私が仕事をやめてまで、ストックイラストを始めたワケ
ご覧いただきありがとうございます。megkmit(めぐみっと)です。
私が今年、大好きだった学校勤務を辞めてまでストックイラストを始めた理由を今年のうちにまとめておきたいと思います。
普段イラストをご活用いただいている皆さんにも、どんな思いでやっているか知ってもらうきっかけになればと思います。いつも応援してくださりありがとうございます!
賑やかな学校勤務から孤独のフリーランスへ
2021年3月、私はそれまで4年間続けていた学校勤務を終え、フリーランスになりました。
小学校で働く毎日は本当にかけがえのないもので、こどもや先生方から多くのことを学び、充実した時間でした。
学校勤務時代の気持ちや取り組みはこちらの記事で紹介しています↓
大好きだった仕事を辞めたのは、こどもたち・先生方のために
自分ができる最大限はひとつの学校に勤めている今の働き方とは違う。
対面では出会いきれない、全国のこどもたち・先生方に届けられるイラストやデザインに注力しようと思ったからです。
涙涙の離任式を終え、(この日のことについても、いつか書きたいと思っています)耳がおかしくなりそうなほど賑やかな声に満ちた日々から一変。静寂の中、自分との戦いが始まりました。
大好きな小学校を離れた理由
寂しくなることは百も承知でしたが、それでも辞めようと決心したきっかけは3つあります。
【理由①】
ひとつ目の理由は、校内で先生方がたくさんの時間を割いてイラストを探したり掲示物を作ったりしている姿を目の当たりにしたこと。
ご存知の通り、先生のお仕事は多岐にわたります。一般的にイメージしやすい、こどもに何か教えるというのは、お仕事のほんの一部。授業準備はもちろん、行事計画、部活、会議資料作成、研修、保護者とのやりとり…こどもと過ごしていない時間の方が長いのではないかと思います。
そんな中で、教材を手作りしたり、季節に合わせた内容の掲示を作ったり…こどもに伝わりやすいよう、ぴったりのイラストを見つけるのにも、多くの時間を割いている様子でした。中にはちょうど良いイラストが見つからないのでワードやエクセルを駆使して自作…という先生もいらっしゃいました。
私はというと、美術大学で教員免許を取得し、こども向けのアプリや映像の製作会社に勤め、学校で実際にこどもの視点や見え方を学び…と、こどものためのビジュアライズを専門にしてきました。イラストやデザインだったら、自信を持って先生方のお手伝いができるのではないかと思いました。
先生方の業務の負担を少しでも軽減できたら!業務を時短してもらえれば、もっと自分の時間を増やしたり、休んだり、子どもに向き合ったり…浮いた時間を好きに使って欲しいと思いました。
【理由②】
ふたつ目は、学校で子どもに関わって行く中で、視覚伝達の大切さを痛感したこと。
私は学校勤務時代、学習につまづきのある子や支援の必要な子のサポートを主な業務としていました。支援が必要な子の中には、担任の先生がお話した内容を耳から入ってくる情報だけで理解することに困難を感じる子が多い印象でした。
そういった子のため、私が授業の補助で活用していたのが付箋です。言葉だけでは伝わりづらい内容に、困った顔をしていた子も、ちょっとメモをして見せるとそれだけで顔がぱあ…っ!と明るくなる。それがすごく嬉しかった。
子どもにとっても先生にとっても、視覚支援をうまく取り入れれば、学校生活全体がもっと豊かになると確信しました。
もちろん視覚以外の感覚が優位な子、視覚情報に頼ることが難しい子などを一概に救うことは難しいのですが…なるべく誰もがわかりやすいものを作れるよう工夫しています。
例えば私が学校向けに制作しているイラストのシリーズでは、色のみによる情報の意味付けを避けています。(例えば赤字だったら重要、色違いで意味違いを表現するなど)
これは白黒印刷してもらっても大丈夫なようにというのもありますが、さまざまな色覚特性のある人が見る掲示というジャンルにおいて色のみによる情報の伝達は不親切だと思うからです。意味を変えたい時は必ず、イラストも変えるようにし、色の境界線にははっきりと明るさに違いのある色を置くように決めています。
【理由③】
最後は、コロナ禍によって、タイムラグなしで必要になったイラストが沢山あったこと。
