いびき(睡眠時無呼吸症候群)。診断、治療について

なんだかすっきりしない天気が続きます。
加えて、蒸し暑い。
水分補給はしっかりして、熱中症に気を付けましょう。

睡眠時無呼吸症候群の2回目です。
前回に引き続きMayo Clinicのサイトからです。

診断について
診断のための検査には、以下のものがあります:

夜間ポリソムノグラフィー(PSG)。
この検査では、睡眠中の心臓、肺、脳の活動、呼吸パターン、腕や足の動き、血中酸素濃度をモニターする機器に接続されることになります。

自宅で行う簡易検査を提供する場合があります。この検査では通常、心拍数、血中酸素濃度、空気の流れ、呼吸パターンを測定します。
中枢性睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、睡眠検査施設での睡眠ポリグラフ検査を勧められます。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の場合は、鼻やのどの詰まりを除外するために、耳鼻咽喉科の専門医を紹介されることがあります。
中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA)の原因を探るために、循環器や神経内科科医による評価が必要な場合もあります。

睡眠時無呼吸症候群の症状が軽い場合は、減量や禁煙などの生活習慣の改善のみをお勧めする場合があります。寝るときの姿勢を変える必要があるかもしれません。鼻のアレルギーがある場合は、アレルギーに対する治療をお勧めします。
これらの方法で症状が改善されない場合、または無呼吸が中等度から重度の場合、以下に示すような治療法が利用できます。

簡易PSGなら、自宅でも検査可能です。
(詳しい診断基準などは割愛します。)

国土交通省によると、「日本の男性トラック運転者の約 7-10%、女性の約3%が中等度以 上の睡眠呼吸障害注である」ことが示されています。
全日本トラック協会などでは、SASスクリーニング検査の助成事業をしているみたいです。

OSAの治療法

1.持続陽圧呼吸器(CPAP)。
中等度から重度の閉塞性睡眠時無呼吸症候群の場合、睡眠中にマスクを通して空気圧を供給する機械を使用することで効果が得られる場合があります。CPAP(シーパップ)により、気道にかかる空気圧が周囲の空気よりやや高くなり、上気道の開通を維持するのに十分な圧力であるため、無呼吸やいびきを予防することができます。
CPAPは睡眠時無呼吸症候群の治療法として最も一般的で信頼性の高い方法ですが、中には面倒に感じたり、不快に感じたりする方もいます。練習すれば、ほとんどの人がマスクのストラップの張力を調節して、快適で安全な装着感を得られるようになります。

私も一時使ってました。初めて使ったら、目覚めが爽快で驚いた記憶があります。しばらくつかってましたが、仕事やめたり、飲酒しなくなったら然程、必要性がなくなりやめました。



2.その他の気道圧力装置。
CPAPマシンの使用が引き続き問題である場合、睡眠中に自動的に圧力を調整する別のタイプの気道圧力装置(自動CPAP)を使用できる可能性があります。また、BPAP(Bilevel Positive Airway Pressure:二重陽圧呼吸器)も利用できます。BPAPは、息を吸うときに圧力を強くし、吐くときに圧力を弱くする装置です。

3.口腔内装具。
のどを開くように設計された口腔器具を装着する方法もあります。CPAPは口腔内装置よりも確実な効果がありますが、口腔内装置の方が使いやすいかもしれません。顎を前に出すことで喉を開くように設計されているものもあり、いびきや軽度の閉塞性睡眠時無呼吸症候群を緩和できることもあります。

スリープスプリントというのもあります。
下顎を少し前方に出させるように工夫したマウスピースを口に入れて眠ります。歯科で作成してもらいます。

その他、nastentというのもあります。鼻からいれるチューブみたいなもんです。ICUとかで経鼻エアウエイとして使っているものと同じです。
昔、デパート(そごうとか)でも売ってるのみて驚いた記憶があります。やっぱり、鼻から飲み込んでしまった人がいたみたいで今は、病院から指示書ないと買えません。

