要があった。

この時点でもちろん疲れていた子どもたち。バスターミナルと言えども、私の知っている中では小さなものだった。最初分からずに路線バスの方へ向かってしまったが、路線バスと高速バスの乗り場が別れていることに気付けたので、何とか予定していた高速バスを発見出来た。長野ICもとまってくれるバス。

信州まつもと空港から始まったバスの旅は、家族3人疲労困憊の中2時間以上バスに揺られる、高速バスという名のラスボスが控えていた。高速バスこそラスボスだと、その先に何が待っているかも知らず、予定していたバスに乗れたからホテルの夕食が時間は限られているけれど食べれるよ!と子どもたちに伝え、楽しみだねぇと呑気にはしゃいだ。



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