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なんで株価が1,000円も下がったの?~アメリカは今どうなっているの?(後半)~

こんばんは、FPむーです。

日経平均株価が2日で1,000円以上も下がりました。
その背景にはアメリカ株の下落がありました。
じゃぁ、なんでアメリカ株が下がったのか?

っていう話の後半です。


Q.なんでアメリカ株が下がったの?

A.イエレン財務長官が、「アメリカの財政支出計画は金利の上昇をもたらす可能性が高い」とコメントし、そのコメントが独り歩きしたから。

あ!ここで画面を閉じないで。
これを分かりやすく解説していくから。
この記事を最後まで読めば、上記の意味が分かるようになるから!是非ゆったりまったりしながら読んでください。足を崩して。お茶でも飲みながら。


前回、「アメリカの財政支出計画」について話しました。

このような財政支出計画に対して、イエレンさんは「金利の上昇をもたらす可能性が高い」とコメント。

これはどういう意味か?
イエレンさんがこのコメントしたら、なんでマーケットは動揺し、株価が下がったのか?

まずは、イエレンさんの発言にある「金利の上昇をもたらす可能性が高い」について、紐といていきましょう。

◆金利の上昇って何?

そもそもね、金利って色んな種類があるんだけど、マーケットで重要な金利は2種類ある。
政策金利と長期金利。

政策金利は、FRB(アメリカの日銀みたいなもん)が決める。失業率の数字や就業者数、景気指数を見ながら、政策金利を調整するの。「景気の数字がいいからそろそろ上げようか?」「いや、まだだ。今金利をあげたら、景気によくない。もうちょっと低金利にしておこう。」みたいな感じで。

長期金利は、10年ものの金利。これは、マーケットによって決まるので、どこかの組織が決められるものじゃない。

でね、この長期金利、アメリカでは最近上がってきてたのよ。一時期0.5%台まで下がっていたんだけど、2020年後半ぐらいからジワジワ上がってきてて、今や1.6%台まで上がった。

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(画像はSBI証券より)


ちなみに日本の長期金利もジワジワ動いていますが、まだ0.08%です。

画像2

(画像はSBI証券より)


◆2021年のマーケットキーワードはアメリカの金利!


でね、金利って超重要なの!!
2021年のマーケットキーワードは、アメリカの金利だと私は思っている。

アメリカの長期金利は上がっているんだけど、金利上昇には、良い金利上昇と悪い金利上昇がある。

良い金利上昇はこんな感じ。
経済活動が活発
→自然に物価も上がっていく
→景気がまわっていく
→長期金利も上昇
つまり、金利上昇の背景は、好景気ってこと。

逆に、悪い金利上昇はこんな感じ。
経済そんなに活発じゃない
→なのに、物価だけが上がっている(インフレ)
→長期金利も上昇しちゃう

悪い金利上昇は、マーケットにとってマイナスです。


でね、この金利を踏まえた上で、
なんで、バイデンさんの財政支出計画に対して、イエレンさんは「金利の上昇をもたらす可能性が高い」とコメントしたのか?

バイデンさんの財政計画、めっちゃ大規模じゃないですか。既に200兆円の計画は進行しており、さらに次の2つの400兆円も含めれば、600兆円。本来の需要以上に供給してしまうと、当然ながらインフレが進みます。このへんのサジ加減がホント難しいところなんですけどね。この状態のままインフレが進んじゃうと、金利上昇しちゃうかも。という構図なのです。


とは言え、イエレンさんは、バイデンさんの財政支出計画に反対しているわけではありません。「米経済が高い競争力と生産力を維持する上で必要な投資であり、それにより米経済の成長は加速すると考えている」とも発言しています。

しかも、金利が上昇したとしても経済にとって最終的にはプラスになると強調。


だけどマーケットは、「イエレンさんが金利のこと発言した!金利上昇するかもだって?金利上昇したら株価下がるじゃーん!ヤバヤバ。」って動揺しちゃったわけ。

これが、冒頭の経緯なのです。

ということで、


Q.なんでアメリカ株が下がったの?
A.イエレン財務長官が、「アメリカの財政支出計画は金利の上昇をもたらす可能性が高い」とコメントし、そのコメントが独り歩きしたから。

の意味が分かりましたか?


ちなみに、アルファベット(グーグルなどのサービス提供している会社ね)やフェイスブックの株価も下落。アメリカのシティグループが両社の株式投資判断を「買い」から「ニュートラル」に引き下げたりしています。


◇◆◇


これからどうなるかな。

投資の神様と呼ばれているバフェット氏は、5月1日にこう言いました。

最近急増した個人投資家による投機的な株取引について、「多くの人が『カジノ』にいる」と警鐘を鳴らした。投機的な短期売買でも「宝くじよりは、利益が出る確率が高い」が、長期保有する方が良い結果が出ると指摘。シンデレラの物語に例え、「いつ時計が12時になり、すべてがカボチャとネズミに変わるのかは誰も教えてくれない」と相場急変などのリスクを警告した。
Yahooニュースより引用)


こんな時こそ、投機じゃなくて投資。
いつ相場急変するか分からない今こそ、投資の基本に立ち返って、「ファンダメンタルズ重視」「分散投資」「長期で応援したい企業に投資する」あたりを意識していきたいと思います。


「なるほど!分かりやすかった!」って思った方は、ぜひ反応をもらえると嬉しいです!!記事を書く一番のモチベーションは、みなさまからの反応なのです!!


(2527字)


◇◆◇


ここからは、ただのメモ。
アメリカ以外の国の状況を知りたい方は、サクっとどうぞ。

◆イギリスでは、2021年の経済成長率見通しを、+5.0%→+7.25%へ引き上げ。ベイリー総裁が一部資産の購入ペースを減速すると発言したから、そろそろ出口戦略が意識されそう。
◆香港株は堅調。4月のPMIは市場予想を大きく上回った。
◆オーストラリアは、政策金利を0.1%に据え置いたままだけど、2021年の経済成長率見通しを+3.5%→+4.75%に上方修正。
◆トルコは、4月CPIが前年比+17.4%と伸びが加速。
◆インドでは、コロナの感染者・死者数が連日で過去最悪を記録する中で、2021年の経済成長率の見通しが、+12.5%へ上方修正(IMF4月)。

ありがとうございます!サポートとても嬉しいです。いただいたサポートで、娘に絵本を買っています。