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娘と漢字テストと親父(4) | I‘m on fire.

6月から漢字の勉強をサポートすることをはじめた私。

前回は「好き」を取り入れようと、漢字かるた作りで盛り上がったという話を書いた。

その後、漢字かるた熱はさめ、結局親父はせっせと漢字練習プリントを作り、それを娘はコツコツと取り組むという形が定着しはじめる。

朝ごはんを食べ終わるギリギリのところで、

「じゃあちょっと漢字のプリントやろうか?もう一瞬で終わるから。」

「うん、わかった」

と言って取り組む。大分漢字の勉強に抵抗がなくなってきたように感じる。

私としては、食事中にお願い事をすると承諾してもらえる確率が上がるという、ランチョンテクニックなる心理テクニックを一応参考にしてたりするのだが、関係あるのかないのか。まぁ、自己満足で効果ありと驚いている。

あとはなるべくプリントが簡単にできるような工夫を自分なりにしている。まるで野菜が苦手な子供に野菜を食べてもらうため、フードプロセッサーで粉々に砕いて与えるイメージ。

漢字に置き換えると、要は「読み」は結構簡単なのでまずは読みの問題を解いてもらう。

そして「読み」で出題した漢字をそのまま「書き」の問題にして各10問、計20問を1セットで作っている。

これを憚りながら「パパメソッド」とか言いながらドヤ顔で長女に提案している。

漢字テストメーカーで作成

「読み」で見た漢字をその後で書き出すので、(あっ、書ける)という感覚が掴めるのではないか?そして、その感覚から、(自分、意外と漢字書けるなぁ)という勘違いが生まれないかなぁ、というのが親父のねらい。

そんな漢字の勉強がルーティン化してきてはいるが、やっぱり受け身のまま。親父から渡されればやるが、自分から漢字の勉強はしない。

(まぁ、元々苦手を克服するために始めたから、こんなもんかな…)

と思いながら、付き合っていた。

7月はまさに学期末。学期末といえばテストのラッシュだ。

各教科、一学期に習ったことの習得度合いを確認するためにテストが行われる。

そして漢字だって同じ。学期末に一学期に習った漢字から50問テストが行われるという連絡が来た。

まぁ、結局やることは変わらない。覚えきれていない漢字を選択してプリントにして練習するのみ。

そうやってしばらく取り組んでいたら、ある日変化が訪れた…

50問テストの模擬試験のような漢字50個を選定したプリントが学校から配布された。どうやら勉強用に先生が用意したものだった。

「今日はせっかくだからこっちのプリントをやろうか?」

「わかった」

学校のプリントは「パパメソッド」ではなく、空欄に漢字を書き込んでいくのみ。「読み」の助走はなし。

(うーん、結構書けない漢字多いんじゃないかなぁ…)

なんて内心心配しながら付き合った。

そうしたら私の心の声を見透かしたのか、ガツガツ漢字を埋めていくではないか…

長女「私、結構描けるようになったんだよ(ニヤリ)」

えーーー、どういうこと?

私と取り組んでいる漢字練習ではまだまだ漢字の練習が足りないように思っていたら、いつのまにかというか突然漢字がかけるようになってる長女がいる。

「私ね、漢字が書けない自分が悔しくて、もうこんなのいやーって思って、昼休みに漢字ドリル見て空文字で書いてみて、わかんなかったら見直してって、めっちゃ練習したの。そしたら大分書けるようになった。」

おー、そういうことか。

ついに長女の中で火がついて、自分から漢字を勉強したんだ。そしたらほんの一瞬でこの違い。やはり自らやる気が起きるチカラというのは全くエネルギーが違うな、と圧倒された。そのやる気に燃える長女に出会えて親父はちょっと感動した。

この「娘と漢字テストと親父」を始めて、漢字が苦手な長女と漢字練習を取り組んでいく中で、親父としてはやはり

「あー、パパのおかげで漢字が苦手じゃなくなった」
「パパのプリントのおかげでテストの点数が良くなった」

とか、そういう感謝の言葉を期待してはいないといいたいが、そんな展開が合ったら良いなぁということすら考えてもいないといいきれるのだろうか。深層心理ではそんな下心があることは否定できないだろう。

まあ現実そんな展開になるはずもないし、実際感謝されるためにやっていた訳ではない、とだけは言っておきたい。

ただ何かがきっかけとなり、自分から漢字の練習をしようという気持ちと行動が生まれたこと、このことが何倍も価値のあることではないか。まさかこんな変化が生おとずれようとは始めた当初思ってもいなかったのだから。

私としてはもうテストの結果なんてどうでも良く、自分の中で「やろう!できる!」という気持ちが芽生えたことが嬉しいし、あとは自分が勝手に膨らましていくのだろう。

最近、めっきりヒカキンにハマっている長女。そして最近特にハマっている曲が「Fire」だ。
もう一年も前のリリースみたい。でも我が家では最近のヒットチャートとしてランクインしている。

サビの後の間奏で、ヒカキンが得意の低音ボイスで、

「I’m on fire.」

というフレーズが入っている。

長女から「これ、どういう意味?」
と聞かれた。

ググると「ノッてるね!」とかも出てくるが、この場合は「燃えている!」という表現がしっくりくるかなと思ったので、

私「私はもえている、やる気に満ちている、っていう意味だよ」

と伝えた。

まさに歌の如く、長女の中に火が点った瞬間に出会えた私だってその火を受けて嬉しく燃えている。

この努力が報われることをささやかに願いながら今日は終わります。

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