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英語の第三文型(SVO)

英文法では、英文の語句が:

[主語(S)] [他動詞(V.t)] [目的語(O)]

の順に並んでいるものを、第三文型(SVO)と名付けています。(「V.t」は 「transitive verb」の意。)

語句の間に「助動詞」「修飾語(M)」が入ることも、もちろんあります。

因みに、第一文型(SV)については『英語の第一文型(SV)と用語の説明』で説明し ております。

また、第二文型(SVC)については『英語の第二文型(SVC)』で説明しております。

ここからは第一文型(SV)と第二文型(SVC)をご理解していただいたと想像した上 で、話をすすめさせていただきますので、ご了承ください。

ここで「自動詞とは何か?」「他動詞とは何か?」を再度確認しておきたいと思います。

『必ずわかる!英語の「自動詞」と「他動詞』で詳しく説明しておりますが、大切 なことですので、再確認いたします。

自動詞は「目的語が言えない動詞」のことです。

他動詞は「目的語が言える動詞」のことです。

この定義は日本語でも英語でも同じです。

目的語を簡単に定義すると「他動詞の表す動作をこうむる(受ける)モノ・コト」 と言えます。

1. まずは日本語における自動詞と他動詞を確認する

英語の自動詞と他動詞を確認する前に、まず日本語における自動詞と他動詞を、例文を通して確認してみましょう。

理由は日本語における自動詞と他動詞を理解していないと、英語における自動詞と他動詞を理解するのが難しいからです。

例文:
1 りんご 食べる。
2 コーヒー 飲む。
3 本 飲む。
4 映画 見る。
5 音楽 聞く。
6 日本語 話す。

お気付きのように、日本語では「食べる」「飲む」「見る」などの動詞は助詞の「を」が言えます。

(注意点: 日常会話では「を」省いたり、時と場合によっては「を」を「は」に変 えたりしますから、注意してください。)

このように「を」が言える動詞は他動詞です。そして、「を」が言えない動詞は自動詞となります。

しかし、ここで一つ問題があります。

日本語の助詞「を」には「目的語の後につけるモノ」の他に、もう二つ使い方があります。

一つ目の使い方を以下の例文で確認してみましょう。

例文:
7 部屋 出る。
8 電車 降りる。
9 大学 卒業する。

上記の文の「を」は「目的」ではなく「出発点・出発する場所」を表す助詞です。

この場合、「出る」「降りる」「卒業する」は「自動詞」として取り扱います。

二つ目の使い方を例文で確認してみましょう。

例文:
10 道 渡る。
11 空 飛ぶ。
12 公園 散歩する。
13 運動場 走る。

上記の文の「を」は「目的」ではなく「通過点・通過する場所」を表す助詞です。

この場合、「渡る」「飛ぶ」「散歩する」「走る」は「自動詞」として取り扱います。

まとめますと、

1. 目的語を表す「を」が言える動詞は他動詞であり、目的語を表す「を」が言えな
い動詞は自動詞である。

2.「を」には「出発点・出発する場所」と「通過点・通過の場所」を表す「を」も
あり、これらの「を」を言う動詞は自動詞である。

3.「読書する」「散歩する」「洗濯する」「喧嘩する」「修理する」等の「する」 自体は他動詞であるが、「名詞+する」の形には自動詞もあれば他動詞もある。ど ちらであるか判断するには、目的語を表す「を」が言えるかどうかで判断する。

以上で日本語における「自動詞」と「他動詞」の確認は終了です。

2. 英語における自動詞と他動詞

日本語では自動詞と他動詞を比較的はっきり区別することができます。(幾つか例 外はありますが。)

しかし、英語の動詞は自動詞としても他動詞としても使うものが多くあるので、文脈からどちらであるかを判断しなければなりません。

以下の例文を見てください。

I walk to the station every morning.
(毎朝歩いて駅へ行く。)

