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なんで為替介入したの?なんで円安になったの?

3連休、台風の影響でおうちに籠っている人も多いはず。
ということは、noteも読まれやすいかも!?
もう最終日ですけどね!

為替が大きく動いたので、思わず書いてみました。

ということで、久々のマーケット解説です!

◆9月22日為替介入実施!


先日9月22日の夕方。衝撃のニュースが入りました。
日銀さんが、為替介入実施!!
ふぉー!
わずか数時間で、145円→140円へ!
わずか数時間で、為替が5円も動くことなんて、そうそうありません。

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ま、今すでに143円に戻ってるんですけどね。


マーケットでは、為替介入くるか!?こないか!?みたいな感じだったので、とうとうきたかー!というのが、正直な感想。

そりゃそうですよね。今年の3月頃は115円だったのに、わずか半年で145円になりましたから。

わずか半年で30円も動くなんてこと、ある!?

わずか半年で30円も米ドルが上がった。つまり、わずか半年で30円も円が下がった。そして、ここ1ヶ月でも136円→145円と、9円も動いています。

わずか1ヶ月で9円も動いたんですよ!?

米ドルを10万ドル持っている人がいたら、その人の評価額は1360万円→1450万円になりました。1ヶ月で90万円増えたんや!もっと言うと、半年で300万円増えたんや!(10万ドルも持ってへんわ、というツッコミはなしで)

この急激な円安に歯止めをかけるため、日銀が外国為替市場で円買い・ドル売りの為替介入を実施した、というわけです。


「ふーん。為替介入で5円も動かしたんや。じゃぁ為替が動いたら介入したらええやん。だって、日銀ってそのへん、なんか動かしてるんでしょ」って思ったそこのあなた。

前回の為替介入がいつか、ご存知でしょうか。

◆前回の為替介入は?

3ヶ月前?
1年前?
3年前?

違います。
なんと、約11年前です!
前回の為替介入は、2011年11月。
2011年11月という時期を見て、「あ!あの時か!」と思ったそこのあなた。為替ウォッチャーですね!
そう、2011年11月と言えば、1ドル75円を記録した時です。円が史上最高値をつけたのは、2011年10月31日、75円32銭。
あまりにも円高になったので、為替介入をしました。今回と反対の為替介入です。円売り・ドル買いですね。


では、今回と同様の、円買い・ドル売りの為替介入はいつ以来でしょうか。

15年前?
20年前?

いいえ。
24年前です。
1998年6月、1ドル=140円台となったので、円買い・ドル売りの為替介入を実施しました。
24年ぶりってなかなかないことですよね。

ちなみに、過去、どのような為替介入を行ったかは、財務省のHPに記載されています。ここです。一次情報なので、もし良ければ見てみてください。


では気になります。
なんで為替介入をしたのか?

▼なんで為替介入をしたのか?

A.急激に円安になったから。

ではなぜ、急激に円安になったのか。

9月20日~22日にかけて、143円→145円となり、2円も円安になりました。なぜか。

理由は簡単。9月20日~22日にビッグイベントが重なっていて、その結果が正反対だったからです。

何があったかって?

アメリカの中央銀行(FRB)の金融政策を決める会合(FOMC)と、日銀の金融政策決定会合が重なっていたのです。そして、日米の会合の結果が、あまりにも違ったのです!この結果やったら、「日本の円よりもアメリカのドルがええやろ!」となり、一気に2円も円安ドル高に。

それぞれ、どんな結果だったかって?
一言で言うと、こんな感じです。

▼アメリカ
「みなさんの予想通り、金利上げるねー!0.75%も上げるね!普通は0.25%ずつかもしれないけど、これだけ物価高いんやもん、金利そりゃ上げるやろ。金利(FFレート)2.5%→3.25%にするね!これから先も、金利を上げていくのでよろしくね!」

▼日本
「金利は上げません、現状維持です。マイナス0.1%のままです。これからどうするかって?え、物価が上がってるのに金利は上げへんのかって?確かに今年の物価は上がってるけど、来年はここまで上がらへんやろ。当面金利は上げません。当面ってどのぐらいかって?数ヶ月の話ではなくて、2-3年の話です。」

両極端!

