書簡体小説は、新境地へ。 【おすすめ書簡体小説3選】
「書簡体小説」とは、登場人物の書簡を用いて、間接的に物語を展開する小説のことである。
古くは、ゲーテの『若きウェルテルの悩み』、夏目漱石の『こころ』など、数々の傑作文学でこの手法が用いられてきた。
2年ほど前、書簡体小説がなぜ読者を惹きつけるのか、その面白さについて考え、noteを書いたことがある。
手紙には、宛先がある。
手紙に書かれる文章は、通常の小説のような不特定多数に向けた文章ではなく、特定の個人に宛てて綴られた文章だ。
書き手と読み手の世界に閉じた、ごく個