なぜ血圧を維持するのか?【理由は2つ】
麻酔中、血圧をさげるのは良くない。
麻酔科医をはじめ、みんな
なぜ麻酔中の血圧を気にするのでしょう。
「なんで麻酔中は血圧をみるんだろう?」
今回はそんな疑問にお答えします。
■なぜ血圧に注目するのか?
- 理由① 組織酸素化を保つ目安になるから
そもそも、循環を維持するのは
「組織の酸素化を保つ」ため
です。
全身に酸素を含んだ血液を行き渡らせるため
ある程度の血圧が必要になるわけです。
ゴールは組織の酸素化で、
血圧の維持はその手段です。
血圧が下がってしまうと、
組織への
組織灌流が悪くなり、
酸素運搬量も下がります。
その結果、組織の酸素化も悪化してしまいます。
*血圧はさらにCO(一回心拍出量)とSVR(末梢血管抵抗)で規定されているのでした。
これについては下記記事で解説しています。
- 理由② 計測しやすいから
組織の酸素化を直接測定できればいいのですが、
すべての組織で測ることはできません。
INVOSなどのオキシメータは
脳の表面や、四肢の筋肉などの酸素化を測定することができます。
しかし測定できる臓器は限られています。
かんたんに測定ができて
組織の酸素化の目安になるものはないか?
かんたんに測定できないと、
目まぐるしく変わる状況に
対応できませんからね!
そこで、
血圧測定です。
「血圧が保たれていれば、全身の血液灌流も、酸素運搬量も保たれるよね!」
という考えで血圧を測っています。
*現実には代謝や酸素消費量など、その他の要素もあります。
■さいごに
まとめです。
循環維持の目的は組織の酸素化。
直接組織の酸素化を測定できればいいけど、それはむずかしい。
血圧測定はかんたんにできて、
組織の酸素化をある程度反映する。
だから血圧を測定する。
血圧測定は
あくまで目的を達成するための手段なんです。
次回、
「じゃあ一体いくつに血圧を保ったらいいの?」
ということを解説します。
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