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アメリカが金利を上げるandこれからも上げていくのはみんな予想していたけれど、日本が「2-3年」金利を上げることを考えていない、というのは予想していませんでした。

で、マーケットは思ったわけ。「アメリカはこれから金利上げていくのに、日本は2-3年金利上げへんのや。どんどん金利差ひらくやん。誰でも、そりゃ金利高いとこに預けた方がええやろ。日本は-0.1%、アメリカは3.25%やもんな!円で持っとくより、ドルで持っとこー!」って。そして円を売ってドルを買う、と。円は安くなり、ドルが高くなった、と。そもそも、アメリカは3回連続(6月、7月、9月)で0.75%利上げしていますからね。

日銀の黒田総裁の任期満期は2023年4月8日です。この満期を待たずに3月19日に退任するとの説も浮上していますが、少なくともこのあたりの日までは、日本は今の流れが続くでしょう。

ちなみに、アメリカと日本の今後の金利の動きは、こんな感じです。

◆アメリカの今後の金利の動き(FFレート予測)

2022年9月21日 3.25%←今回

2022年11月2日 4.00%かな?(0.75%利上げ)
3.75%予想…27.1%
4.00%予想…72.9%

2022年11月2日 4.50%かな?(0.5%利上げ)
4.25%予想…25.7%
4.50%予想…70.6%
4.75%予想…3.7%

2023年2月1日 4.75%かな?(0.25%利上げ)
4.50%予想…23.4%
4.75%予想…66.6%
5.00%予想…9.6%

2023年3月22日 4.75%のままかな?5.00%かな?
4.50%予想…11%
4.75%予想…43.7%
5.00%予想…39.9%
5.25%予想…5.3%

2023年5月3日 4.75%のままかな?5.00%かな?
4.50%予想…10.9%
4.75%予想…43.4%
5.00%予想…39.9%
5.25%予想…5.5%
5.50%予想…0.2%

というような感じです。

見ていくと、2023年の年末からは利下げの可能性があるかな、と。逆に言うと、2022年はどんどん利上げしていきますよ、という動きです。

2022年末の中央値は4.4%
2023年末の中央値は4.6%
です。

マーケットがどのぐらい利上げを織り込んでいるのか、FRBメンバーはどのような政策なのか、下記サイトが分かりやすかったので、気になる方はどうぞ。


FRBパウエル議長の発言はと言うと…こんな感じです。

8月の経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」での講演で、インフレ抑制について「やり遂げるまでやり続けなければならない」と強い決意を表明いてた。9月21日の記者会見でも「メッセージは変わらない」と述べ、景気が減速しても早期に利下げに転じることはないと強く示唆した。「金利の上昇や経済成長の鈍化、労働市場の減速はすべて国民にとって痛みを伴う。だがそれば物価の安定を取り戻すことに失敗するほどの痛みではない」と強調した。
ー日経新聞9月22日(木)夕刊1面ー


物価の安定がキーポイントですね。

では、アメリカの物価は?
8月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比8.3%上昇。
すごくないですか!?
1年で8.3%も物価が上がったんですよ?

6月の9.1%(この数字、約40年ぶりの伸び率!)からは鈍化しているものの、インフレの勢いはマーケット予測を上回っています。物価上昇が抑えられない限り、利上げは行われるでしょう。

2022年はどんどん利上げしていくアメリカに比べ、日本はと言うと…?

▼日本の今後の金利の動き

2-3年後まで、金利を引き上げない(-0.1%のまま)!

黒田総裁は金融緩和を続けると強調する中で「当面、金利を引き上げるというようなことはないと言っていいと思う」と言明した。10年金利の許容変動幅拡大も「変動幅を拡大すると金融緩和の効果が阻害されてしまって政策目的は実現できない」として、消極的な姿勢を示した。

フォワードガイダンスは、経済の回復を支援し、2%の物価目標を賃金の上昇とともに実現する観点から「当面、変更が必要とは考えていない」と述べた。さらに「当面必要ない」というのは「数カ月の話ではなく2―3年の話」だと語った。

黒田総裁は、今年度の物価上昇率は7月の展望リポートで示した2.3%を上回る可能性が十分にあるものの「来年度以降、物価上昇率は今年度よりも下がって2%を割るのは確実」と話し、「経済・物価情勢に合わせて微調整はあるかもしれないが、基本的なフォワードガイダンスの変更は金融緩和政策を修正していく時点で考えられることではないか」と語った。

<日米金利差ばかりに焦点当てられる相場展開に苦言>

黒田総裁はこのところの円安進行について、米国のインフレ見通しの上振れや急速な利上げによる米景気下押しといった、本来であればドル安につながる要因があるにもかかわらず、日米金利差拡大ばかりに焦点が当たっている現状に苦言を呈した。「一方的な動きであり、投機的な要因も影響しているのではないか」と語った。一方で、政府から円安是正に向けた政策対応を求められる可能性については「予想もしていない」と述べた。

ロイターよりー


じゃぁ、「アメリカの方がええやん!アメリカの株に投資しようかな!」って思ったそこのあなた。アメリカ株、どんな動きかご存知ですか?なんとなーく上がってるんちゃう?ぐらいの感覚の方が多いのでは?

長くなってきたので、今日はここまで。気が向いたら続きを書きます。

(4,011字)


続きを書きました。

▼アメリカ株について

▼為替介入の頻度について


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