ワクチンロットによる副反応の違いについての論文
今日は朝から雨です。
やや肌寒いですが、明日からまた夏日のようです。
今回もいい加減しつこいですがワクチンネタです。
前回ワクチンによる心筋炎のネタでしたが、
副反応出る人とでない人の違いについて、
ロットによって頻度が違う?
という論文です。
Batch-dependent safety of the BNT162b2 mRNA COVID-19 vaccine.
European Journal of Clinical Investigation.
First published: 30 March 2023.
こちらの雑誌も、インパクトファクター(IF)は6近くあり、
しっかりした医学雑誌のようです。
デンマークで調査された論文です。
SAEはワクチンとの関連が疑わしい副作用のことです。
ロット番号(バッチ)は、ワクチンシールにも書いており、
日本でも解析可能なのでしょうか。
デンマーク医療庁という省庁で管理している、副作用報告システムを用いた検討です。
ワクチン投与回数1000回あたりの発症数を比べています。
ワクチン投与量に占める割合:
4.22% (青線)、63.69%(緑線)、32.09% (黄色線) 。
SAEの割合、重篤なSAEの割合、SAE 関連の死亡
青線 70.78%、 27.49%、 47.15%
緑線 28.84%、 71.50%、 51.99%
黄線 0.38%、 1.01%、 0.86%
このグラフが全てですが、
・青線のロットは投与量に占める割合が少ないが、SAEが非常に多い。
・黄線のロットは投与量の1/3を占めるが、ほぼSAEがない。
原因として、ワクチンの製造、保管、輸送、管理等で、
品質に違いが生じるかもと考察されています。
異物が混じっていて160万回分が回収となった、
日本でのコロナワクチンの例が取り上げられています。
もちろんこの論文の制限として、全例調査ではないのでバイアスがあったり、いろいろ制限があり、あくまで仮説であり、これをもって断定してはいけないと、書いてあります。論文の限界と言いますか、たいていの論文にはこの記載があります。
今後も、ロットによる副作用の頻度の違いとか各国で出てくるのかな。
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