生成系AI「ChatGPT」のエンジニア現場の活用状況と今後について

お久しぶりの投稿です。
Youtubeも久々に再開をしていきますのでよろしくお願いします。
今日は、去年から話題になっているChatGPTについて、エンジニアの現場ではどういう状況かを話したいと思います。

私の職場環境

  • 自社サービス

  • 主な言語はJava、Python

    • 他のチームはJavaScript、React、Swift、...

  • 設計と開発は同じ担当

  • 開発ツールはフル活用(Github、Intellij、vscode、...)

  • 要件に応じてIaaS/PaaS/CaaSを使い分けている。特に後者2つは推奨。

  • CI/CDは整っている

結論

ChatGPTの実践活用はまだこれから。
ChatGPTの活用方法については企画やエンジニアが検討している段階です。

理由

私の職場でChatGPTを実践利用していない大きな理由はセキュリティの問題です。たとえば、社内のソースコードをChatGPTに提供して改修やレビューを行うことは、セキュリティ上の懸念があります。

また、開発においては手を動かす時間よりもコミュニケーションに多くの時間が費やされています。目的や要件のすり合わせ、要件に基づく設計の検討、開発中に問題が生じた場合の設計の再検討、そしてレビューによる設計の確認など、コミュニケーションが開発プロセスの中で非常に重要な役割を果たしています。そのため、これらの時間が多く占められており、生成系AIであるChatGPTを活用しても限定的な恩恵しか得られないという考え方が主流です。

実際、日本においてもChatGPTの業務利用割合はわずか7%と報告されています(参考:https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1507969.html )

ChatGPTを使ってすぐに恩恵が得られる環境とそうでない環境

恩恵が得られる環境:個人、ベンチャー・スタートアップ など
そうでない環境  :大企業、Sier など

私自身も個人開発をしているときは、ルールを厳格に設けられることはありません。そのため、ChatGPTを活用して初期のソースコードを生成するなど、開発作業においてサポートを受けることがあります。同様に、ベンチャーやスタートアップ企業ではスピードが重視され、ルールは後から整備すれば良いという考え方が一般的です。そのため、ChatGPTによるソースコードの生成などは比較的容易に取り入れられると思われます。また、要件や設計のすり合わせよりも、開発者個人個人がどんどん進めていくスタイルの場合、ChatGPTの活用によって開発プロセスを効率化することが期待できそうです。

一方、大企業では前述のようにセキュリティ観点からすぐには使えなかったり、コーディング以外のプロセスが多かったりするのでまだChatGPTの活用が進んでいないケースが多いように感じます。また、Sierの場合は、顧客との契約があったり、組織の体制として複数社で仕事をしているため、なかなか自由に使うにはハードルが高いように感じます(多分に推測が入っていますが、私自身Sier出身でそう感じます)。
これは現時点での話であり、大企業では準備や検討に時間がかかるかもしれませんが、一度導入が始まればChatGPTの恩恵を享受することができると思います。そうなると大企業の方がパワーがあるので一気に効率化が進み、市場競争力でも一気に優勢になる可能性もあります。
ただし、早い段階で活用を進めることで業務の効率化が図られ、ビジネスに充てる時間が増え、新たなビジネスの創出に繋がる可能性があります。過去にはインターネットの発展により、従来の大企業に代わってGoogleなどが急速に台頭し、時価総額を超える事例もありました。ChatGPTの活用も同様の流れが起こると思われるので、より早く仕事に活かしている環境ほど有利になるのは間違いないと思います。

僕らは今後どうしていくのが良いか

ChatGPTなどの生成系AIを作るには大規模な学習データと設備が必要であり、一部の大企業でないとそれ自体に関わっていくことは難しいかと思います。では、それ以外の僕ら個人はどうしていくのが良いのか、少し話したいと思います。

  • あまり2次情報にとらわれすぎず、1次情報に時折接すること

  • 1次情報の中からエッセンスを抽出して自分なりの使い方を模索する

  • そうはいっても、とりあえず使ってみること

2次情報はネット上にたくさん転がっているので(特にTwitter)、よく目につくのが「ExcelでChatGPTを使って情報の自動収集」などの事例です。私が思うに、これらは一部の事例を大きく取り上げているように感じられます。誰でもできるようになると宣伝されている印象もあり、わざわざ誰でもできることを始める意味を考えた方がいいと思います。
ですので、2次情報にはあまり踊らされずに、時折1次情報もしくは信頼できる実績のある人の情報を普段から眺めるなどして、自分の仕事や生活にどう活かすかを考えてみるのが良いではないでしょうか。

一方で、1次情報は見るのに時間がかかるため、つまらなくなって辞めてしまうようなら、Twitterなどの2次情報もどんどん見た上で、自分で試してみることはぜひやった方がいいと思います。
メディアやTwitterなどで取り上げたことを見るだけでは何も意味はないので
ChatGPTならまずは無料で始めて、たくさん使うなら月額3000円弱(20ドル)の有料版を使うこともできます。

私のこの記事もベースを書いた上で、細かい日本語表現を少し直してもらったりしています。自分で下書きして、表現を少し修正してもらい、自分で加筆して完成という流れですね。

最後に、あまり「仕事が奪われる」などの雑音は気にせず、
自分のリスキリングの一環として、ChatGPTをはじめとする生成系AIは触ってみて使える部分を使う ぐらいには好奇心と柔軟さを持っていけると良いのではないでしょうか。

最近見たAI活用に関するGoogleのプレゼンスを貼っておきます。
29分、36分のイメージムービーが分かりやすいので、これからの産業(少なくとも広告業界)がどうなるのか知っておくのは良いかと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=YABXDRNceFI

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?