4.手術

手術はOSAの方の選択肢の一つですが、通常、他の治療法がうまくいかなかった場合にのみ行われます。一般的に、手術を検討する前に、少なくとも3ヶ月間、他の治療法を試すことが推奨されます。しかし、特定の顎の構造に問題がある少数の人には、手術が最初の選択肢として有効です。

・口腔内組織の除去手術。
この手術(口蓋垂口蓋咽頭形成術)では、口の後部と喉の上部にある組織を取り除きます。通常、扁桃腺とアデノイドも取り除かれます。CPAPに比べると効果は低く、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の確実な治療法とは考えられていません。

口腔内組織の収縮術
もう一つの選択肢は、高周波アブレーションを使って口の奥や喉の奥の組織を収縮させることです。この方法は、軽度から中等度の睡眠時無呼吸症候群に使用されることがあります。ある研究では、この方法は組織切除と同様の効果があり、手術のリスクも少ないとされています。

・下顎の位置調整術。
この手術では、顎を顔面骨の残りの部分から前方に移動させます。これにより、舌と軟口蓋の後ろのスペースが広がり、閉塞感を感じにくくなります。

・インプラント。
通常、ポリエステルやプラスチックでできた柔らかいロッドを、局所麻酔薬で麻痺させた後、外科的に軟口蓋に埋め込みます。インプラントがどの程度有効かについては、さらなる研究が必要です。

・神経刺激。
これは、舌の動きを制御する神経(舌下神経)の刺激装置を挿入する手術です。刺激が強まることで、舌を気道が開くような位置に保つことができます。さらなる研究が必要です。

・気管切開術。
他の治療法がうまくいかず、生命を脅かすような重度の睡眠時無呼吸症候群になった場合、この手術が必要になることがあります。この手術では、外科医が首に開口部を作り、チューブを挿入して呼吸します。日中は開口部を覆ったままにしておきます。しかし、夜間は開口部を開けて、喉の空気の通り道を迂回して、肺に空気が出入りできるようにします。

その他の手術:
肥大した扁桃腺やアデノイドを除去する手術。
体重減少手術(肥満手術として知られています)。

口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP:ピコ太郎は関係ない)は、口蓋垂、口蓋扁桃、軟口蓋、いわゆる“のどちんこ”の一部、気流を邪魔している部分を切除して気道を広げる手術です。

ほかにもいろいろあるようですが、基本はCPAPで対応可能な症例が多いかと思います。個々の手技に関しては割愛させていただきます。


生活習慣と家庭療法

閉塞性睡眠時無呼吸症候群や中枢性睡眠時無呼吸症候群の場合、セルフケアで対処できる場合もあります。

・余分な体重を減らす。
体重を少し減らすだけでも、喉の締め付けを和らげることができるかもしれません。健康的な体重に戻れば睡眠時無呼吸症候群が解消される場合もありますが、体重が戻れば再発する可能性もあります。

・運動する。
定期的な運動は、体重が減らなくても閉塞性睡眠時無呼吸症候群の症状を和らげるのに役立ちます。早足で歩くなど、30分程度の適度な運動を、1週間のうちほとんど毎日行うようにしましょう。

・アルコールと、精神安定剤や睡眠薬など。
これらの薬は喉の奥の筋肉を弛緩させ、呼吸の妨げになります。

・仰向けではなく、横向きか腹ばいで寝る。
仰向けで寝ると、舌や軟口蓋が喉の奥に当たって、気道を塞いでしまうことがあります。寝ている間に仰向けにならないようにするには、パジャマの上着の裏にテニスボールをつけてみましょう。また、寝ている間に仰向けになると振動する器具も市販されています。

・タバコを吸わない。
喫煙者の方は、禁煙のための情報源を探しましょう。

ググってみると、あおむけ防止に
「ヨコムキベルト」なんて機械がありました。

国土交通省の資料によると、
10%の体重増加があった者では体重の増加がない者と比較して、SASを発症する 危険性が 6.0 倍であることが示されています。また、BMI30 以上の肥満者 では、78%がSASスクリーニング検査において精密検査の対象となっている調査結果もあります」とのことです。

とにもかくにも、肥満は万病のもとのようです(飲酒喫煙も)。


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