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年齢を聞くのは失礼だと思う理由

The man asked me how old l am. How rude he is !
その男の人は私が何歳なのかたずねたのですよ。なんと失礼なのでしょう。

生徒さんと英語のレッスンをしていたら、感嘆文のセクションでこんな例文が出てきました。

日本では、女性に年齢を聞くのは失礼なこととされています。そういう文化が海外にもあるのかしら?と考えて調べてみたらどうやら事情は違うようで、男女ともに年齢を聞くのは失礼なことのようです。

日本に住んでいる私たちは、初対面で年齢の話をしたりします。それが失礼に当たらないと考えているし、最初の話題作りとして、「ご趣味は?」「得意料理は?」「納豆好き?」くらいの認識で聞いている気がします。

付け加えれば、日本には敬語の文化があるので、相手が自分が年上なのか、つまり敬語を使うべきなのか確認しておきたい、という目的で年齢を聞くこともあり得ます。

日本は儒教文化が強く、「年長者を敬う」気持ちが無意識のうちにあります。だから相手が敬うべき年長者なのか、それとも自分と同じくらいの年齢でフラットに接していいのか、それとも年下なのか、気になってしまいます。

日頃の生活で「儒教」を意識することはありませんが、その意識は私たちに強く影響を与えているのでしょう。

でも、よく考えると少し矛盾もあるような気がします。年長者を敬いたいという気持ちは素晴らしいことですが、裏返せば「年下なら気軽に接していい」ということにもなり得ます。

もしかしたら、年齢を尋ねるという行為にはそういう相手と自分の立ち位置を明確にしてランクづけするという機能もあるのかもしれません。

たまにいますよね、年齢を聞かれ他ので実年齢を言って、年下だと分かった瞬間タメ口してくるタイプの人。あと、年齢を聞く前に年下だと思い込んでタメ口で絡んできて、実年齢知って急に敬語使ってくる人。失礼だわ(笑)。

そういえば、この仕事をしていて、営業先でクロージング時に「おいくつなんですか?」と直球で聞かれたことがありました。今思えば申し訳ないのですが、いい気がせず色々理由つけて逃げたのを思い出しました(笑)。なんというか、足元を見られている感じがするというか。相手が何を求めているのか読みきれず怖いという気持ちもありました。

難しいんですよね。若い方がいい指導ができると考える人もいるし、ベテランだからいい指導ができると考える人もいる。その方が何を求めているのか。

冷静に考えれば、年齢を聞くことで得られるメリットってそんなに多くないかもしれない。むしろデメリットの方が多いかもしれません。

欧米では年齢の話題はデリケートな個人情報だから、聞かないのが当然のようです。日本では自己紹介の流れで話題になったりするし、ニュースで名前の横にかっこ書きで年齢が書かれていたりするけれど、そのうちそういう文化も消えていくのでしょうか。




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