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【夢日記】古民家ホテルと500円玉

 小学校の頃の友人二人と車に乗っている。一人が運転席、もう一人が助手席で私は後ろに座っている。友人の運転に揺られながら、横目で車窓から流れる景色を眺めている。東京みたいに高層ビルが立ち並び、車線も片側で4つくらい走っていてかなり大きな都市だ。私はそこが福岡だと直感し、夢らしく、次の瞬間にはそこが福岡であることが確定する。

 友人の運転は危なっかしい。路肩に停められた自動車を避けるのに、直前で勢いよくハンドルを切るもんだから体が外側へ引っ張られる。運転している友人もこわごわといった感じで「ひえ~」という小声が聞こえる。大きな橋を渡る。

景色が飛ぶ。


 私たちはピントのぼけた古民家に到着し、2階へ続く階段を登っている。木製の踏み板は色が黒くくすんでいる。階段を登ると部屋が3つ並んでいた。すべて和室で畳敷きだ。手前の部屋が8畳で、奥の部屋が横に長く16畳くらい。そして手前の部屋の右手にもうひとつ6畳の部屋がつながっている。

 奥の部屋の左面には、古民家には似つかわしくないほどの大きな洋窓があって広く開け放たれている。外を眺めると福岡の大きな川が眼下に広がっている。先ほど車で渡った大きな橋も見える。体感としては東京タワーの展望デッキから見下ろしているような感じで、2階に上がっただけなのにこれだけの高さがあるということは、この古民家はもともとそうとう高い場所に立てられているのだろうと考える。

 川に何かの大群の影が映っている。細長い影だ。そのうちの1つが水面から飛び出して、ものすごいスピードでこちらに向かって飛んでくる。弧を描いて窓から入ってきたのは魚か海鳥だった気がするが、夢の中のことなのではっきりとは覚えていない。

景色が飛ぶ。


 私は奥の部屋の隅に寝そべっている。友人二人はどこかに出かけている。部屋の中央にもう一人、顔も名前も分からない見知らぬ男があぐらをかいている。全身を白装束に包み、首からジャラジャラとしたものを下げている。ワタナベマホトのような切れ味鋭い外見だ。私は立ち上がって6畳の部屋に移動すると、そこには3,4人の女が座っていた。みな白装束を着ている。私は彼女らが何か救いを求めてここにやって来たのだと分かる。さっきの男は教祖のような存在なのだろう。

 荷物が壁際に並べられていて、その列の先頭に小ぶりの貯金箱があった。100円均一で売られていそうな円筒形のツヤツヤした貯金箱だ。私は女の悩みを聞く。具体的な内容は覚えていない。悩みを聞くたびに女から500円もらい、貯金箱に入れる。新しい500円硬貨で、なぜか手のひらと同じくらい大きい。入れるたびに硬貨と硬貨が触れ合う音が鈍く聞こえてきて、かなり溜まっているようだ。私は「大したことのない悩みに適当に答えているだけなのに、500円ももらうのはいかがなものか」と思って、500円玉を貯金箱に入れたフリをして女に返す。教祖はそれに気づかない。

景色が飛ぶ。


 奥の部屋で女が裸で仰向けに寝かされていて、私と教祖と他の女たちが取り囲んで裸体を眺めている。女は恥ずかしがる様子はなく、両腕を体の両脇にぴたりとくっつけている。乳首と陰毛がはっきりと見えている。自分のお腹を愛おしそうに何度もなでている。

夢が途切れる。

(2024/8/25)



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