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現役銀行員が解説!なんでお小遣いを減らすことを事前告知するの?~アメリカの金融政策について~前編

8月の日本株、弱かったですよね。

でも9月に入り、あれよあれよと言われる間に、難しいと言われていた3万円台を突破。実際の株価を見てみましょう。

<日経平均株価の推移>
8月31日 28,089円
9月 8日 30,181円(3万円台に突破した日)
9月14日 30,670円(今のところの9月最高値)
9月24日 30,248円

9月は8月までと比べて上がりました。
8月の日本株が弱かった理由は2点。
「ワクチン接種率の遅れ」「政治の不安定さ」だと、日経xwomanの記事には書かれてあります。


そして、9月に日本株が上がった理由は…まさに8月と逆の2点。
「ワクチン接種率の想定以上の速さ」「政治に対する期待感」です。

8月には、発足後最悪の20%台まで下がっていた菅内閣の支持率も、いまや新政権への期待感が高まっています。その後、中国の恒大集団の影響を受けて株価が下がりましたが、一時的であるという見方が強いのが現状です。


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では、アメリカはどうでしょうか。

アメリカと言えば。9月24日の日経新聞朝刊1面に

「FRBが量的緩和の縮小開始を11月にも決めると表明、2022年末までに利上げする可能性も視野に入れる」

という記事がありました。

めちゃくちゃ簡単に言うと、

「毎月1200億ドルのお小遣いを、早ければ11月に減らすで。来年の年末に金利も上げるで」

っていう事前告知です。


ここにアメリカの金融の歴史が詰まっていると言っても過言ではないので、今日はここの部分について、小学生でも分かるように説明していきますので、ここで画面を閉じないで、是非最後まで読んでください!笑


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◆FRBって何?

まず、FRBって何かって?アメリカの日銀みたいなもん。お金の供給量や金利などを決めてるとこ。

◆量的緩和とは?

そして、「量的緩和」とは、どういうことか。量的緩和とは、金融緩和の方法の1つです。じゃぁ、金融緩和って?金融を緩和することです(そのままやん)。水道の蛇口をゆるめるイメージ。逆に、金融引き締めは、水道の蛇口を閉めていくイメージ。金融緩和をすることによって、たくさんのお金がマーケットに出回り、経済が活性化する、という仕組みです。教科書的には。

さて、金融緩和には、2つの方法があります。

◆1◆量的緩和
=お金を発行しまくって、じゃぶじゃぶ流す
◆2◆利下げ
=政策金利を下げる
=お金を借りやすくなるand預けても金利低いから、消費や投資に回りやすくなる

事実、リーマンショック後の2008年11月から、アメリカは量的緩和を実施しました。QE1とかQE2とか、覚えているでしょうか?

QE1=量的緩和第1弾、1兆7250億ドル、
QE2=第2弾、6000億ドル、
QE3=第3弾、月400億ドル、
のお金をじゃぶじゃぶ流したんです。

月400億ドルって、日本円にすると、毎月4兆円ですよ!
毎月4兆円のお金をじゃぶじゃぶ流したんです。

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緩和政策をしたことによって、アメリカの株上がりました。アメリカ経済はイケイケ。もう緩和せんでええやん。通常に戻せばええやん。

ってことで、FRBは行動を起こしました。
まず1つ目。
2014年10月、量的緩和第3弾を終了。

そして2つ目。
利下げをやめて、ちょっとして、利上げを始めました。めっちゃ政策金利を下げてたからね。もとに戻していったの、少しずつ。

この「ちょっとずつ」上げていくっていうのが、手腕の問われるところ。上げる幅とか、上げるタイミングとか、めっちゃ重要。景気がイマイチの時にあげたら、すぐに景気悪くなる。

まぁでも、まぁまぁ上手くいい感じで金利を上げていきまして、アメリカ経済はイケイケな状態が続いていたわけです。

どのぐらいイケイケ状態が続いているかと言うと、2019年7月にイケイケ11年目に突入しました。これは、過去最長!!失業率も3%台後半と、49年ぶりの良い水準!!めっちゃイケイケやん。当時のアメリカの金利は2.25%まで上げていました。

2019年までイケイケだったアメリカも、みなさんご存知のコロナショックの影響を大きく受けました。では、コロナショックの影響を受けて大幅に下がった株価や市場を元に戻すために、アメリカはどのような金融政策をしたのでしょうか?長くなってきたので、続きは来週月曜日に。


日経xwomanテラスにも書いています。
アンバサダーやってます。
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