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【維持期】やることがなにもない?(状態を麻酔科医が作り出している)

麻酔維持期とは
患者さんの状態が安定している時期です。

しかし、
勝手に安定するわけではありません。

麻酔科医が作り出しているのです。

ふだんの安定した状態はホメオスタシスのおかげ

つぎのことを
ふだん意識することはありますか?

息をする
脈拍や血圧を一定に保つ
体温がさがらないようにする

ありませんよね!

これらのことは
無意識に、運動をしている間にも、寝ている間にも、
ちょうど良くなるようにからだが勝手に調整してくれます。

これを人体のホメオスタシスといいます。

ホメオスタシス
[homeostasis]
《生物》生体恒常性 生体が外部あるいは内部の変化にかかわりなく、生理的活動を安定な状態に維持する作用
(広辞苑)

一定の状態を保つように、
からだにはさまざまな機構が備わっています。

残念なことに、
全身麻酔では薬剤の影響で
これらの機能が著しくおさえらてしまう
のです。

2021-02-13 17.55のイメージ

そのため
全身麻酔状態では

息がとまる
血圧がさがる
体温がさがる

のが一般的です。

加えて手術の痛みやストレスが
容赦なく襲いかかります。

からだにしてみたら
大パニックです。

いずれもそのまま放っておけば
死んでしまいます。

そこで登場するのが麻酔科医です。

全身麻酔中は麻酔科医がかわりに安定させる

ふだんは勝手にいろいろやってくれている
人体ですが、
全身麻酔中は麻酔科医がそのかわりをします。

適切な量に薬を調整したり、
人工呼吸をしたり
加温をしたり、

これらを
麻酔の状態、手術の進行・侵襲にあわせて調節していきます。

不安定にするのも、安定させるのも麻酔科医次第。
そのやりやすさは患者さんの状態や手術内容によります。

調整する内容を
もうちょっと専門的に分けると

呼吸
循環
体温
鎮静
鎮痛

となります。

今後の記事でそれぞれ解説していきます!

(細かくいうと電解質、酸塩基平衡、血糖、血液凝固系など
そのほかにもチェックポイントはたくさんあります。)

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