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私の原点2 ミュージカル レ ミゼラブル


ミュージカル レミゼとの出会い


1987年、レ ミゼラブルの日本初演の宣伝出演で、確か夜ヒットだったと思うのだけど、衣装をつけたキャストが総出でワン ディ モアを歌っているのを見て、当時はせいぜいロビンちゃん(島田歌穂さん)と斉藤由貴ちゃん見たさに、親に借金してチケットを購入しました。

(余談ですが、ロビンちゃんが遊園地で働いてるシーンで、回る自動車のアトラクションの上にある、動いている大きなボールの上で踊っていたところにロボットの先生がやって来て、上から飛んで降りてくるシーンが忘れられません。その映像、どこかで見かけたら是非ご一報ください…)

話を戻します。
レミゼラブルは中学で読破していたので、題材にも興味津々。

思えばその頃から仏文学寄りだったんですね、私。

私の推し

登場人物としての推しは、人生1ミリの狂いも許さないジャベールと、正義感の塊でイケメンでモテモテなのにわき目もくれずに革命まっしぐらな、アンジョルラス。どちらも、小説内でも大好きなキャラクターです。


舞台に関して言えば、その後何人もの名バルジャンは誕生しましたが、私の中では今でも加賀バルジャンがイチオシです。

とても良かった。

回る舞台にも衝撃を受けました。

20〜25周年位で演出が総入れ替えされていてガッカリしたけど、その後ロンドンでは元に戻っていました。今年の日本はどっちのバージョンなのでしょうね?

日本にいた頃は、毎シーズン全部のキャストで観ていました。

2回で済む時もあったし、複雑に入れ替わって何回も足を運んだ年もありました。

20周年?25周年だったかな?
既にジャベールで右に出る者なしな岡幸二郎さんが、かつての当たり役、アンジョルラスを演じられた時も、岡アンジョ見たさに帰国しました🤣

マリウスと手を取り合って笑ったシーンでは、さすがに私のジャベールが…と、そのギャップに衝撃を受けましたが。笑

岡さんのアンジョルラスは、なんといってもその初登場時の美貌と高身長で、ユゴー先生描く"アポロンの再来"である、イメージ通りのアンジョルラスが、とうとう!!と、本当に感動したのを覚えています。
(小説でもアンジョルラスが大好きなのです。ちなみにマリウスは…ダメ…w)

銃殺された後にバリケードに逆さになった時も、高身長なので迫力満点でした。


写真は、岡ジャベールから受け取った、バラの花。
カーテンコールでキャストが客席に向かってお花を投げてくれるんです。嬉しくて、ついドライにしてしまいました。笑

もう数え切れないほど観ているけど、印象に1番残っているのはやっぱり初演の、加賀バルジャンと歌穂ポニーヌ。
本田美奈子。ちゃんのスネた感じのエポニーヌも可愛かったですね。
美奈子ちゃんのファンチーヌ、観たかった…あの年の狙いキャラだったんです。残念です…

仏語版での衝撃と真実(?)


それまで、私にとってのレミゼと言ったらもちろん日本版と(何故か)ブロードウェイキャストのCDのみ。

フランスに渡って、CDデッキ(パソコンなんてなかった時代🤣)を手に入れて直ぐに購入したのが、レミゼ仏語バージョンのCDでした。

2種類あって、どちらが良いのか分からず両方購入。

そのうちの一枚は、ロンドン初演よりも5年も前の収録。
え?と思って調べて初めて、当初作られたのはフランスで、その後マッキントッシュさんの神眼に触れてロンドンでニューバージョンとして作りなおされたのが、日本にも入ったと知りました。

待てど暮らせどフランスでの再演は無い訳です。

仏人達が1番嫌いなパターン。
ガイジンが仏産の物を作り替えてヒットさせちゃうってヤツ。
実は映画でも結構あるんです。そう言う場合、仏人は「これはコピーだから観る価値ナシ」と、一掃してしまいます😆


何年も前、クロード=ミシェル・シェーンベルクの奥様がバレリーナでお仕事ご一緒した事があって、取りすがってフランス再演を直訴したんですけど、やっぱりダメでした🤣

CDに話を戻しますと、まずはそれまでの日英版とは全く違う印象で、何と言うか、仏文学に戻ってる的な?

全体がポエムなんです。

英語を日本語に訳す場合には、その言語が単語の違いから同じ内容には出来ないと言うか不自然になるからと、あえて違う言い回しにする事も多いですが(バルジャンの囚人番号が違っていたのが良い例ですよね。今世代には英語で歌って差し支えないでしょうが、当時はね…)、言っても英仏は近い単語も多いし、そこまでまるっと変える必要は、仏人のプライドが邪魔しなければ無かったと思うんですよね。

で、仏語版で1番違って聞こえる部分、暴力的ではない感じ。

革命のお話なんだから、暴力的でも何ら問題がなかったはずが、仏版を聞いてしまうと気になってくるから不思議です。

まず、台詞に多くユゴーの書いた通りの言い回しが使われているので、そりゃ詩的にもなりますよね。

そして、仏人曰く、「未だ王政のイギリスで、革命の真髄が語れるわけが無い、王政を受け入れて、憤りを持たない民族なんだから」と。

て、舞台一本に、そこまで!?笑

でもそう思って聴くと確かに、英語版とそれを訳した日本語版は、戦争に行くのと同じ感じの盛り上がりに対し、仏語版は、今でもあちこちで行われている、デモからの暴動からの革命、って言う盛り上がりの流れに沿っている感じがしますね。

大学で仏文学専攻している、日仏英語がネイティブな娘に一度聞いてみましたが、やはり同じように感じると言っていました。

フランスらしさ爆裂のCD、モガドール版(新バージョン)


さて、そんな仏版CDですが、中でマリウスが致命的な歌いミスをしています。

one day more (le grand jour)と言う楽曲の中で、イギリスに行ってしまうコゼットについて行くか、仲間とバリケードに行くか、葛藤をするシーンがあるんですけど、ここで
My place is here , I fight with you !
って決意するシーンで、
Ma place est là , auprès de TOI !って歌っちゃってるんです。
歌詞カードでは、auprès de vous 、つまり"君たちと共に"って書いてあるのに、歌っているのは二人称単数、つまりコゼットと共にって歌っちゃってる…ココロノコエかっ🤣

さすがアムールのお国の、ブルジョワパリジャン🤣🤣🤣

歌詞カードもtoiって書いてあったら、民衆を率いる自由の女神とか、何なら革命そのものを指すことも出来たんですけどね。
それはそれでアリではあった…のに…マリウスよ、ナゼ…

そして、それがそのままCDになって売り出されてる辺りが、なんともおフランスらしい🤣

せめて、歌詞カードを差し替えてあげてさえいれば、間違いとは気付かずに済んだものを。


まだまだ語り足りないレミゼ愛。

続きがあるかもしれません😆

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