の「walk」は自動詞ですが、

I walk my dog every morning.
(毎朝犬を散歩させる。)

の「walk」は他動詞です。(日本語では使役の表現を使っていますね。)

I opened the window just now.
(たった今窓を開けた。)

の「opened」は他動詞、

The window opened because of the wind.
(風で窓が開いた。)

の「opened」は自動詞です。

He broke your camera yesterday.
(彼が昨日君のカメラを壊した。)

の「broke」は他動詞、

The clock broke the day before yesterday.
(その時計はおととい壊れた。)

の「broke」は自動詞です。

例文からもわかるように、日本語で目的語の「を」が言えるから、英語でも他動詞だとは言えません。

また、

I take off my shoes at home.
(家で靴を脱ぐ。)

I turn off the light when I keave the house.
(家を出る時、電気を消す。)

のような文を見て、

「動詞のあとに前置詞 "off" があるから、"take" も "turn" も自動詞だ」 と判断してはいけません。

この「off」は副詞です。「take off」「turn off 」は句動詞と呼ばれるものです。

句動詞というのは「動詞+副詞」または「動詞+(副詞)+前置詞」の形を取り、まとまって一つの動詞のように機能する句のことです。動詞として取り扱います。

上記の英文の場合、「take off 」も「turn off」も一つの動詞とみなして他動詞と して取り扱います。

注意事項があります。前置詞として習う多くの語句は副詞としても使われます。

前置詞は100個以上ありますが、そのうちの半数以上は副詞としても使われます。 「on」「off」「in」「out」「over」「to」「up」など、全て副詞としても使われます。

ですから語句が前置詞として使われているのか、副詞として使われているのか、見極める必要があります。

これについてはまたの機会に。

話を自動詞と他動詞に戻します。

また、「英語の動詞の後ろに何もないから、自動詞だ」と判断するのも危険です。

質問の答えの時などは、日本語でもそうですが、よく目的語を省略するからです。

とにかく大切なことは、「日本語の自動詞が英語でも自動詞になるとは限らない。日本語の他動詞が英語でも他動詞になるとは限らない。」と意識することです。

そして、英文で自動詞か他動詞かはっきりわからない時は必ず辞書などで確認することです。

私はスマートフォンのアプリの『ウィズダム 英和辞典 和英辞典』を愛用してい ます。

3. すぐに第三文型(SVO)に分類されるとわかる英文

では、「あっ! これは第三文型(SVO)に分類されるなあ。」とすぐにわかる英文を挙げておきます。

ここからは:

主語は [◯◯]
動詞は <◯◯>
目的語は (◯◯)
修飾語 {◯◯}

と括弧でくくりますので、第三文型(SVO)を確認してください。

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I eat an apple every day.
[I] <eat> ({an} apple) {every day}. ←第三文型(SVO)
(毎日りんごを食べる。)
注意: 「eat」は自動詞としても使われます。

My father drinks coffee every morning.
[{My} father] <drinks> (coffee) {every morning}. ←第三文型(SVO)
(父は毎朝コーヒーを飲む。)
注意: 「drink」は自動詞か名詞としても使われます。

He read that book last week.
[He] <read> ({that} book) {last week}. ←第三文型(SVO)
(彼は先週その本を読んだ。)
注意: 「read」は自動詞としても使われます。

You should write the andwer on the notebook.
[You] <should write> ({the} andwer) {on the notebook}. ←第三文型(SVO)
(ノートに答えを書くべきだよ。)
注意: 「write」は自動詞としても使われます。

I heard a noise behind me.
[I] <heard> ({a} noise) {behind me}. ←第三文型(SVO)
(背後で 物音がした / 物音を聞いた / 物音が聞こえた。)
注意: 「hear」は自動詞としても使われます。因みに「listen (to)」は自動詞で す。他動詞としては使われません。

