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大反響だった「silent」物足りなかった


こんにちは。今更ながらの感想記録ですが、
先月、せわしい師走と共に大反響の中終了したドラマ「silent」。

手話を使う聾者の恋愛ドラマと言えば、
北川悦吏子さん脚本の「愛していると言ってくれ」、「オレンジデイズ」が名作。もちろん私も大好き。
北川さんの脚本には賛否が付きやすいが、あれは、
キムタクのように「わかりやすく目立つ存在には賛否が巻き起こりやすい」現象の一つだと思うので、私は、展開に引き込まれるスピード感&女性が”恋っていいなあ”と思っちゃう北川さんの作風が好きです。(それこそbeautiful lifeしかり)。


silentは、先に挙げた2作に続く「名作手話ドラマ」になるなあと、
5話辺りまでは思っていました。


でも途中から、なんか物足りない。
丁寧な作品だし悪者もいないし、皆が少しずつ回りと自分をすりあわせていく描写も繊細だし…
でも前2作に比べると、本当にサイレント状態に近いくらい静か。静かすぎる。
プロデューサーの方は「あえてBGMなども極力減らした」などと言っていたので、沢山のこだわりと工夫を凝らしているのは凄く伝わるのだが…

端的に言うと、
ヒロインにわかりやすい魅力が無く、夏帆の演技力に飲み込まれたドラマ。
別の言い方をすると、
前2作との違いである「中途失聴」という設定がなければそもそも何も起こらなかったくらい、「中途失聴」設定に救われたドラマ。

に見えました。


制作側、ファンの方には大変申し訳ないが、
「良いなあと思ってる目黒連の出世作となって嬉しい、めめの代表作ができたね!」という喜びしかない。

silentが駄作だとか、川口春奈氏が夏帆氏に喰われた作品だとか、そこまでは思っていません。
ただ、北川作品に慣れてしまい、
・ヒロインの魅力が「実直」のみというのがどうしても没入できない
・キスシーンを入れた・入れない、よりもヒロインと相手の男性がどれだけ本音をぶつけ合い、喧嘩をし、ぶつかりあいながら自己開示を重ねてどこに再び惹かれ合っているのかもっと描写がほしかった
・当て馬まで良い人。少しくらい邪魔が入らないと恋も視聴者も燃え上がらないのでは
・26歳にしては行動がどっちつかず。大人びているとも感じられず、北川作品のように情熱的に盲目になってしまうスタイルでもなく
・前2作は主人公の男女が「両思い」だと確認しあった後もぶつかり合いと成長が描かれるが、今作は「両思い」確認がゴール(最終回)だったので、そもそも男女を描くという点で、時間軸の切り取り場所が違う。そこを「丁寧で良い」と捉えるか、「えーここが終着点か」と捉えるか(後者になってしまった)

と思ってしまった。
完全に「平成ドラマ」のやり口を求めてしまっている私の問題。笑

そういう意味で夏帆演じる奈々は、気が強く、嫉妬深く、でも素直に相手に(タイミング良く)自分の意見を伝える明るさがあり一番魅力的でした。
奈々は好き!春尾先生の性格も!
途中、湊斗が爆発しかけた前半も!脇役ばかり味があるやん…

そういうスパイスがないと、
正直ただのリア充学生カップルの復縁話だったのでは。
(中途失聴に苦しむ姿を演じた目黒連と、葛藤する家族の演技は素直に感動しました)


脚本家の方が「日本語がわかる方に見てほしい」と言っていたそうですが(ソース不明)、歳が2つほどしか上じゃない脚本家の方と、こんなに好みが合わないのは私が平成初期作品に引っ張られすぎ??

でも調べると、この方も「坂元裕二脚本作品」が大好きみたいで…
そこの趣味は合う…
なんだよくわからなくなってきた…

一月スタートの
北川悦吏子脚本ドラマ(広瀬すずちゃん主演)を見て、また考えます。。笑

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