2021年春、突然始まった休校。学校の再開に向け、安心して通える環境づくりは必須でした。そこで必要になったのが新しい生活様式や手の洗い方などを子どもにもわかりやすく伝えるためのイラストでした。
勤務校だけでなく、全国どこの学校でも安全のためのイラストが必要になっているであろうことは容易に想像できました。
勤務著作にならないように、プライベートの時間を使ってどんどこイラストや掲示物を制作し、イラストAC(ストックサイト)にアップ。インスタグラムで紹介すると、たくさんの先生方から「ちょうど探していた!」「早速掲示します!」など反響をいただきました。
個人の活動だからこそ、現場のニーズをすぐに形にできる。必要なものを必要な人にお待たせせずに届けられることに魅力を感じました。
イラストACの魅力
私がイラストを配布すると決めた際、絶対譲れない条件がありました。それは、「使いたい人に、無料で使ってもらえること」。
というのも、学校現場では、残念なことに掲示やイラストに経費を充てるケースは多分ほとんどないということを体感していたからです。先生たちを助けたくてやる活動が有料で逆に負担になる…ということは避けたいと思いました。
最初はインスタグラムでコメントやDMをくださった方に直接データをお送りしたりもしていましたが、だんだんそれでは対応しきれなくなってきました。
私がどこかにデータをアップしておき、使いたい人が好きな時に無料でダウンロードできる仕組みはないものか…そこで見つけたのがイラストACでした。
イラストACのプロフィールページはこんな感じです↓
イラストACは、イラスト素材のダウンロード数に応じて、サイトの広告収入の一部をイラストレーターに支払ってくれる仕組みになっています。使う人が無料だと、普通制作側は継続できない(モチベーション的にも経済的にも)ことが多いですが、この仕組みならその点も多少はクリアできるかも…!とありがたく登録することにしました。(とはいえ全然クリアできていないのが実情で、日々試行錯誤しています2021.11)
お金にまつわる、嬉しかった話
ところで、これまであまりこの活動の経済的な面のお話はしたことがなかったのですが、実はごく一部のフォロワーさんには機会がありお伝えしていて。
イラストACでイラストを配布するには、審査を通る必要があるのですが、たまにどうしても通らない素材があるんです。例えば、図書館の十進分類フレームがそうでした。同じイラストの色違いと認識されてしまい、どうしても5類以降が承認されない。
イラストACを使わずに配布すると一切の収益が発生せず、活動の継続が難しい・・・
使う人にとっては、0〜4類までのフレームはダウンロードできるのに、5類以降が無い。トランプの七並べで意地悪をしてしまっているような申し訳ない気持ちでした。
そんなとき、5類以降のフレームのデータが欲しいとお申し出くださった図書館司書さんに正直に現状を話してみると
「1DL4円…0がいくつか足りないような…」
「これからは保健室の素材もダウンロードします!!」←←笑
と言ってくださったのです!!
それはもう、めちゃくちゃ嬉しかったです。
他にもDMで、
「いつもお世話になっています。どうやってお礼をすれば…」
と言ってくださった方や
「日頃のお礼にプレゼントを送りたいので、差し支えなければお名前と最寄りの郵便局を教えてください!」
とお申し出くださった方、本当にありがとうございます。(クリスマスプレゼントをもらえるような気分でワクワクしています。)
この記事を読んでくださっている方も、私のイラストをご活用くださっている方が多いと思います。ご活用いただけることが最大の応援になっています!!いつも、本当にありがとうございます。
最後に
1人でも多くの必要な人のもとへ届き、子どもたちが生き生きと活動できる学校づくりや先生方の業務負担の軽減の役に立ちますように。
今後も細く長く継続できるよう、この記事を自分でもたまに読み返そうと思います。
長文を最後までお読みいただきありがとうございました。
イラストACで配布している素材は、ホームページから全て見られるようになっています^^↓
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