She can speak a bit of English.
[She] <can speak> ({a bit of} English). ←第三文型(SVO)
(彼女は英語がちょっと話せる。)
注意: 「speak」は自動詞としても使われます。

4. 第三文型(SVO)の他動詞で日本語では自動詞になるもの

次に、第三文型(SVO)に分類される英文の中の他動詞で、日本語では自動詞に当 たるものを、例文と共に挙げておきます。

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I will meet my friend tomorrow. [SVO]
[I ]<will meet> ({my} friend) {tomorrow}. ←第三文型(SVO)
(明日友達に会う。)
注意:この日本語の「に」は「対象」を表します。日本語では「会う」は自動詞で す。なお「meet」は自動詞か名詞としても使われます。

He andwered the question instantly.
[He] <andwered> ({the} question) {instantly}. ←第三文型(SVO)
(彼は即座に質問に答えた。)
注意:この日本語の「に」は「目的語を受け取るモノ・人」を表します。「質問に 答える = 質問に 答えを 与える」と理解してください。日本語では「答える」は自 動詞です。なお「answer」は自動詞としても使われます。

He entered the store a little while ago.
[He] <entered> ({the} store) {a little while ago}. ←第三文型(SVO)
(彼はさっき店に入った。)
注意:この日本語の「に」は「到着点・場所」を表します。日本語では「入る」は 自動詞です。なお「entet」は自動詞か名詞としても使われます。

My child rode a horse yesterday.
[{My} child] <rode> ({a} horse) {yesterday}. ←第三文型(SVO)
(子供は昨日馬に乗った。)
注意:この日本語の「に」は「到着点・場所」を表します。日本語では「乗る」は 自動詞です。なお「ride」は自動詞か名詞としても使われます。

I need to board an airplane at any minute.
[I] <need to board> ({an} airplane) {at any minute}. ←第三文型(SVO)
(間もなく飛行機に乗る必要がある。)
注意:この日本語の「に」は「到着点・場所」を表します。日本語では「乗る」は 自動詞です。なお「board」は自動詞か名詞としても使われます。

I am going to leave the classroom later.
[I] <am going to leave> ({the} classroom) {later}. ←第三文型(SVO)
(後で教室を出る。)
注意:この日本語の「を」は目的語を表すモノのではなく「出発点を表すモノ」で すから、日本語の「出る」は自動詞です。なお「leave」は自動詞としても使われ ます。

5. オマケ:日本語でも英語でも自動詞だが、英文の中で他動 詞に見えるもの

オマケとして、日本語でも英語でも自動詞ですが、英文の中で他動詞に見えるものを例文と共に挙げておきます。

なお以下の英文は全て第二文型(SV)に分類されます。

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The window opened because of the string wind.
[{The} window] <opened> {because of the string wind}. ←第二文型(SV)
(強風で窓が開いた。)
注意:「開ける」も「開く」も「open」を使う。

The door closed by itself.
[{The} door] <closed> {by itself}. ←第二文型(SV)
(ドアがひとりでに閉まった。)
注意:「閉める」も「閉まる」も「open」を使う。

A crowd gathered around the city hall.
[{A} crowd] <gathered> {around the city hall}. ←第二文型(SV)
(群衆は市役所の周りに集まった。)
注意:「集める」も「集まる」も「gather」を使う。

The wallet dropped to the ground.
[{The} wallet] <dropped> {to the ground}. ←第二文型(SV)
(財布が地面に落ちた。)
注意:「落とす」も「落ちる」も「drop」を使う。

The car stopped with a jerk.
[{The} car] <stopped> {with a jerk}. ←第二文型(SV)
(車はグッとなって止まった。)
注意:「止める」も「止まる」も「drop」を使う。

My cell phone broke this morning.
[{My} {cell} phone] <broke> {this morning}. ←第二文型(SV)
(今朝携帯電話が壊れた。) 注意:「壊す」も「壊れる」も「break」を使う。

以上で第三文型(SVO)の説明は終了です。

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