バレンタインデーの思い出
若い方達は、気になる相手にチョコを渡せたのかな?
今は友だち同士に渡すだけなのかな?
スーパーの一角に設けられたバレンタインデーでキャッキャッ賑わっている十代の女の子たちを見ていると、「あぁ……そんなときもあったなぁ~」と遠い目をするわたし。
偶然にも仕事も休み。
若いころは、バレンタインの1週間前から試作品を作り、家族に毒味……(ゴホン)味見をしてもらい、評価が高かったチョコを使ったお菓子を、意中の彼に手渡しするのが毎年の恒例行事だった。
いつからかな。バレンタインにお菓子を作るのが面倒くさくなってきたのは……。
作るのは嫌いじゃない。準備して、計画を実行して形作る。シミレーションゲームみたいで面白い。なにが気にくわないって、丹精こめて作ったお菓子が、あっという間に食い尽くされて、さらに追加注文が翌月のしばらく続くホワイトデーまで続く。
いつだったか。3つの材料で作れるチョコパウンドケーキをプレゼントしたら、当時の彼に気に入ってもらえて、会うたびにチョコパウンドケーキを所望された。材料費も安いし、作る時間もかからないので渡していたら、彼がまん丸に成長してたなぁ(遠い目)。
見返りは求めているつもりはない。材料費よこせとは言わん。せめて味わって食べろ!
スーパーの入り口で買い物カゴを手に取り、ふと見渡した視線の先に、嬉々とした目でお菓子を抱えて、こちらに近づいてくる大男。
……すまんな。ダメな彼女で……
わたしが持つカゴに、ジュースやチョコ菓子を入れて行く無邪気な彼。
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