帯状疱疹について

中東では大変なことになっていますが、
なんとか平和的に解決されることを祈ります。

今日は、
最近耳にすることが多くなった、
帯状疱疹です。


Shingles(Herpes Zoster).
CDC

帯状疱疹は、痛み、かゆみを伴う発疹で、顔または体の片側に生じます。発疹は水疱からなり、通常7~10日でかさぶたになり、2~4週間で完全に治ります。

初期徴候
発疹ができる部位に痛み、かゆみ、ヒリヒリした痛みが生じることがあります。これは発疹が現れる数日前に起こることがあります。発疹が出る前に発熱することもあります。

帯状疱疹といえば、
体に神経にそって、水疱ができるイメージですが、
初期は症状のみで、皮疹はあまりないこともあります。
顔、頭にもできます。



最も一般的な症状
発疹は体の左側または右側に帯状に発生するのが最も一般的です。発疹は顔の片側にも出ることがあります。顔面の帯状疱疹は眼に影響を及ぼし、視力低下を引き起こすことがあります。発疹は全身に広がり、水痘の発疹に似ていることもあります。これは非常にまれで、通常は免疫系が弱っている人に起こります。
帯状疱疹の症状には以下も含まれます。
・頭痛
・悪寒
・胃の不調

・目の周りに現れたものは「眼部帯状疱疹」と呼ばれ、
発症初期から結膜炎や角膜炎などが起こることもあります。

・耳を中心に発症すると、「耳性帯状疱疹」と呼ばれます。
顔面神経麻痺、難聴、耳鳴、めまいなどの脳神経症状を生じた場合を、
「ラムゼイハント症候群」と呼び、速やかな治療が必要となります。


帯状疱疹は、水痘の原因と同じウイルスである水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)によって引き起こされる。
一度水痘にかかると、ウイルスは体内に留まる。このウイルスが後年再活性化し、帯状疱疹を引き起こすことがある。
帯状疱疹を発症する人のほとんどは、生涯に一度しか発症しない。(まれに、複数回帯状疱疹にかかることもある。)
水痘にかかったことがない人や水痘ワクチンを接種していない人は、帯状疱疹にかかった人からVZVに感染する可能性がある。
このような人は、帯状疱疹の水疱から出る液体に直接触れたり、水疱から出るウイルス粒子を吸い込んだりすることでウイルスに感染する。
感染した場合、帯状疱疹ではなく水痘を発症する。その後、帯状疱疹を発症する可能性もある。水痘患者は帯状疱疹患者よりもVZVを伝播しやすい。

接触感染、飛沫感染両方あります。
抗体を持たない妊婦さんは、特に危険で
・妊娠早期は流産、
・妊娠13-20週では先天性水痘症候群、
・出産直前直後は、出産後重篤な全身感染症となる可能性があります。

帯状疱疹の発疹を覆うことで、VZVが他の人に広がるリスクを下げることができます。帯状疱疹の人は、水疱が現れる前や発疹がかさぶたになった後は、ウイルスを広げることはありません。
VZVを他人にうつさないために
・発疹を覆う
・発疹に触れたり掻いたりしないようにする。
・少なくとも20秒間、頻繁に手を洗う。

発疹がかさぶたになるまで、以下の人との接触を避ける。
・水痘または水痘ワクチンを接種したことのない妊婦
・未熟児または低出生体重児
・免疫抑制剤(身体の正常な免疫反応を低下させる)を服用している人、がん治療を受けている人、臓器移植を受けた人、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染している人など、免疫力が低下している人。

帯状疱疹および関連合併症のリスクが高い人もいます。
白血病やリンパ腫などの特定の癌、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症など、免疫系が正常に働かない持病がある人。ステロイドや臓器移植後に投与された薬など、免疫系が正常に働かない薬を服用している人。

同居していると、
なかなかうつさないのは、
難しいのでワクチンは重要です。


帯状疱疹の最も一般的な合併症
帯状疱疹の最も一般的な合併症は、帯状疱疹後神経痛(PHN)と呼ばれる長期にわたる神経痛です。
PHNは、発疹が治った後も、帯状疱疹の発疹があった場所に生じます。発疹が治まった後も、数ヶ月から数年間続くことがあります。PHNは非常に痛みを伴い、日常生活に支障をきたします。
帯状疱疹にかかった人の約10%から18%がPHNを経験します。
高齢者の帯状疱疹は、若年者の帯状疱疹に比べ、PHNを発症する可能性が高く、痛みが長期化し、重症化する可能性が高いです。40歳未満の人がPHNを経験することは稀です。

帯状疱疹後神経痛がやっかいです。
治った後も痛みが続きます。

その他の合併症
ごくまれに、帯状疱疹は以下の合併所を引き起こすこともあります:
・肺の感染(肺炎)
・聴力障害
・脳の炎症(脳炎)
免疫系が弱っている人は、帯状疱疹の合併症を起こしやすく、
重度の発疹が長く続く可能性が高い。


予防
組換え型帯状疱疹ワクチン(RZV、Shingrix)は、帯状疱疹および関連合併症を予防するために推奨されるワクチンです。
治療
帯状疱疹の治療には、いくつかの抗ウイルス薬が使用可能です:
アシクロビル(ゾビラックス)
バラシクロビル(バルトレックス)
ファムシクロビル(ファムビル)
これらの薬は、病気の期間と重症度を短くします。発疹が現れたら、できるだけ早く服用するのが 最も効果的です。

ワクチン、抗ウイルス薬があります。
診断キットもあります。
早期治療が重要です。

痛みに関しては鎮痛剤に加えて、
以下の薬が使われることがあります。

帯状疱疹は激しい痛みを引き起こす可能性があるため、医療従事者が処方することもあります:(Mayo Clinicより)
・カプサイシン局所パッチ(Qutenza)
・ガバペンチン(タリージェ)などの抗けいれん薬
・アミトリプチリンなどの三環系抗うつ薬
・リドカインなどの鎮痛剤(クリーム、ゲル、スプレー、皮膚パッチなど)
・コルチコステロイドや局所麻酔薬などの注射。

カプサイシンのパッチは日本では発売されてませんが、
効果の程はどうなんでしょうか?
糖尿病患者さんの足の痛みにも適応あるようです。

長くなったので、
帯状疱疹ワクチンについては次回に。


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