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今話題の、投資についての本を2冊、読み比べしてみました~大人の読書感想文vol.31~

「オレ、とうとうiDeCo満額にしてん!」

マクドナルドで隣のテーブルの会話が聞こえてきました。
土曜日の昼下がり、社会人数年目っぽい男性2人組の会話。

彼らはしばらくそこから、iDeCoや投資について語っていました。

そんなiDeCo、
掛け金を出せる期間が、65歳未満→70歳未満にと、5年延長されるというニュースが、本日の日経新聞朝刊一面に出ていました。


投資といえば、
日経平均もサクっと40,000円をこえました。
本当にサクっとでした。

なんだったんだ、この34年は、
というぐらい、
サクっと超えました。

過去の最高値は、38,915円87銭、
この数字をつけたのが、1989(平成元)年12月29日。

この数字を超えるのに、平成まるまるを経て、
2024(令和6)年2月22日にてやっと超えた日経平均。

日経平均としてはまさに、「平成は失われた30年」でした。


さて、そんな中。
冒頭のiDeCoの会話といい、
日経平均が過去最高値を更新したことといい、
投資してみようかなというムードをヒシヒシと感じています。

そんな時に、こんな文章に出会いました。

「株式投資が国民に普及するために最も必要なのは、株価上昇と言われています。この10年あまりで、その環境が整ってきました。」

本当にその通り。

そして、投資に興味を持ってくれた方々へ、
本日は2冊の本をご紹介します。

いきなりビットコイン始めようとしないで。
気になる株をいきなりバーンと数百万円単位で買わないで。


「投資に少し関心を持った方が、気軽に、健全に、楽しく投資に入っていけるようご案内します。」

という言葉から始まる本、それは
後藤達也さんの『転換の時代を生き抜く投資の教科書』。
Amazonの書籍総合で1位にランクインした話題の書です。
まさに「投資の教科書」というべき本でした。


そして、ほぼ同時並行で藤野英人さんの『「日経平均10万円」時代が来る!』も読みました。
日経平均が4万円台になった今、まさに気になる題名です。

とても良かったです。既に4刷が決まっているそうです。一言で言うと、インフレ下の「格差拡大」を乗り越えるための、思考法と投資術が載っています。


投資についてのこの2つの本を同時並行で読みました。
ちなみに、同じ分野の本を一気に読む方法は、その分野の理解度が一気に上がるので、オススメです!

前置きが長くなりましたが、今日はこの2冊を比較しながらご紹介していきます。


◆こんな人にオススメ

●『転換の時代を生き抜く投資の教科書』

・ちょっと投資に興味があるけれど、あまりよく分かっていないから不安で、投資の第一歩が踏み出せない人

・ある程度投資の世界に足を踏み入れているけれど、意外と根本的な「そもそも株って何よ?」みたいなこと学んでこなかったなー、この機会に一度「そもそも〇〇って何よ?」を学びたいなーという人

・まずは投資を身近に感じてみたい人



『「日経平均10万円」時代が来る!』

・積立投資などは始めていて少し投資の世界に足を踏み入れているものの、これからどうしようかなと思っている人

・日本を応援したいので日本株に興味があるが、どういう視点で選べばいいか迷っている人

・個別企業投資に興味がある人



◆話題の2つの書の中で共通して書かれていたこと

後藤達也さんの『投資の教科書』と、
藤野英人さんの『「日経平均10万円」時代が来る!』、
どちらにも共通して書かれていた点がありました。

・投資の意義は資産形成だけでない、教養・センスにもなる

・日本株のイメージが上がった

・若いころからの投資経験は生涯の資産形成の武器になる

積立×少額×時間分散(王道!)

後藤達也さん『投資の教科書』より


・投資はウェルビーイングと結びついている、「世の中をよくして明るい未来をつくること」が投資の社会的意義

・日本企業が本質的に変わり始めた(ため、長期で見れば日本株は上昇すると見ている)

・これから投資を始める人には、「小さく(少額から)、ゆっくり、長く」という3つの原則を大切にしていくことをお勧めしている

藤野英人さん『「日経平均10万円」時代が来る!』より


また、どちらも

・「バランスシートには載らない人的資本」について言及していた

・「ROE(自己資本比率)の重要性」に言及していた

ことも非常に印象的でした。
私もこれからROEについてもう少しアンテナはろう。

◆2つの本の違いから、読む順番を考える

後藤達也さん『投資の教科書』は、「ザ・王道!」「教科書!」って感じです。

「そもそも株価って何?なにで動くの?」
「決算書では何を見ればいい?」
「投資を始める時の基本的な流れは?」


ということが書かれています。

投資初心者のステップとしては、
1.NISAを活用した投資信託の積み立てをし、まずは投資を身近に感じる
2.日本やアメリカの個別企業を買い、投資の醍醐味を感じる
です。

