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【夢の話】屋根裏【禍話リライトではない】

これはA県にお住いのBさんからいただいたお話です。

Bさんのご実家は一般的な民家としてはけっこう大きなお家で。一階が主に生活の場で、二階は家族それぞれにけっこう広々とした部屋が割り当てられてて。
それで屋根裏もあって、二階の共有スペースにあるクローゼットの天板から梯子を下ろして上がれるようになってたそうです。
でも家が建って以来、全然使ってなかったんですって。これは滅多に開けない荷物だから屋根裏にしまっとこう、みたいなものでもみんな部屋に置けちゃってて。
だからせっかくの広い屋根裏部屋なんですけど、小さい子供の頃にそこで遊んだくらいで、ほとんど入ることもなく空っぽのままになってて。

Bさんが高校生の頃の、結構昔だそうです。
小学生の頃から付き合いのある、近所に住んでる友達の同級生と話してて、お前んち部屋広くていいよな~みたいな流れで屋根裏部屋の話になって。
その友達、Cさんはそのとき初めて屋根裏のことを知って。それで一度見てみたいってなって、学校終わったあとで家に寄る?みたいな話になったんですね。
放課後、と言ってもふたりとも部活やってたのでもう夜8時過ぎだったっていうんですけど、一緒に帰って来て家に上がろうとしたところでCさんが「あ、せっかくだから写真撮りたい」って言い出して。
携帯でそこそこ写真が撮れるようになる前で、家にあるデジカメ取ってくるって。まあ近所ですからね。
Bさんの共働きのご両親もその日帰りが遅くて、とりあえず自分は家に上がって待ってるねって話になって。
まあすぐ着くだろうし、何をするでもなく二階に上がって、自分の部屋にカバンおいてからクローゼット前で待機してたと。
そしたら、屋根裏から急にドンドンドンドン!ってすごい音がして。あり得ないんですけど屋根裏に何人かいて一斉に足を踏み鳴らしたみたいなそういう音で。
えっ、何?何なに?ってBさんもパニックなって、確かめなきゃってクローゼット開けて屋根裏を覗いたんですって。
当然ですが誰もいないわけです。音もやんでて、昔の記憶のまま本当に何もない屋根裏だけが広がっている。

怖いなあと思ってとりあえず下りたら、携帯が鳴って。Cさんからなんですね。今度は何?って出たら「いやごめんごめん、俺の記憶違いだったらいいんだけどさ……」って。

Cさん曰く、カメラを取って戻ってきて家の前まで来たんだけどなんかおかしいんだと。けっこう大きな家だからまず門扉があって庭にちょっと道があって玄関、ってなってるんですけど。
「あのさあ、門の横のとこに背の高い花の鉢植えあったよね」って言うんですね。
それで、ああ、うちの母が世話してるやつね、あるよって。
そしたらCさんが、なんか今来たらないんだよさっきはあったのにって言うんですよ。
可能性としてはこの短時間の間に悪いやつがサッと持って行ったというのも、絶対にあり得ないことはないと思うんですけど。

それで妙なことが続いてあまりにも不気味なので、Bさんも混乱してたんでしょうね。
よく分かんないんですけど、Cさんに「ごめん、ちょっとさ、一回家の周りぐるっと回ってもっかい見てくんない?」ってお願いしたんですって。
Cさんも混乱してたのか「ああ、うん」って素直に敷地をぐるり一周して。それで見たら、花があるんですよ。
なかったらワンチャン盗まれたかなって思えたんですけど、あっちゃ駄目じゃないですか。
あってしまっていよいよおかしいぞと、それで、心底気味悪そうにCさんが「花……あるよ……」って言うのを聞いたBさん、今日はちょっと解散にしようって。ああそうだなまた明日ねってお互い電話口で分かれて。

その後は何事もなかったんですけど、屋根裏を覗くことも、Cさんとこれについて話すことも二度となかったそうです。
結局なんだったんでしょうね。








という夢を先日見たという話でした。
つまり、上記の話が禍話で語られている、という設定でボイスオーバーされた映像を夢で見ました、ということです。
内容としては正直たいして怖い話でもないのですが、あまりにもちゃんと最初から最後までつながっててオチもあったので、目覚めてびっくりして一気にメモして、それを整えたのが本文章となります。
以前に書いた例の女絡みの件以外で禍話からお裾分け●●●●をもらったことはないので、これも特に関係ないと思いますが、念のため書き起こしておきました。


【おわり】

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