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⑥ 山口小夜子さんとの出会い

フランスで舞台衣装家をしています、megumi です。

舞台衣装家をどのように志し、渡仏し、どんな舞台を手掛けて来たか。

思い出しつつゆっくりと綴っています。

前回までのあらすじ

モードの仕事関係で来たパリで舞台衣装家と出会い、天職に気付き、渡仏を決意。
インターンをしつつ、衣装家の国家資格取得の為、2年間学生に戻り、国家資格最終単位の課題の為のインターン先に、リヨン国立オペラ劇場の新作、3人姉妹のデザイナー、山口小夜子さんと出会うことになる。

山口小夜子さんは、日本が世界に誇るトップモデル。


当時の人気は凄かったです。


そんな小夜子さんとの初対面、もっと緊張するかと思っていましたが、仏生活で度胸がついていたのか?
小夜子さんがとても気さくな方だったからか?スムーズにスタート。

プロフィールでは、身長170cmってあったんですけど、実は私も170cmなんです。

並んで写真撮りましたが…同身長なんて信じられない!笑

なんて言うか…

私って、こんなにずんぐりむっくりだった⁇って、衝撃。笑

小夜子さんの作る衣装は、ごくシンプルなのに確実に小夜子ブランドでした。

オペラ・3人姉妹


3人姉妹は日本の古典芸能の要素が色濃く、と言っても日本人だから気付く要素も多々でしたが、まずは舞台に上がるのは、3人姉妹なのに男性のみ。

その、男性の高身長を生かしたシンプルなドレス、とても勉強になりました。

兵隊の衣装にはペイント、その他の登場人物の衣装は和紙で作られました。

シンプルな中のこだわり。
全てが美しかったです。

ずっと後になって、演出の天児さんと話していた時、
「自分が舞台でどう振舞ったら魅力的に見えるか、知ってるんだよ。だから小夜子に衣装を任せたんだ」
と言っていました。

もちろん、全ての衣装家が舞台に上がる経験をする事は出来ないし、舞台に立っていたからと言って衣装が出来る様になる訳でもないけど、つまり、自分の強みを見つけ伸ばしてアピールしていくべきだと知りました。


その後の衣装家人生において、演者さんの魅力を引き出して、魅せる事は出来ているか⁇は、小夜子さんが私に残してくれた、大切なテーマです。


小夜子さんが早くに旅立たれたのは、本当に残念でなりません…


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