それに比べて、藤野英人さん『「日経平均10万円」時代が来る!』は、

「取り巻く経済環境が変わったよ」
「いかに日本株が魅力的か」
「日本の未来をみんなで考えようぜ!」


ということがメインで書かれてあります。

なので、投資初心者のステップとしては、後藤達也さんの『投資の教科書』を読んでから、藤野英人さんの『「日経平均10万円」時代が来る!』を読むといいかもしれません。

ただ、個別企業名や具体的なシーンが多く載っていているという点で読みやすいのは、藤野英人さんの『「日経平均10万円」時代が来る!』でした。

やっぱり具体的な企業の話にあると「うんうん、あそこの会社ってそうだよねー」とか、「へぇ、この会社そうなんだ。ちょっと調べてみよう。お!株価の動き面白いな。ちょっとIR情報も見てみよう。」となりやすいんですよね。


では個別に、それぞれの本のオススメポイントをご紹介します。

◆おすすめポイントと感想

後藤達也さん『転換の時代を生き抜く投資の教科書』

『転換の時代を生き抜く投資の教科書』

①「そもそも株って、会社って、決算って?」という根本的なことが分かりやすく載っている。

②株価はなにで動くのか、株価を見る「虫の目」「鳥の目」「魚の目」がわかりやすい。

③後藤さん自身の投資のきっかけの話が面白かった。

<追加の感想>
「あなたは、ジブリの企業価値はいくらだと考えますか?」
「どれぐらいのPER、PBRだと株を買いたくなりますか?」

今これを読んでみるあなたも、考えてみて下さい。そして続きが気になる人は、是非本を読んでみてください!

藤野英人さん『「日経平均10万円」時代が来る!』

藤野英人さん『「日経平均10万円」時代が来る!』

①「10年後」のために今仕込む銘柄・その理由が載っていた。運用会社の最高責任者が書いた本で、具体的な銘柄が載っているとは思わなかったので驚き。「ネクストジャパン」ど真ん中として注目したい四羽ガラスも非常に興味深かった。

②「10万円」の3つの根拠や、「日本を魅力化する企業を発見し応援していく」に共感。

③「日経平均は上がるしかないが、日経平均10万円の世界が幸せとは限らない」にドキッとした。

<超個人的な感想>
この本では冒頭で「伊藤レポート」について書いていたのが、とても印象的でした。まさに1年前の今頃、内部監査部に配属中に調べていたど真ん中の分野だったからです。

「伊藤レポート」
「スチュワードシップ・コード」
「コーポレートガバナンス・コード」

は、当時私が個人的に調べまくったものでした。
これらを藤野さんが「新・3本の矢」と名付け、上場企業と株式市場に本格的な改革を起こし始めていると考えていらっしゃとは!
まさか投資のこの世界とガバナンスが結びつくとは!
これだから新しい分野(私にとって、ガバナンスの勉強は新しい分野でした)の勉強は楽しんだよなぁ。
思わぬところで点と点が結びついて面になりました。この瞬間が好きです。

◆最後に

投資ってとっつきにくい印象がまだ日本では強いと思うのですが、
いざ投資を始めてみると、あらゆるものの関心度が上がるんですよね。
本当に。

だって、株でも投資信託でも、自分の資産が減ったら、「なんで減ったのかな?」って疑問に思うじゃないですか。ちょっと調べてみようかなって思うじゃないですか。

逆に自分の資産が増えたら「なんで増えたのかな?その原因によっては、追加で投資しようかな?」って思うじゃないですか。ちょっと調べてみようかなって思うじゃないですか。

これを続けてくると、自然に社会へのアンテナがたつようになります。

そう、社会の色んな物事の解像度が上がります。
すると、人生がより楽しくなる。

こんな好循環が生まれます。



そして、
日経新聞を読むのが趣味、みたいな、私のような人間が生まれます(笑)

ぜひ、この2冊の本を読んで、
行動してみください!

最後にもう一度載せておきますね。

投資初心者のステップとしては、

1.NISAを活用した投資信託の積み立てをし、まずは投資を身近に感じる

2.日本やアメリカの個別企業を買い、投資の醍醐味を感じる

です。

自分が勤めている銀行でのNISA積立をオススメしたい…!笑


前回の読書記録


あ、最後の最後に、
自身の備忘録を兼ねて、この2つを載せておきます。

◆日本株がなぜ上昇したのか、5つの理由
◆日経平均「10万円」の3つの根拠
◆2つの本のスタンスの違い



◆日本株がなぜ上昇したのか、5つの理由

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