東京都美術館 マティス展

貴重な平日の午後の休み、上野公園の東京都美術館へ。マティス展をやっている。マティスといえば、カラフルな色遣いとか、切り絵のポスターみたいな作品をイメージしながら、出かけた。

会場に人はそれなりに入っているけど、ストレスになるような混み具合ではなくて、安心。あまり深いこと考えず、ぼーっと眺めることにする。
絵だけではなく、ブロンズ像もある。同じ題材でいくつか作られているもの。何を変えてるのかなぁと眺めてみる。

絵のほうは点描でかかれたもの、ボンヤリした輪郭のはっきりしないもの、逆にきっちり輪郭や線を黒い線で描いたもの、様々だった。カラフルなものはもちろん、木炭だけで描かれたモノクロな絵も素敵だと思った。写真撮影OKなエリアもあった。

旅先で買い求めたいろいろなものを絵の題材にもしたという。この絵のテーブルの脚とか花瓶とか、植物とか、とにかく良いと感じたものを全部載せしているのだろう。床の上にあるのは毛皮の敷物かな。犬や猫に見えなくもないけど。

アンリ・マティス「赤の大きな室内」
ポンピドゥー・センター 国立近代美術館蔵

壺とか水差ボトル?とか、素敵なデザインのものを記録しておいたよ、みたいな。手前の法螺貝?はなぜこれがここに?とも思うけど、人造のものと天然の産物と…という対比にも見えて面白い。、

アンリ・マティス「マグノリアのある静物」
ポンピドゥー・センター 国立近代美術館蔵

後半にはお馴染みのJazzのシリーズも出ていた。切り絵の不思議なモチーフは海藻や海綿から取られていたのか、とも気づく。

最後は南仏・ヴァンスのロザリオ礼拝堂の4K映像が見られる。朝・昼・晩と違う表情、壁画やステンドグラス、蝋燭に当たる光まで計算されている。
旅行に出かけた気分になれて、心が落ち着く映像だった。

年譜を見ていると、マティスがルノワールを訪ねて一緒に撮影している写真があった。同じ時代に生きて幸せ、という声が聞こえてきそう。世界から注文を受けたり、美術館で展覧会ができたり、生きていた時から評価されて、画家としては幸せだったのだろうなどと考えながら会場をあとにした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?